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2013年8月16日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Pikers, flakers, whingers (p. 9)

困った人たち

私たちはみんなあるタイプの人を知っている。ほら、土壇場で計画を取りやめると有名な友だち。ランチの約束や夕食の集まり、おしゃべり会を、ほかの人がみんなすでに向かっている途中や待っているときに、携帯メールでキャンセルしてしまう友だち。

ニュージーランドでは、しょっちゅうこういうことをする人たちのことを「piker」(ドタキャンする人)と呼ぶ。土壇場でキャンセルすることは、pike(ドタキャンする)と言う。例えば、「ブラッドにデザートを持ってきてと頼んだらだめよ。彼はたぶんpike(ドタキャン)して、私たちが何か自分たちで作らないといけなくなるわ」のように使う。この意味の起源は15世紀にできたと言われている。人々はよくpikeとして知られる杖を使っていた。「pike」は次第に動詞に発展し、「Pike it!」のように、誰かに対して怒って、杖を持って直ちに出て行くように要求するときに使われるようになった。このようにして逃げることは、少し大変なことがあったときに諦めることとしても見られていた。

piker(ドタキャンする人)として知られることは良いことではない。他の人をがっかりさせたり、持ってくることのなかったペストリー菓子と同じくらいあてにならない(flankyには「薄片状に剥がれる」の意味もあり、ペストリーの形状とかけている)という評価を持っているということになる。ここで、頼りにならない人を表すほかの形容詞が出てきた―flakyだ。元になっている動詞はflakeだ。誰かのことをflakyと呼ぶことは、その人のことを少し風変わりで忘れっぽいと暗に示している。この語源は1920年代にできたもので、コカインが「flake」のように見えると表され、コカインを使っている人は「flaky」と呼ばれていたころだ。

日本語の動詞「ドタキャンする」を初めて知ったときは、とてもわくわくした。この組み込まれた「ドタン」が突然のキャンセルの陰にある感情を実によく強調していて気に入っている。しかし、いつもドタキャンする人のことを表す日本語があるかどうかはまだ知らない。特に当てにならない友だちのことをドタキャナーと呼ぼうとしたが、なかなか定着しなかった。日本に住んでいた時、突然キャンセルされることは滅多になく、日本人の友だちのほとんどは計画を守るものだった。初めて友だちに約束をキャンセルされたときは、別の友だちに愚痴を言うときに私が作った新しい言葉をやっと使うことができて喜びそうになったくらいだ。

しかし、愚痴を言う時には注意していた。今度は自分が「whinger」または「whiner」(どちらも不平を言う人のこと)のレッテルを貼られたくないからだ。whingeまたはwhineするとは、何か大きな目で見ると全然大事でないことについて繰り返し不平を言うことについて言う言葉だ。あるいは、whingerと呼ばれる人は、絶えず何かに文句を言っているが、その問題を解決するために何かをすることはない。

良い友人たちの中には、piker(ドタキャンする人)やwhinger(愚痴ばかり言う人)は少ない方がいいだろう。私にとっては良い友人たちとは、身に付けるとぴったり合って快適なお気に入りの服のようなものだ。お気に入りの服は、自分に自信を持たせてくれて、肯定的に感じさせてくれる。物事が加熱したときは冷静さを、物事が冷めてきたときは温かみを保ってくれる。休暇の旅行に行く荷物をまとめているとき、持っていくものとして真っ先に考えるものの一つだ。あなたにとって、良い友人たちとはどのようなものだろうか?

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