外国を訪れるのはいつでもわくわくするものだ。行き先を選んで、パック旅行を予約する。タイに1週間! フランスに2週間! とても簡単だ。
しかし、欲張りだったらどうだろう? 1つの国を訪れて2つの文化を経験することはできるだろうか? もちろん! どうやって? さまざまな国の人々向けに企画された1つの国をまわるツアーに参加すればいい。そうすれば1度の旅で2つの文化を体験できる。1つで2つ分おいしい!
1つ例を挙げよう。妻と私はずっとロシアに行ってみたかった。パック旅行に参加することにした。母と母の英国人の友人が一緒に行きたがった。問題なし!
当時、中東で働いていて、アラブの学生たちに英語を教えていた。あの頃は、インターネットがなかったので、地元の旅行代理店でツアーの予約をした―アラブ人向けのロシア旅行だ!
モスクワに着いてわくわくした! 母はカリフォルニアから飛行機で来た。母の友人はロンドンから飛行機で来た。妻と私はヨルダンから飛行機で行った。
私たちの旅行グループには20人いた。アラブ人が16人、私の日本人の妻、私のカナダ人の母、母の英国人の友人と私だ。参加していたアラブ人たちは本当にいい人たちで、すぐに仲良くなった。ビジネスマンもいたし、学生も数名、かわいい子どもを2人連れた家族や、新婚旅行の夫婦もいた。男性は2度目の結婚だった。イスラム教では、男性は4人の妻を持つことが許されている。1人目の妻は子どもを連れて家に帰った!
私たちの2週間の旅行ではたくさん楽しいことがあった。モスクワ、レニングラード、ソチを訪れた。ソチは2014年冬のオリンピックの開催地だ。でも、大変なこともあった。
1つは言葉の問題だった。ロシア人のツアーガイドたちはアラビア語で全て説明した! 毎回、仲良くなったアラブ人に「彼女は何と言っていたの?」と聞かなければならなかった。幸運なことに、彼らは私たちのために英語に訳してくれた。
もう1つの問題は思い込みだった。ロシア人のスタッフたちは、カナダ人2人、日本人1人、英国人1人の私たちを見て、私たちが自分の国のグループからはぐれてしまったのだろうと思い込むのだった。
レストランに入ると、ウェイターたちがパニックになった。「お部屋を間違えています。ここはアラブ人の方々のお部屋です!」 ツアーのバスに乗ろうとすると、警備員が乗車させてくれなかった。「迷子になったのでしょう。これはアラブ人のバスです。カナダ人のツアーのバスは向こうの通りです。日本人のバスはあちらです。」
こうした困難にもかかわらず、素晴らしい旅行になった! ロシア―美術館やバレエ、サーカス、地元の人々―が大好きになった。アラブの文化についても多くを学んだ。一度も豚を食べなかったし、アルコールは避け、イスラム教のお祈りの時間に合わせて時間がスケジューリングされていた。アラブ人の目でロシアを見ることができたのは特典だった。
1つ分の値段で2つの文化を体験してみては? ドイツ人向けのブラジルツアー。韓国人向けのメキシコツアー。中国人向けのオーストラリアツアー。可能性は無限にある!