エミリー・サガリスさんは台風で荒廃したフィリピンの都市で「奇跡の」女の子を出産し、喜びの涙を流した。そして、嵐の中で行方不明になった母親の名にちなんで、この赤ちゃんの名前をつけた。
この赤ちゃんは、仮設の医療センターとなった、破壊された空港の敷地で11月11日に誕生した。彼女のベッドは、ほこりや割れたガラス、ねじまがった金属、釘、その他のがれきの上に設置された、一枚の汚れたベニア板だった。
「彼女はとても美しい。私の母のベアトリスにちなんで、ベア・ジョイと名付けます」とサガリスさん(21)は出産後まもなく、こうささやいた。
サガリスさんによると、彼女の母親は、超巨大台風ハイエンが起こした巨大な波がレイテ州都タクロバン近郊の自宅に押し寄せたときに流され、それ以来目撃されていないという。タクロバンは最もひどい被害を受けた地域の一つだった。
「彼女は私の奇跡です。高い波が押し寄せ、私たち全員を流してしまったとき、まだ私のお腹の中にいる彼女と一緒に私は死ぬのだと思いました」とサガリスさんが話す中、夫のジョバートさんは赤ちゃんをしっかりと抱き、ボランティアで来た人が彼らの上で点滴の容器を握っていた。