普通の白いご飯は甘いか、辛いか?
この変な質問が私とニュージーランド人の友人との間で論争を引き起こした。私たちは普段大抵のことでは意見が一致していて、この質問が今までで最も活発な議論になるとは思ってもみなかった。
私が「ご飯は甘いわね」と言うと、「甘い? しょっぱいわよ」と友人は言う。「しょっぱい? 甘いわよ!」「だってご飯はカレーとかしょっぱいものと一緒に食べるじゃない。それに、昼食や夕食でご飯を食べるでしょう!」「カレーはしょっぱいけど、ただの白いご飯だけで食べてみれば、ご飯そのものは甘いわ!」
無作為に内輪の世論調査を日本人の同僚にしてみると、「甘い」が全員の見解だということが分かった。友人は日本人以外にも聞いてみようと言うので、フェイスブックに質問を投稿した。面白いことに、西洋の人のほとんどは「しょっぱい」と答えた。少数の人が「米は味がしない」と答えた。アジアの人の多くは「甘い」と答えた。
米には種類があって、日本の米はバスマティ米やタイ米よりも甘いと指摘する人もいた。科学的な見地からこの質問にアプローチする人もいて、米が甘いのは噛むことで炭水化物が糖分に変わるからだと説明した。
シンガポール人の友人から変わった答えが返ってきた。彼は日本で働いていたとき、東南アジアの多くの学生と交流したことがある。彼は「どんな食事に馴染んでいるかによる。日本では、特に日本酒やみりんのことを考えると、おそらくほとんどの人が米を甘いと考えるだろう。タイではもち米とマンゴーをデザートとして食べる。だから、普通の白いご飯を食べるときは、おそらく彼らにはしょっぱいと思えるのだろう」と言った。
インターネットで調べてみることにした。グーグルの検索バーに「米は甘いか?しょっぱいか?」と入力した。私のグーグル検索能力の不十分さを証明するかのように、上から10件の検索結果は、「ご飯を使った甘辛い料理のレシピ」だった。あるいはもしかすると、こんな質問は実に無意味だということの証明かもしれない。
「それは無意味ではないよ。その答えが、あなたの文化的背景と食の伝統についてたくさんのことを明らかにすると思うよ」と友人は言った。
日本語を見てみると、日本では米がどれだけ大事かが分かる。昼食にあたる言葉は「昼ご飯」、夕食は「晩ご飯」でどちらも炊いた米を表す漢字「飯」を含んでいる。
中国語も食事とは米を食べることと同等だと考えている。例えば、中国語で誰かに食事をしたかどうか尋ねたいときは、「ご飯を食べましたか?」と言う。米を食べたかどうかを聞いているのではなく、昼食や夕食をとったかを聞いている。
炊いた米を表す漢字を含む興味深い中国語のフレーズに「開飯」がある。食事を始めるという意味だ。文字通りに英語に訳すと「ご飯を開ける」になる。中国語を知らなければ意味がわからないかもしれないが、OpenRice.comは香港で始まった食べ物やレストランについての人気のオンラインガイドだ。
では、今度「ご飯を開ける」(食事を始める)ときは、一緒にいる仲間にご飯は甘いかしょっぱいか聞いてみよう。きっとその返事が、彼らを以前よりももっと理解する助けになるだろう。