英国のピーター・ヒッグス氏とベルギー人の同僚フランソワ・アングレール氏が10月8日、ビッグバンの後で物質がどのように形成されたかについての説明に寄与したことで、ノーベル物理学賞を受賞した。
2人は1960年代に個別で研究を行ない、宇宙の基本的な構成要素がどのように凝集し、質量を得て、今日私たちの周りに見られる全てのものを形成したかについての理論を考え出した。この理論は、ヒッグス粒子、あるいは「神の粒子」と呼ばれるようになった原子を構成する粒子の存在にかかっていた。
過去数十年における物理学の最も大きな進展の一つにおいて、欧州原子核研究機構(CERN)は昨年、スイスとフランスの国境の地下にある27キロのトンネルに設置された、100億ドル(9780億円)の粒子衝突型加速器を用いてヒッグス粒子を発見したと発表した。
恥ずかしがり屋なことで有名な84歳のヒッグス氏は、名誉教授を務めるエディンバラ大学が発表した声明で、「非実際的な研究の価値」が人々に認められることにこの賞が役立つことを期待していると述べた。
アングレール氏(80歳)は、科学的な自由の重要性や、科学者がすぐに実用的な応用ができない根本的な研究をすることが許される必要性をこの賞は示した、と述べた。