7月3日、エジプト軍部は、イスラム主義者のムハンマド・モルシ大統領を打倒した。数百万人が同大統領による1年間の激動の統治を終わらせることを求めて街頭に繰り出す中、約50人が殺害された流血の惨事の翌週のことだった。
国防大臣兼エジプト国軍総司令官のアブデルファタフ・サイード・シシ氏によって国営テレビで行なわれたこの発表は、カイロの通りで数日間にわたって野営していた数千人の抗議者から熱狂的な歓迎を受けた。
シシ氏は、政治的移行に向けたロードマップ(行程表)の詳細を示し、イスラム主義者によってつくられた憲法は凍結され、大統領選挙が早々に行なわれると述べたが、それがいつになるかは明らかにしなかった。軍部はまた、最高憲法裁判所長官のアドリ・マンスール氏が同国の新しいリーダーになる見込みだと述べた。
オンライン上で投稿された、一般の人が撮影したビデオでモルシ氏は、「私は選挙で選ばれたエジプトの大統領だ」と宣言し、「この正当性を守る」ように人々に訴えた。
しかし、野党エジプト会議党のアラブ連盟元事務局長、アムル・ムーサ氏は、「これはクーデーターではない」と述べた。
エジプトで初めて自由選挙で選ばれた大統領であるモルシ氏は、6月30日の就任1周年を迎える前段階で、巨大な圧力にさらされていた。反対派らは、同氏がムスリム同胞団の手に権力を集中させたことで、2011年の革命を失敗に終わらせたとして非難した。
リオデジャネイロで6月30日に開かれたサッカーのコンフェデレーションズカップで、フレッジ選手は2得点、ネイマール選手は1得点を挙げ、世界チャンピオンのスペインを3-0で下した。
ブラジルは5度目の世界チャンピオンとなり、現在の世界および欧州王者を倒し、スペインの29試合3年連続の無敗記録を終わらせた。
「我々は今日世界チャンピオンに勝ったが、来年戦うトーナメント(ワールドカップのこと)は今日よりもずっと難しい試合になるとわかっている。今、我々はさらなる自信を手にした。それが、我々が必要としていたものだ」と、ブラジルのルイス・フェリペ・スコラーリ監督は述べた。
フレッジ選手は開始2分にブラジルをリードさせ、ネイマール選手は44分に今回のトーナメントで4本目のゴールを決めてリードを倍にし、続く47分、フレッジ選手がトーナメントで5本目のゴールを追加した。
ブラジルは、コンフェデレーションズカップを3連覇し、ホームで行なわれた公式戦では1975年以来負けたことがない。
日本一高い山で先月ユネスコの世界遺産に登録された富士山が山開きをし、7月1日に登山者が集まった。
3776メートルの山頂で、4時40分ごろ、雲の間から太陽が現れたとき、登山者は歓声を上げた。彼らは、6月30日の深夜に4つの登山道のうち3つが開通した後、富士山を登っていた。
富士山の世界遺産登録で今年は登山客の増加が予想される。環境を保護するために、静岡県と山梨県では5合目付近で7月25日から10日間、試験的に1000円の入山料を課すことにしており、入山料について登山者に調査をする。
山梨県によると、毎年35万人から40万人が富士山を登っているという。
岡山大学病院は7月1日、生きている提供者から肺の中葉を移植する世界初の手術で、母親の肺の一部を3歳の息子に無事に移植したと発表した。
手術は、肺機能が低下して苦しんでいる男児に行なわれ、日本で最年少の肺移植患者だと病院は述べた。
生体肺移植は通常、(中葉よりも)大きい下葉で行なう。
ホンダとゼネラルモーターズは7月2日、両者が構想する環境技術提携で燃料電池車を共同開発すると発表した。
ニューヨークでの記者会見で、ホンダは低価格車モデルを開発したいと述べたが、推定価格は明らかにしなかった。
環境技術の開発には多額の投資が必要で、世界中の大手車メーカーは、環境技術開発で業務提携を進めている。
6月28日に小学校の近くで3人の児童がケガをしたナイフ襲撃事件を受けて、警察は7月1日厳戒態勢を敷いた。
東京都練馬区の大泉第一小学校に児童が到着したとき、大人に付き添われている子どももいた。
47歳の男は、伝えられるところによると6歳の男児2人と7歳の男児1人を果物ナイフで襲撃した後、6月28日に埼玉県で殺人未遂と武器所有の容疑で逮捕された。
男児のケガは命に関わるものではない。
日本政府は、アメリカが日本の外交官に諜報活動を行なっていたと報じられている疑惑について、アメリカ政府に対して説明を「強く要求する」という。菅義偉内閣官房長官が7月1日に発表した。
元職員のエドワード・スノーデン氏が暴露した米国国家安全保障局の最高機密文書とガーディアン紙が呼ぶ文書を引用した同紙の報道について、日本はアメリカに調査を申し立てるという。
その文書は、日本を含む38のアメリカ国内の大使館と在外公館を「ターゲット」と表現している。
エドワード・スノーデン氏が米国の外で避難場所を見つけられる最大のチャンスは、ベネズエラの大統領にかかっている。
7月2日、(ベネズエラの)大統領、ニコラス・マドゥロ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に会うためにモスクワにいた際、国家安全保障局(NSA)の元情報分析官(スノーデン氏のこと)を亡命者として受け入れるかという記者の質問をかわした。しかし、マドゥロ大統領は、スノーデン氏は国際法のもとで「保護されるべきだ」と述べた。
7月1日、クロアチアは欧州連合(EU)の28ヵ国目の加盟国となった。この小さな国が大陸を揺るがした流血の内戦によって独立を勝ち取ってから約20年後の画期的な出来事となった。
この達成に対するクロアチア人の熱狂は、EUの経済的混乱によってくじかれたが、これは人口420万人のこのバルカン半島の国(クロアチアのこと)にとって歴史的な転機である。同国は1991年に、旧ユーゴスラビアからの独立を宣言した。
6月29日、シルク・ドゥ・ソレイユの「KA(カー)」に出演していたパリ生まれのパフォーマーが、ラスベガスでの公演中に落下して死亡した。
サラ・ガヤード-ギヨ氏は、MGMグランドでの公演のステージで、約15メートルの高さから落下した後、病院で死亡が確認された。
目撃者たちは、この事故は作品の最後に近づいたところで起きたと述べた。31歳のこの曲芸師(ガヤード-ギヨ氏のこと)はステージの脇でつり上げられた際、安全ワイヤーから外れ落ちたと見られ、ステージの下の広々としたくぼみに落下した。
ガヤード-ギヨ氏は、2006年以来、「KA(カー)」のオリジナルキャストと共演し、22年にわたって曲芸師を務めていた。
ニューヨーク市の連邦当局は、ティファニー社の元重役を130万ドル(1億3,000万円)以上相当の宝飾品を盗んだ疑いで告訴した。
イングリッド・レダーハース・オクン容疑者(46歳)は7月2日、コネチカット州ダリエンの自宅で逮捕された。
レダーハース・オクン容疑者は、自分の立場を利用して165個の宝飾品を仕事目的だと言って借り出したと、検察官は主張している。検察官によると、同容疑者はこれらの品を国際的な販売業者に売り渡したという。
当局によると、レダーハース・オクン容疑者は2月に同社を退職している。
6月21日に発表された英国の研究によると、手っ取り早い一夜限りの関係を求めている男性は、小さな顎骨やふっくらした頬など、より女性らしい顔立ちをした女性を好むという。
研究者らは、女性の顔の合成写真を作り、被験者らに対し、長期的、あるいは短期的な関係においてどの顔を選ぶかを尋ねた。それぞれの顔につき、2つのバージョンがあった ??ひとつはより女性らしい顔立ち、もうひとつはより男性らしい顔つきだ。男性たちは、一夜限りの関係には、より女性らしい顔つきの女性を選ぶ比率が高かった。こうした好みの傾向は、既に決まった相手がいる男性の間で特に顕著だった。
6月27日に発表された調査によると、マグロ、サケ、イワシなど、脂肪の多い魚の切り身を食べると、乳がんのリスクが減るという。中国を拠点とする研究者たちは、過去に発表された26の研究を調べた。これらの研究は、(合計で)80万人以上の被験者を対象とし、被験者たちは健康状態をモニタリングされ、自分たちの食習慣についての詳細を提供した。脂肪の多い魚には、n-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)が豊富に含まれている。この分析は、n-3 PUFAを多く摂取している女性は、これの摂取が少ない女性に比べて乳がんのリスクが14%減少することを示した。
6月26日、科学者たちは、約70年前に生きていたウマのDNAを解明したと発表した。
古代に関するこの発見は、ロバやシマウマと同様に、今日のウマの全てが、約400万年前に生きていた共通の祖先の血を引いていることを示しており、これはこれまでに考えられていたよりも2倍も昔に遡る。この研究は、ウマの進化に関して、より優れた洞察を提供している。さらに重要なことに、これはあらゆる種類の古代の動物たちの遺伝子情報を解読するという新しい可能性を切り開くと、同研究の主執筆者で、コペンハーゲン大学に所属するルドビク・オーランド氏とエスケ・ビラースレウ氏は述べた。
乳幼児のときに母乳で育てられた人々は、粉ミルクで育てられた人々に比べて出世する可能性が24%高いと、6月25日にある研究が発表した。その反対に、赤ちゃんのときに母乳で育てられると、人生の後半で社会的に降格する可能性が20%も低かった。研究者らは、1958年に生まれたイギリス人17,419人と1970年に生まれたイギリス人16,771人のデータを調べた。10歳または11歳の時点での社会的階級と、33歳または34歳のときの社会的階級、及び、母乳で育てられたかどうかを比較した。
オックスフォード大学の研究者らは、異なる色や形状の食器を用いて、それらが同じ食べ物について感じられる味覚に与える影響を測定した。
ナイフで食べる食べ物は、スプーンやフォークで食べるよりも塩辛く、軽いプラスチック製のスプーンで食べると「より高価な」味がすることを発見した。また、赤い色は食事量を抑制する傾向があることを発見した。「赤は、食事量を減らす必要のある人々に食事を出すときに使えるだろう。しかし、体重不足の人々に対しては絶対に使うべきではない」と研究チームは述べた。
石油を原料とする昔からのプラスチックの代用品としてバナナの皮を利用するというエリフ・ビルギンさんのアイデアに、滑ってあぶなっかしいところは何もない。
イスタンブール出身の16歳の学生(ビルギンさんのこと)は2年かけて、捨てられたバナナの皮からバイオプラスチックを作る方法を完成させた。6月27日、『サイエンティフィック・アメリカン』誌が賞金5万ドル(490万円)の「実用科学(Science in Action)」賞に彼女を選出し、ビルギンさんの努力は報われた。彼女は自分の研究において、マンゴーの皮などの食品廃棄物から取れるでんぷんやセルロースがバイオプラスチックの製造に使えるのならば、バナナの皮にも同じことができるはずだと確信していた。
私の息子はカナダの大学を卒業したばかりだ。私のように、彼もまた英語の本が大好きな熱心な本の虫だ。彼はしかし、日本の田舎で日本語にどっぷり漬かって育った。彼が英語の読書家になるのを助けるのは簡単ではなかった。
妻と私は息子にアルファベットのカードと絵本から始めさせた。彼が8歳になったとき、飛躍のチャンスがやってきた。ハリーポッターの本の第1作目が出版された。英語版は長かった(320ページ!)が、魔法と龍と悪い魔法使いがたくさん出てくる素晴らしい筋だった。私がその本を息子に見せると、彼の目は輝いた。
私たちはこの本を寝る前に読んで聞かせる物語にすることにして、一晩に2ページずつ読むことにした。一緒にこの冒険に出発するのはわくわくした。
数週間後、しかし、問題があることに気がついた。息子はこの物語が大好きだったのに、私がすべてやってしまっていた。息子は受動的に座っているだけだった。父親が読み、息子が聞くという、良くないパターンに陥ってしまった。何かしなければ、この状態が永遠に続くことは分かっていた。
ついに私は戦略を決めた。ずるい戦略だ。うそと演技とだましの戦略だ。
ある夜、私たちはいつものように本を読もうと腰を下ろした。私は最初のページを読み終えた。そして突然、私はとても疲れた表情を装った。「ねぇ、お父さんへとへとだよ」とうそをついた。「もうこれ以上読めないや」と言うと、息子は驚いて私を見ていた。「いつも2ページずつ読んでいて、ハリーポッターが危険にさらされている。誰かが2ページ目を読まなければならない。君はどうだい?」と続けた。
息子はじっくり考えた。次に何が起こるのか知りたがっていた。しかし、彼は一人で読んだことがない。私を見て、本のページを見た。そして、深呼吸をした。「ネ・ク・ス・ト(次に)、ハ・リ・ー(ハリーは)ウェ・ン・ト(行った)…」と、息子は一文字ずつ四苦八苦して発音していった。そのページを読み終えるのにずいぶん時間がかかったが、彼はやり遂げた。本当に誇らしかった。
翌日の夜、同じことが起こった。私が最初のページを読んで「疲れて」、息子が2ページ目を読む。息子は日に日に、この新しいやり方に慣れてきた。父が1ページ目。息子が2ページ目。毎日息子は自信をつけていき、読むのが上手になっていった。
最後の躍進はすぐ後にやってきた。私は週末に東京で会議があった。つまり、2晩私が読むことができないということだ。私が帰宅したとき、息子は近づいてきて「お父さん、僕告白するね。お父さんが出かけている間、待てなくて、次に何が起こるか知りたかったから、一人で先に読み進めちゃった。ごめんなさい!」
私の計画はうまくいった!策略のおかげで、息子は独立した読書家になる一歩を踏み出した。1冊目を読み終えたあと、彼は次のハリーポッターの本を一人で読んだ。そして、『ロード・オブ・ザ・リング』、『ジュラシック・パーク』、『ダ・ヴィンチ・コード』と進んでいった。以来、トントン拍子にいっている。
子どもにうそをつくべきではないと言う人もいる。でも、うそが教育の方便になりうるときもある。