6月18日、主要8カ国(G8)の首脳たちは、シリア和平会議をできるだけ早く開催することを要請したが、ロシアは戦いのさなかにある中東の同盟国(シリアのこと)を支持したため、深刻な分裂は残ったままだった。
北アイルランドのロックアーンで開催された2日間の会談の最後に、首脳たちはシリアでの移行政府を推進することで合意した。移行政府には、寝返ったバッシャール・アル=アサド大統領の政権のメンバーも含まれる可能性がある。
シリアの危機は、世界を主導する先進国が、脱税を取り締まったり国境をまたぐ金融情報をより多く共有したりするための協定に影を落とした。
イギリスのデービッド・キャメロン首相は、首脳たちはロシアとの対立があったにも関わらずシリアに関して強力な合意を築いたと主張したが、彼らの閉幕宣言は具体的な手段に欠けていた。
キャメロン首相は、アサド大統領は93,000人の死者を出し、欧米諸国によると化学兵器を使用したことがあるため、移行政府に参加できないと述べた。
しかし、G8の共同声明は、アサド大統領にはあえて全く言及しなかった。これは明らかに、アサド大統領への主な武器供与国であるロシア政府に譲歩してのことだ。
G8の首脳たちは、税金に関してより強く団結し、不法な脱税だけでなく多国籍企業による税金逃れにも狙いを定めた具体的な措置を約束した。多国籍企業による税金逃れは、歳入の減少により納税者に何十億ドルもの犠牲を払わせている。
国際オリンピック委員会は、2020年夏季五輪開催都市の投票まであと3カ月を切ったが、東京を最有力候補地として選ぶ方向にますます傾いているようだ。
東京が治安の良さを強調したことが2020年夏季五輪招致レースに影響を与えていると思われる。ヨーロッパから出席したIOCのベテラン委員は、この招致レースで東京の勝利は手の届くところにあると述べた。IOC理事会での経験があるほかの委員も投票の前に大きな過ちを犯さない限り、東京が勝つだろうと思っているという。
イスタンブールは、招致レースには5回目の挑戦となるが、オリンピックを開催する初めてのイスラム都市になるという目的が好印象を与えていたが、トルコの政府当局が反政府デモに対して弾圧を始めてから、東京の(開催地としての)株が急上昇している。マドリードは、経済危機の終息が見えてこない。
NASAは新宇宙飛行士を8名迎え、8名中4名が女性で、この宇宙機関(NASAのこと)がこれまで選んだ中で女性の宇宙飛行士候補生の割合が最も高くなった。
発表は、サリー・ライドさんがアメリカ人女性で初めて宇宙へ飛び立った1983年6月18日から30周年の日の前夜に行なわれた。サリー・ライドさんは昨年夏に亡くなった。
8名の女性は6000名を超える応募の中から選ばれた。ヒューストンにあるジョンソン宇宙センターで8月から勤務する。
NASAのチャールズ・ボールデン局長は、新候補生は2020年代に小惑星へ、そしてその後の10年のいつか火星への初の有人飛行をリードするのに貢献するだろうと述べた。
「この新しい宇宙探検家たちは、ここで大きく大胆なこと―つまり今までになかったほど宇宙のさらに彼方へミッションを開発していることを知っているからNASAに入りたいと言ってきた」とボールデン局長は話した。
自民党の高市早苗政調会長は6月17日、2011年の福島原発での炉心溶融事故で死者は出ていないと発言し、波紋を呼んだ。
神戸市での講演で、高市氏は原発事故は「だれの命も奪っていない」と述べ、日本は「最大限可能な安全を確保してから原子力発電所を活用するべきだ」と話した。
直接的に炉心溶融事故で亡くなった人はいなかったが、国会事故調査委員会の報告書によると、少なくとも70人の人々が大規模な避難で亡くなっている。
東京地裁は6月17日、オウム真理教の3名の死刑囚に平田信被告の裁判で公開法廷での尋問を実施すると発表した。平田信被告は、その終末論を説くカルト(オウム真理教のこと)によって誘拐された後に殺害された公証人の誘拐を幇助した罪に問われている。
死刑囚に証人として尋問をすることは極めて稀であり、また今回は、裁判員制度による裁判での初めての死刑囚尋問になると、東京地裁は述べた。
3人の死刑囚は井上嘉浩(43)、中川智正(50)、小池泰男(55)だ。
平田被告は、17年間の逃亡の後、2011年12月31日に自首した。
警視庁は、経営破綻した安愚楽牧場の社長と2人の旧経営陣を、2011年に経営が行き詰まる前に誤解を招く情報に基づいて出資者を勧誘したとして、6月18日に逮捕した。
三ケ尻久美子元社長(69)と、旧経営陣2人は、牛を育てる仕組みで73,000人の出資者に影響を与えた事件に関連して逮捕された。
捜査筋によると、この会社は出資者に対し、牧場で飼育されている牛の数を水増しするなど、嘘の情報を与えていたという。
JR東日本は6月18日、幸運な1組のカップルに山手線の車内で今年の後半に結婚式を挙げるチャンスを贈ると発表した。
このイベントは、山手線の特徴的な緑色の50周年を記念するお祝いの一環だ。結婚式は10月14日に行われ、1872年に日本初の鉄道サービスが新橋―横浜駅間で開始されたことを記念する。
結婚式のアイディアは、「人々に人とのつながりの大切さを再認識してもらう」ためだと、JR東日本の職員は述べた。
6月18日、米国家安全保障局(NSA)の局長は、下院情報特別委員会の委員長らによって繰り返された力強い弁護の中、米国政府による広範囲の監視プログラムは世界中で約50のテロ計画を阻止したと主張した。
阻止された2件の攻撃に関する詳細はすでに明かされており、キース・アレキサンダー長官は、こうしたプログラムが役立って阻止された攻撃について、さらなる情報を委員会に提供することを約束した。
アレキサンダー長官は、追加の詳細はほとんど提示しなかったが、こうしたプログラムは「諜報コミュニティーが点の情報をつなぎ合わせることに役立っている」と述べた。
6月17日、6人の少年選手とそのうちの1人の父親が、オランダでの試合の後、ボランティアのラインズマンに蹴るなどの暴行を加えて死亡させた事件で、殺人罪の有罪判決が言い渡された。この残酷な攻撃は、サッカーを愛するこの国(オランダのこと)に衝撃を与えた。
レリスタットの裁判官らは、エル-ハサンDとのみ明かされている50歳の父親に、12月のこの攻撃で懲役6年の刑を言い渡した。少年選手らは、少年院での1?2年の収容を言い渡された。
裁判官らは、少年たちに最も長い収容期間を言い渡した。その理由の一つは、少年たちがこの攻撃に対する責任を認めなかったことである。
モントリオールに衝撃を与えた汚職スキャンダルを一掃すると約束した同市の臨時市長は、今度は彼自身が詐欺罪に直面している。
マイケル・アップルバウム氏は、政府に対する詐欺行為や地方自治体業務での汚職を含む14件の罪に問われている。同氏は6月17日の早朝、自宅で逮捕された。
アップルバウム氏は、ジェラルド・トレンブレー前市長が汚職の容疑で辞任した後、昨年11月に臨時市長として引き継いだ。
2月、汚職防止の当局者らは、市役所、及びアップルバウム氏が代表を務めていた自治区の事務所を含む複数の事務所を強制捜査した。
サウジアラビアは、SARSに似た新しい呼吸器症候群ウィルスによって新たに4人が死亡し、高まる危機の中心にあるこの王国で合計死者数が32人に達したと発表した。
地元の当局者らと世界保健機関(WHO)によると、9月以降、主に欧州と中東において、このウィルスにより40人近くが死亡したという。
また、サウジアラビア保健省は6月17日、2歳の子どもを含む3人にウィルス感染を確認した。当局者らは今なお、このウィルスが人間同士でどれくらい感染しやすいかについての手掛かりを探している。
カナダの研究者たちの研究によると、男性と、彼らが若い女性を好むことが、女性の閉経の原因になっているかもしれないという。「もし女性がいつまでも生殖でき、高齢の女性を好まないという傾向がなければ、女性は男性がそうであるように生涯にわたって生殖能力を維持しているだろう」と進化遺伝学者であり、マクマスター大学教授のラーマ・シン氏は述べた。シン氏によると、高齢の男性の多くが若い女性と性交することを求めるため、高齢の女性の相手となる高齢の男性の総数が減少し、そのために生殖ができなくなり、閉経を生じさせたという。
英国のウィリアム王子は、唾液サンプルにより英連邦で最も人口の多い国(インドのこと)との直系の血統が明らかになり、インド人のルーツを持つことが証明された英国初の王になると、タイムズ誌が6月14日に報道した。エジンバラ大学の研究者らによると、王位継承順位2番目(のウィリアム王子)のサンプルから取り出したDNAは、インド人の血が少なくとも半分入っていたと今では知られる女性のDNAとのつながりがあったという。ウィリアム王子の7代前の祖先に当たるEliza Kewarkという女性は以前はアルメニア人だと考えられていたが、女系によって受け継がれてきたDNAによって、彼女には少なくとも半分インド人の血が入っていたことが明らかになったと、タイムズ誌は伝えた。
数十年の間、健康を扱う当局者らは、殺虫剤、蚊帳、薬によってマラリアと闘ってきた。そして今、科学者たちは、蚊が媒介する致命的な病気と闘う新しい強力なツールがあるかもしれないと言っている。それは、臭い靴下の悪臭である。イギリスの研究室に所属する研究者たちは、この熱帯病に感染した蚊が、マラリアを媒介しない蚊に比べて、汚い靴下から発する人間の臭いにより強く引き付けられたことを発見した。マラリアの寄生虫を媒介する虫は、臭い靴下に引き寄せられる可能性が3倍高かった。この発見は、マラリアを媒介する蚊を狙ったわなを作るのに役立つかもしれない。
オーストラリアの新しい研究が、日焼け止めを毎日使うことで肌の老化を遅らせることができる強力な証拠を示している。研究者たちは、日焼け止めが本当に役立つかどうかを測定するために独特の研究を用いた。被験者たちは、しわを測定するために、手の甲から型を取った。900人を被験者としたこの研究は、日焼け止めを毎日使用した被験者と、必要だと思ったときに使用した被験者とを比較した。毎日の使用は厄介だったが、4年半が経ったとき、定期的に日焼け止めを使用した被験者たちの手はより若く、日焼け止めを時々使用しただけの被験者に比べて肌の老化が24%少なかった。
高レベルの大気汚染にさらされていた妊婦は、(将来的に)自閉症になる子どもを出産する可能性が高かったと、米国の研究が6月18日に発表した。
このデータは、116,430人の看護士を対象とした大規模な調査を元にした。研究者らは、自閉症の子どもがいる325人の女性と、この障害(自閉症のこと)をもたない子どものいる22,000人の女性を分けた。分析により、大気中のディーゼル微粒子のレベルが高い地域に住んでいた女性は、そのレベルが低い場所に住んでいた女性に比べて、子どもが自閉症である確率が2倍高いことがわかった。
指で鳴らすパチンという音と、散らばったマイク数本、コンピュータのアルゴリズムさえあれば、部屋の正確な3Dマップが作製できると、スイスと米国の研究者らが6月17日に発表した。
彼らの手法は、音の反響の距離を計測し、大学の教室と大聖堂の小部屋のマップを作製した。「我々のソフトウェアは、数ミリの誤差という精度で、単純で凹凸のある部屋の3Dマップを構築することができる」とスイス連邦工科大学ローザンヌ校の博士課程の学生で、(研究論文の)主執筆者であるIvan Dokmanic氏は述べた。
メキシコにおける、この市長の有力候補は、一日の大半を食べて寝て過ごし、食べ残しを地面の穴に入れることを公約している。
オレンジ色の目をした白黒まだらの子猫は、メキシコ東部のハラパ市長に立候補しており、選挙戦のスローガンとして「ネズミ(腐敗した政治家を指す)に投票するのはうんざりかい。猫に一票を」を掲げている。そしてこの子猫は、ソーシャルメディア上で数万人もの支持者を集めている。
35歳の会社員、セルヒオ・チャモロ氏は昨年、この生後10ヵ月の猫を候補者指名した。政治家たちの空約束に幻滅したチャモロ氏と友人グループによって選挙に出され、モリスの立候補はメキシコ中で共感を呼んだ。メキシコでは、人間の候補者に不満を感じている市民たちが、14の州で行なわれている7月7日の選挙に自分たちのペットや家畜を候補者に指名している。
「モリスは我々の社会に存在する不満を示してきた」とチャモロ氏は述べた。「我々の当初からのメッセージは、もしもあなたの代表となる候補者がいなければ、猫に投票しよう、というもので、人々はこれに応えてくれているようだ」
ここでは、日本はときどきしかテレビのニュースで扱われない。
普段は、経済に関連する話だが、ソニーの最新の技術革新であったりもする。北朝鮮のロケットを巡っての地域的な緊張状態が最近ではよく取り上げられた。そしてもちろん、日本の地震や自然災害は世界中で大きなニュースになっている。
最近新聞やテレビのニュースで大きく取り上げられた話は、三浦雄一郎さんと、三浦さんが80歳にしてエベレストを制覇したことだった。
このニュースは、日本人は健康と長寿のことになると超人的であるというアイルランド人の感覚にとても合致した。世界保健機関によると、日本の平均寿命は83歳で、世界一だ。アイルランドでは平均寿命は81歳でアメリカと英国をわずかに上回る。
「オキナワ・ウェイ」という本は、主に食事についての本だが、アイルランドではベストセラーになり、たくさんの二番煎じが出回っている。私は日本に数年住んでいたので、友人や同僚がときどき、まるで私が権威であるかのように、何を食べるべきか相談してくる。
そんな彼らには、私が日本に住んでいたのは20代前半で、「オキナワ・ウェイ」からはほとんど影響を受けていないのだと言わなければならない。大きなどんぶりの塩辛いラーメン、脂の乗ったマグロの切り身、肉汁が滴る焼き鳥とアサヒビール、これらはどれもたいへんお薦めできるが、体重を減らしたい、あるいは、90代まで生きたいのなら、やめておいた方がよい。
私は先週、自分の誕生日が過ぎたときに、三浦さんのことを考えていた。その特別なとき(誕生日のこと)は、20歳よりも40歳の方がずっと近くなってからは、祝いたい気分になるような日ではない。三浦さんの年齢まで生きるかもしれないが、今後それまでに自分がエベレストをスキーで滑り降りている姿をどういうわけか想像できない。いつまでも若々しい日本人の登山家(三浦さんのこと)を見て、私は年をとったように感じる。
実は、日に日に年を感じ始めている。クラッシック音楽とワインが、ロックとビールよりも好きになってきた。ショーウィンドーに飾られた動力工具に見とれずに工具店を通り過ぎることができない。10代の若者の格好を見て苦々しく思うようになってきた。
週末にダブリンで、日本で知り合いになった旧友(彼は私よりも年下だが)と会う約束をした。オリーは私の地元の大学の卒業生だ。その大学はアイルランドで日本語を勉強できる数少ない場所のひとつだ。彼は、福島県の小さな町に住んで、日本語がほぼすらすらとはなせるようになり、私はうらやましく思っている。
オリーは、言語能力と同様に、家族のことでも長けている。私はたった1人の息子でもどうにかやっているというのに、彼には3人の子どもがいて、もうすぐ4番目が生まれる。
面倒を見なければならない子どもがそんなにたくさんいるので、オリーと私は二人とも、パブで会うのはもう適切ではないだろうと思った。そこで、会う場所はガーデニングの展示会かイケアという選択になった。私たちは、家具のスーパーストアを選んだ。私は100歳くらいになった気がした。