「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2013年11月29日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Caroline Kennedy meets Emperor in ceremonial pomp(p. 1)

ケネディ新大使、皇居で信任状捧呈式

11月19日、キャロライン・ケネディ氏は儀式的な手続きにおいて明仁天皇に会見する中、何千人もの支持者たちが新しい米国大使を一目見ようと東京の通りに列を成した。

暗殺されたジョン・F・ケネディ元米大統領の唯一の生き残った子どもであるケネディ氏(55)は、念入りに準備された行進の中、馬車に乗って都心の皇居に向かい、ヨーロッパ式の儀式用の衣装を着た皇居の職員たちに付き添われた。

外国の高官に対して公共の場で好意が示されることは珍しいが、カメラを手にして歓声をあげる大勢の見物人たちは、首都の中心に続く広い並木道に並んだ。

ケネディ氏は、同氏の地位を確認するバラク・オバマ米大統領からの手紙を手渡すため、敬愛されている天皇と短い時間の会見を行った。これは、最上位の特命全権公使による慣例的な外交行為である。

「天皇陛下に信任状を捧呈することができて光栄であり、大使としての仕事を開始するのを待ちきれない思いです」とケネディ氏は会見後、報道陣に述べた。

ケネディ氏の任命は、父親がダラスで暗殺されてから50年となる11月22日の数日前に行なわれ、日本のメディアの大きな関心を呼び、いくつかの全国放送局がこの行進を生中継した。

ケネディ氏は11月15日に東京に到着し、米国政府と日本政府との同盟を強化したいと報道陣に述べた。

Easy Reading

Secondhand mamachari popular in London (p. 3)

海を渡る「ママチャリ」、ロンドンで人気

日本で最も一般的な自転車「ママチャリ」(文字通りにはお母さんの自転車)はあらゆる世代の人々に使われている。しかし今、その実用的な自転車はロンドン市民の間で人気を高めつつある。

日本にかつて住んでいた整備士のノア・フィッシャーさんは、475台の中古のママチャリを日本から輸入し、6月に彼がオープンしたイーストロンドンにある店で販売している。これまで、60台のママチャリを販売し、関心は高まっている。自転車は100ポンドから300ポンド(16000円から48000円)の間で販売されている。

フィッシャーさんは、自転車泥棒の被害に遭って安くて品質の良い代替品を探しているたくさんの人々と偶然出会い、その後、このアイデアを思いついた。

「ママチャリに価格と品質で優る自転車はイギリスにはない」とフィッシャーさんは述べた。「ママチャリの素材と部品は慎重に選ばれている。機能的で頑丈で長持ちする」。

Easy Reading

Kids create Christmas ornaments for Tohoku (p. 3)

東北の子どもにクリスマス・リースを、チャリティーイベント開催

2011年3月の震災で被災した東北の子どもたちを支援するための東京のホテルによるクリスマスシーズンの資金集めイベントに、11月14日、インターナショナルスクールの生徒たちが参加した。

港区の西町インターナショナルスクールから30人の生徒がグランドハイアット東京で、被災した宮城県石巻市の雄勝小学校の生徒に贈るクリスマスのオーナメントを作った。西町インターナショナルスクールの子どもたちはリースを作り、12月5日にホテルのスタッフから石巻の生徒たちに届けられる。

西町インターナショナルスクールの2年生エリン・マコーネルさん(7)は、「ワークショップに参加して楽しかったけど、ちょっと緊張した」と話した。

「緊張しなかったら、(東北の子どもたちのために)クリスマス・ソングを歌って、楽しいクリスマスを願うのに」とエリンさんは語った。

National News

Kaminarimon lantern gets rare makeover (p. 4)

浅草寺・雷門大ちょうちん、10年ぶりの新調お披露目

浅草寺の入り口に掲げられた雷門の赤い大ちょうちんは、10年に1度の新調を終えて、11月18日に奉納式典でお披露目された。

東京台東区の歴史的な浅草の地域のシンボルとなっているこのちょうちんが取り替えられるのは5回目だ。

新しいちょうちんは、古いちょうちんが9月中旬に外されてから2カ月後にお披露目された。

ちょうちんは、高さ3.9メートル、幅3.3メートル、重さは約700kgある。

National News

Tepco begins pool fuel removal at Fukushima (p. 4)

東電、福島第1原発で燃料棒取り出し開始

東京電力は11月18日、福島第1原発4号機の頂上に貯蔵されている何百もの核燃料棒の集合体を取り出す1年間に渡る作業を開始した。それらの燃料棒が再度の放射能漏れ事故を起こすのを防ぐためだ。

東京電力のウェブサイト上の動画で広瀬直己社長は、取り出し作業はその発電所を廃炉にする数十年のプロセスの中で最も大きな課題の一つだと述べた。

「取り出し作業の成功は、新しい重要な局面の幕開けを表す」と広瀬社長は述べた。

National News

Newcomer wins big in Fukushima mayor race (p. 4)

福島市長選、無所属小林氏が初当選

11月17日、福島市長選挙で無所属新人が現職を大差で破り、福島第1原発事故からの復興に向けた市の取り組みに対する市民の不満が示唆された。

小林香氏(54)は、環境省の元東北地方事務所長で、現職の瀬戸孝則氏(66)を大差で破った。

選挙活動中、小林氏は市の行政改革と除染活動の加速を公約した。

National News

Electric vehicle runs 1,300 km on one charge (p. 4)

電気自動車、充電1回で1,300km走行し世界記録更新

日本チームは11月15日、1回の充電で電気自動車が走行した距離の世界記録を出したと発表した。秋田県にある走行コースで1,300kmを走破した。

運転手らはスズキ自動車のミニバンエブリを改造してリチウムイオンを搭載した車を運転し、大潟村の距離25kmのコースの周りを走った。

そのチームはギネス世界記録で前記録の1,003.2kmをしのいだその偉業を認定してもらえるか聞いてみるつもりだという。

World News

Photographer shot at French newspaper office(p. 5)

パリで発砲事件相次ぐ、新聞社で撃たれたカメラマンが重体

11月19日、パリ警察は、前日に新聞社でカメラマンに重症を負わせた発砲事件と、この都市での他の3件の発砲事件に関与した疑いのある武装犯人を追っていた。

パリ警察のフランソワ・モランス検事によると、当局は、有名な日刊紙リベラシオンの新聞社での発砲、ニュース専門局BFMTVでの同様の事件、フランスの銀行ソシエテ・ジェネラルの外での発砲、それから短時間の人質事件には、一人の武装犯人が関与していると考えているという。

これらの発砲事件の動機はまだ明らかになっていない。

World News

Tornadoes rip U.S. Midwest, killing at least five(p. 5)

アメリカ中西部で相次いで竜巻が発生

11月17日、数十の竜巻や激しい雷雨がアメリカの中西部を襲い、少なくとも5人が死亡し、イリノイ州の複数の地域に大きな被害をもたらし、シカゴの繁華街を停電させた。

一人の老齢の男性とその妹が、自宅を台風に襲われ死亡したと、検視官のマーク・スタイニンガー氏は述べた。

気象サービス機関の気象学者、マット・フリードライン氏によると、年のこんなに遅い時期にこのような強烈な竜巻が発生するのは稀なことであり、というのも、通常は雷雨を維持する十分な熱がないからだという。

World News

A major change: China to ease one-child policy(p. 5)

中国、「一人っ子政策」を緩和

11月15日、中国の指導者たちは、約30年続いた「一人っ子政策」の初めての大きな緩和を発表した。中国共産党が国民から次第に孤立していると感じている時期において、このひどく嫌われているプログラムに取り組む形だ。

この政策変更により、少なくとも母親か父親のどちらかが一人っ子である家族は2人目の子どもを持つことが許されるようになる。

「これは、(共産党のリーダーの)習(近平)氏がこの課題をどの程度進めるかを示している。この世代の指導者たちは決定を下す能力があることを示している」とシカゴ大学の中国の専門家、ダリ・ヤン氏は述べた。

World News

Oxford dictionaries: 'Selfie' is word of the year(p. 5)

オックスフォード英語辞典が選ぶ今年の流行語は「セルフィー」

ミシェル・オバマ米大統領夫人は、「ファースト・ドッグ」のボーと一緒に写っているところをシェアし、ヒラリー・クリントン前国務長官は娘のチェルシーと一緒に写っているところをツイートで発信した。さて、英国のオックスフォード大学出版局によると、スマートフォンで撮影した自分の顔写真を意味する「セルフィー」(という言葉)は、2013年の流行語だと宣言された。

オックスフォード英語辞典の出版社は11月19日、「セルフィー」は過去1年間で使用度が大きく飛躍し、インスタグラムやツイッターの範囲を超え、自分で撮影したどんな写真をも指す主流の短い表現になったと述べた。

Essay

The careful traveler (p. 6)

慎重な旅行者

「気をつけて!」

私の友人は、私がスペインやフランスに旅行へ行くと知ると、ほとんどの第一声がそれだ。バルセロナでバッグを切り裂かれたとか、グラナダでジプシーにローズマリーの小枝を押し売りされたとか、パリの地下鉄の駅でスリに遭ったなど、ほぼ全員が話せる出来事を持っていた。

旅行友だちと私はするべき用心について考えた。彼は結局、マネー・ベルトをつけることにした。私は自分のお金のほとんどをポーチに入れて、ポーチよりも大きいハンドバッグに隠すことにした。

グラナダは私の心を奪った魅力的なアンダルシア地方の町で、ローズマリーの小枝を握っているジプシーの女性たちにたくさん会った。彼女たちが旅行客の手にローズマリーを押し付けるのも私たちは目にした。たいてい、旅行客はいい香りのするそのハーブ(ローズマリーのこと)にとうとう数ユーロ払うことになった。

ルーブル美術館で私は、モナリザの前に集まった群衆の後ろに立った。隣にした中国の旅行ガイドが自分の旅行客グループにその有名な肖像画(モナリザのこと)に近づき過ぎないようにと注意を促した。彼は「スリはここで犯行に及ぶのが好きなのです。人々がここで写真を取るのにちょうど夢中になっているときに。ほら、そこにいる2人はスリです! 写真を撮るときは気を付けてください!」と言った。私は彼が話していた2人のスリを特定しようとしたが、分からなかった。

バレンシアで借りていたアパートの持ち主が役に立つアドバイスをいくつかくれた。2回スリに会ったことがあり、1回はパリ、もう1回はバルセロナだった。今彼は財布にチェーンをつけている。チェーンのもう一方の端をベルトにつけ、知らぬ間に盗られていることがないようにしている。彼は、「気を許してはいけない。知らない人があまりにも親しくし過ぎてくると思ったら、無視したらいいんだ」と行って、彼の教訓を終えた。

私たちがパリでしたことを、きっと彼はよく思わないだろう。駅で友人と私は目を凝らして地図を見ていて、私たちの借りているアパートへの道順を探していた。女性が私たちに近づいてきて明るい笑顔で尋ねた。「英語を話しますか?」 私たちが状況を説明すると、彼女は私たちが探している街区まで歩いて連れて行ってくれた。

友人と私は彼女の親切さに心を打たれた。この話を興奮して友人たちに話すと、驚いたことに、彼らは私たちをたしなめた。

「バカなことをするな! 運が良かっただけだ。彼女はきっと君たちが友だちのところに泊まるのだと思ったのだろう。下の階で誰かが君と会うことを話したんだろう?」

あの女性が本当に私たちに危害を加えようとしていたのかどうかは分からない。しかし、私は彼女が困っている人を助けてくれる人だと思う方がいい。疑いがあるときは、恐らく、リスクがあるとしても、信頼して信じる方がよい。それこそ旅の心得ではないだろうか?

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