7月3日、エジプト軍部は、イスラム主義者のムハンマド・モルシ大統領を打倒した。数百万人が同大統領による1年間の激動の統治を終わらせることを求めて街頭に繰り出す中、約50人が殺害された流血の惨事の翌週のことだった。
国防大臣兼エジプト国軍総司令官のアブデルファタフ・サイード・シシ氏によって国営テレビで行なわれたこの発表は、カイロの通りで数日間にわたって野営していた数千人の抗議者から熱狂的な歓迎を受けた。
シシ氏は、政治的移行に向けたロードマップ(行程表)の詳細を示し、イスラム主義者によってつくられた憲法は凍結され、大統領選挙が早々に行なわれると述べたが、それがいつになるかは明らかにしなかった。軍部はまた、最高憲法裁判所長官のアドリ・マンスール氏が同国の新しいリーダーになる見込みだと述べた。
オンライン上で投稿された、一般の人が撮影したビデオでモルシ氏は、「私は選挙で選ばれたエジプトの大統領だ」と宣言し、「この正当性を守る」ように人々に訴えた。
しかし、野党エジプト会議党のアラブ連盟元事務局長、アムル・ムーサ氏は、「これはクーデーターではない」と述べた。
エジプトで初めて自由選挙で選ばれた大統領であるモルシ氏は、6月30日の就任1周年を迎える前段階で、巨大な圧力にさらされていた。反対派らは、同氏がムスリム同胞団の手に権力を集中させたことで、2011年の革命を失敗に終わらせたとして非難した。