日本はチョコレートが大好きだ。バレンタインが来るたびに取りつかれた状態が見られ、アジアでしか知られていないイベントのホワイトデーが来るたびにもそんな状態になる。この国はサンタクロースとハロウィーンも大好きで、アイルランドの聖パトリックの祝日でも通りでパレードがある。
チョコレートや西洋の伝統行事の多くが好きなら、なぜ日本はイースターをたいがい無視するのか?
案の定、東京ディズニーランドは喜んでこのイベントのプロモーションをした。今年はミッキーマウスとその友だちが6月下旬まで−普通のイースターの終わりをずいぶん過ぎているが−「ディズニーのイースター」でパレードをしている。
少数派であるこの国のキリスト教信者たちもそのイベント(イースターのこと)を教会での特別な礼拝で祝う。この礼拝では卵を再生の象徴としてイエス・キリストの復活を祝う。
しかし、日本のその他の場所では、西欧諸国だけでなく香港やシンガポールなどアジアの一部でもこのイベントが祝われることを思い出させるものはほとんどなかった。
多くの国々でイースターは、聖金曜日やイースター・マンデー(復活祭の翌日の月曜日)など国民の祝日になり、アメリカの都市の多くではイースターのパレードが開かれる。今年は4月21日だったイースター・マンデーに、アメリカ大統領とファーストレディが毎年恒例のイースターの卵転がしをホワイトハウスの南の芝生で行なった。
オーストラリアでは、大人は4日間の週末を楽しみ、子どもはウキウキしてチョコレートのイースターエッグを探し、ホット・クロス・バン(十字の模様が付いた菓子パン)を食べた。学校に通う子どもたちがイースター好きなのには別の理由がある。それは、イースターがたいてい学校が休みのときにあることだ。
では、なぜイースターが日本では大きなイベントにならないのか? 一説には、過去に多くの日本人キリスト教信者が自分たちの信仰のためにはりつけの刑に処せられたため、このイベントの基礎となっているキリスト教の考えが日本人にはあまりにも厳し過ぎるかもしれないと言われている。
ほかには、死と復活というイースターのテーマよりも、クリスマスをロマンチックな休日として売り込む方が簡単だからという説もある。キリスト教徒が人口の1%しか占めていないので、そのイベント(クリスマスのこと)の宗教的な意味合いを認識している人はほとんどいない。
もちろん、日本には自国の祭りがたくさんある。4月は花見と新年度の始まりとしてより知られている。
それでも、チョコレートと日本のかわいいもの好きを掛け合わせれば、確実な勝者になりそうなものだ。チョコレート販売業者は、パン屋やエッグペインター、飲食店とともにもう一つの書き入れ時を味わえるだろう。
イースターを日本で広げるには、イースターをプロモートする大企業数者と有名人を数人必要とするだけなのかもしれない。イースターを国民の祝日とするという政府の宣言も助けになるだろう。
なんといっても、どうして日本の子どもたちがこの楽しいものをみんな逃さないといけないのか?