沈没する前にタイタニック号で演奏されていたバイオリンが、英国デヴァイズィズで競売にかけられ、105万ポンド(1億6600万円)以上の値で落札された。
この楽器は、もう演奏することはできないが、1500人以上の犠牲者の1人となった楽団長ウォレス・ハートリー氏のものだった。
ハートリーさんの楽団は、乗客が叫び、冷たい海で溺れている中でも船上のデッキで演奏を続け、その物語はジェームズ・キャメロン監督の映画『タイタニック』でも印象的なシーンだった。
「タイタニック号の遺品では世界的な記録だった。超えられることはないかもしれない」と、タイタニック号の記念品収集家ピーター・ボイド=スミスさんは述べた。
ハートリーさんの名前が入ったそのバイオリンは、タイタニック号の沈没から1週間以上経ってから、その音楽家(ハートリーさんのこと)の遺体とともに海で発見された。バイオリンは婚約者のマリア・ロビンソンさんから贈られたものだった。