「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2014年6月27日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Japan crashes to opening loss against Cote d'Ivoire (p. 1)

日本、W杯初戦を落とす

コートジボワールによる後半での立て続けの2ゴールが日本の勝利への望みを打ち砕いた。日本は6月14日、ブラジルのレシフェでのワールドカップ初戦で2-1で負けた。アルベルト・ザッケローニ監督のチームには決勝トーナメントに進むための困難な仕事が残された。

本田圭佑選手は16分に均衡を破り、ワールドカップ本大会で2体会連続の初得点を決めたが、アジアチャンピオンに疲れが出ると、コートジボワールは不思議な力を持ったストライカーのディディエ・ドログバ選手に刺激されて後半の中盤にウィルフリード・ボニ選手とジェルビーニョ選手を通じて2度反撃し、アレナ・ペルナンブーコで日本を応援する群衆を沈黙させた。

「滑り出しはかなりよくて十分ダイナミックだったが、コートジボワールが激しさを増し、優れたチームであることを証明したし、私たちよりもうまく試合をした」とザッケローニ監督は肩をすくめた。「私はサイドでコートジボワールがこの試合に勝ったと言わないといけない。ペナルティーエリア内に入り込むスペースを許しすぎたと思う。我々はかなり遅すぎた」

日本のキャプテン長谷部誠選手は、「相手が本当に良かったというわけではなく、我々はピッチで自分たちの試合ができなかっただけだ。次の試合まであと4日あるので、準備にベストを尽くすつもりだ」と語った。

Easy Reading

Less alcohol, more texting for American teens: study (p. 3)

米国のティーンの実態調査、政府が公表

アメリカの10代の若者は、喫煙、飲酒、けんかが少なくなっている。しかし、運転中にメールを送っているということが、最近発表された危険な行動についての政府調査でわかった。

一般的に言うと、よいニュースだ。ほとんどの形の薬物使用、武器使用、危険な性行動は、政府がこの2年おきの調査を1991年に開始して以来、減少を続けている。

前の月に喫煙をしたのは10代の若者の16%未満で、調査開始以来最低レベルだった。前の月に飲酒をしたと答えた若者は約35%で、2011年の39%から減少した。

学校でのけんかは過去20年で半減した。前の年にけんかをしたと答えた子どもの数は劇的に減った。

10代で車を運転する人のうち、前の月に運転中にメールを送ったことがあると答えたのは41%だった。

Easy Reading

U.K. sexual violence summit ends on hopeful note (p. 3)

ロンドンで性暴力撲滅の国際会議開催

紛争地域での強姦に焦点を当てた会議はロンドンで6月13日、ソマリアからコソボに至るまで数百人の参加者が大量に寄せられる国際的な支援に勇気づけられ、明るい雰囲気で閉幕した。

アメリカのジョン・ケリー国務長官は参加者に対し、「性暴力を闇の時代と歴史の本に追いやる」時が来ていると語った。

この4日間のサミット(国際会議のこと)には、活動家、外交官、強姦被害者などが参加し、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんと、イギリスのウィリアム・ヘイグ外相の共催だった。主催者は、紛争における性暴力を終わらせると誓った宣言に155カ国が署名したと発表した。

国連の特別大使のジョリーさんは、パートナーのブラッド・ピットさんと最終日に到着した。「このサミットの成果の一つは、このテーマが今しっかりと国際外交のテーブルの上にのったことだと思う。そして、私たちはこれから、確実にそうあり続けるよう取り組んでいきましょう」とその女優(ジョリーさんのこと)は語った。

National News

Japanese firms debut at Paris defense fair (p. 4)

日本企業、武器の国際展示会に初参加

12社が、パリで5日間にわたって開かれた防衛展示会ユーロサトリで自社の製品を展示し、日本から初めて武器の国際展示会に参加した。

日本企業12社の参加は、長い間禁止されていた武器輸出が4月に緩和されたことで日本が利益を得る助けとなると予想される。タカ派の安倍晋三首相は停滞した経済を再活性化させようとしている。

日本企業の展示品には、天気観測レーダーシステム、暗視レンズ、救命具、携帯用探知機などがあった。

National News

Abe presents new 'third arrow' draft (p. 4)

安倍首相、「三本目の矢」の新案を提示

安倍晋三首相のチームは6月16日、法人税を減税する計画を含め、企業と投資家を応援するさらなる政策を発表した。国内で株価を上昇させることを目論んでいる。

安倍首相の改定された経済成長戦略の草案、すなわち、デフレに対抗する「アベノミクス」のいわゆる「三本目の矢」で政府は、これまでデフレに陥った経済から脱却するのを妨げていると批判されてきた農業、雇用、医療の規制緩和を約束した。

National News

Trial begins over Guam car-ramming deaths (p. 4)

グアム殺傷事件初公判

旅行客の群衆に車を突っ込み、その場で見ていた人をナイフで襲って、日本人3人を死亡させ、11人にケガを負わせた罪に問われている男性の裁判が6月16日、グアムで始まった。

チャド・ライアン・デソト容疑者(22)の裁判は、法学者が選ばれた後で、アニータ・スコラ裁判官によって開廷された。裁判は7月中毎日行なわれると予想される。

デソト容疑者は、精神疾患を理由に無罪を主張している。犠牲者とされる人々の大部分が日本人旅行客だったが、その襲撃で現地に住む女性も一人ケガを負った。

National News

Bonito fishing returns to Kesennuma (p. 4)

気仙沼漁港でカツオ初水揚げ

宮城県気仙沼市では6月16日、今年初の漁シーズンで水揚げされた約26トンのカツオが降ろされ、2011年3月の地震と津波でほぼ壊滅された漁港に賑わいが戻った。

気仙沼は日本のカツオ水揚げ量で17年間トップを走ってきた。今シーズン初のカツオは茨城県沖で捕れた。今年初の競りでの最高値は1キロあたり500円だった。

「これはかなりいい値段です」と漁業組合の代表は述べた。

World News

Russia cuts gas to Ukraine as tensions soar(p. 5)

ロシア、ウクライナへの天然ガス輸出を停止

6月16日、ロシアはウクライナに対する天然ガスの供給を停止した。数十億ドルに上る天然ガス代金の債務を一部支払うというウクライナの申し出をはねつけ、今後の供給については前払いを要求した。

この決定は、両国からの強烈な批判を招いたが、ロシアから欧州への天然ガスの重要な流れに即座に影響しない。ウクライナの国有ガス会社、ナフトガスの社長によると、ウクライナには12月まで持続するだけの蓄えがあるという。

しかし、この動きは欧州の長期的なエネルギー供給を混乱させる可能性があると、専門家らは述べた。

World News

3 sentenced to death in Tiananmen Gate attack(p. 5)

天安門突入事件で3人に死刑判決

6月16日、中国の裁判所は被告3人に対し、イスラム分離主義者によるものとされた、北京の象徴的な天安門で死者を出した車の突進を計画した罪で死刑判決を言い渡したと、国営メディアが報じた。

3人の被告は、10月28日の攻撃の準備を手伝った罪に問われた。この攻撃では、車が旅行客らをかき分けて進み、北京の中心地で炎を上げて衝突するに至り、2人の見物人と攻撃した3人が死亡した。

新疆ウイグル自治区ウルムチ市の裁判所は、3人の被告に死刑を言い渡したと、新華社通信が報じた。

World News

Hamas kidnapped missing teens: Israel PM(p. 5)

「少年3人をハマスが誘拐」とイスラエル首相

イスラエルの首相は6月15日、週末に行方不明になったイスラエル人の少年3人を誘拐したとしてハマスの軍事グループを非難した。そうした中、軍部は何十人ものパレスチナ人を逮捕し、これらの少年の必死の捜査でヨルダン川西岸の道路を封鎖した。

この危機は、イスラエルとパレスチナの新政府の間ですでに高まっている緊張関係を悪化させた。パレスチナの新政府は欧米が支持するマフムード・アッバース大統領が率いているが、ハマスによって支援されている。イスラエルによるとハマスはテロリストであり、少年の安全の責任はアッバース大統領にあるとしている。

World News

Schumacher leaves hospital, out of coma(p. 5)

シューマッハ、昏睡状態から脱して退院

スキー事故で頭部の深刻な損傷を負ってから6ヵ月近くたち、F1で7度チャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハは6月16日、スイスで治療を続けるためにフランスの病院を退院した。

シューマッハは「もう昏睡状態ではない」とマネージャーのサビーネ・ケム氏は声明で述べ、このドイツのF1ドライバーはグルノーブル大学病院を退院したと発表した。シューマッハは同病院で12月29日の事故以来、治療を受けていた。

ケム氏によると、シューマッハは「長い段階のリハビリを続ける」という。

Science & Health

Salting roads cuts lives short for butterflies(p. 6)

融雪剤の塩でチョウの生存率が低下

凍結した道路を塩で覆うことはチョウの寿命を縮めている可能性があると、科学者らが6月9日に発表した。塩化ナトリウムは、滑りやすい冬の道路に積もった雪を溶かすために使われる最も一般的な塩だが、これを道路にまくと、アスファルト付近でエサを探すチョウの寿命にも影響する可能性がある。「塩は通常、利用に制限があり、ナトリウムは発達において重要な役割を担っている」と、ミネソタ大学の生物学者で、(今回の論文の)主著者であるエミリー・スネルルード氏は述べた。道ばたに生えたトウワタに、通常よりも最大30倍ものナトリウムが含まれていることを同氏のチームは発見した。チョウがこうした葉を食べると、チョウの(体内に含まれる)ナトリウムのレベルも上昇する。

Science & Health

Koalas deal with heat by hugging trees(p. 6)

コアラの暑さ対策は「木に抱きつく」

コアラはめったに水を飲まず汗腺も持たず、どのようにして熱波の中で体温を下げているのか長らく科学者たちの疑問だった。動物学者らのチームは、オーストラリア南東部で37匹のコアラを観測した。比較的暑い日には、この動物(コアラのこと)は四肢を広げた体勢をより頻繁にとり、木の幹に抱きついているように見えた。暑くなるほど、木のより下の部分にいるのが見られ、彼らの食料源であるユーカリ以外の木にいることが多かった。これはユーカリの木の温度が(外気の)気温よりも1.46〜1.87度しか低くない一方、アカシアの木は約5度低くなることで説明がつくという。

Science & Health

Were dinosaurs cold-blooded? Perhaps not(p. 6)

恐竜は「中温」動物

6月14日に発表された研究によると、恐竜は現代のは虫類のような冷血動物(変温動物)ではなく、哺乳類や鳥類のような温血動物(恒温動物)でもなかったという。そうではなく、恐竜の代謝率は両者の間のどこかだったと、米国の『サイエンス』誌で発表された報告は述べた。この結論は、動物が体温を外的に、あるいは内的に調整するかによって種を2つのはっきりとしたグループに分類するという一般的な方法は正確ではないことを示唆している。また、恒温動物は同等の変温動物に比べて活動性が高く、成長が速いという傾向があるため、この答え(研究結果のこと)は恐竜の行動の謎を解明する助けになるかもしれない。

Science & Health

U.K. issues dire warning on washing chicken(p. 6)

生の鶏肉、調理前に洗うことで食中毒リスク増

英国当局は6月16日、鶏肉を洗わないようにと消費者に勧告し、一般的な認識とは逆にこの方法は食中毒につながる可能性があると述べた。英食品基準庁(FSA)によると、英国人は44%は調理前に生の鶏肉を洗っており、この警告はこれらの人々に向けられた。生の鶏肉を洗うとカンピロバクター菌を飛び散らす可能性があり、この菌は英国における食中毒の最大の原因となっている。鶏肉を洗う理由として最も多かったのは、これにより汚れや細菌を取り除けるという考えだった。実際には、この方法は危険な細菌を手や衣服に拡散させる可能性があると、FSAは述べた。

Science & Health

New evidence shows when moon was formed(p. 6)

月形成の「巨大衝突説」、新たな証拠発見

アポロ計画の宇宙飛行士らが40年以上前に持ち帰った月の石に、火星と同規模の惑星が地球と衝突して月を形成した証拠が含まれると、新しい研究が示している。ドイツの科学者らは新しい技術を利用し、地球の石と月の石とのわずかな化学的な差異を見つけた。これは、地球以外の天体が45億年前の月の形成に貢献したことを示す初めての有力な直接的証拠である。

「テイア」と呼ばれる火星と同規模の惑星体が誕生初期の地球に衝突した後、宇宙空間に放たれたもうもうとした数多くの破片から付きが形成されたと、科学者らは考えている。

Science & Health

Malnutrition kills 3 million toddlers a year(p. 6)

年間300万人の幼児が栄養失調で死亡

300万人以上の5歳未満の子どもが毎年栄養失調が原因で死亡していると、米国の食糧機関と世界保健機関(WHO)が6月12日に発表した。「5歳に満たない子どもの死亡の全体の約半数は栄養失調によるもので、毎年300万人以上が死亡している」と、国連食糧農業機関(FAO)が述べた。世界中で、約1億6,200万人の子どもたちが慢性的な栄養失調で発育不良のままとなっており、9,900万人の子どもたちが低体重児だと付け加えた。FAOとWHOは各国政府に対し、11月にローマで開催が予定されている国際会議で「全ての人々により健康的な食事を確保するためにより強力に取り組む」ように求めた。

Essay

Winning odds

勝つ確率

スポーツファンは統計が大好きだ。ゴール数や打率、アメフトのタックルの数など、どの選手にも重要なデータがある。しかし、数学で正確に大きなスポーツイベントの勝者を予想するのに使うことができるだろうか?

ゴールドマン・サックスの調査員たちはそう考えている。今月、ブラジルでキックオフの前に発表された彼らの最新のレポート「ワールドカップの経済2014」で、その銀行(ゴールドマン・サックスのこと)は決勝戦も含め、全ての試合の予想に統計モデルを提供している。

悲しいことに、日本人ファンはサッカーボールが蹴られるよりも前に、長い休暇に備えた荷造りはしない方がいいと告げられている。ゴールドマン・サックスは、サムライブルーに決勝トーナメントに達する確率をたったの34%しか与えておらず、準々決勝に進む可能性は10%だけだ。

全体的に見て、日本は7月13日の決勝に達して勝つ確率は150分の1と評価された。代わりに、ゴールドマン・サックスは決勝は開催国とアルゼンチンの間で戦われると予想し、ブラジルが3得点対1で勝利すると予測した。

統計に熱心なほかのスポーツとしては野球もあり、オークランド・アスレチックスの統計を基にしたアプローチは、本と映画になった『マネー・ボール』と、メジャーリーグの革命のきっかけになった。

しかし、期待されていない部外者が本命に勝つ旧約聖書のダビデとゴリアテの戦いを楽しむスポーツファンは、統計学者が常に正しいわけではないと聞いて喜ぶだろう。

2010年のFIFAワールドカップでは、ゴールドマン・サックスのモデルは、決勝トーナメントに進む16チーム中13チーム、準々決勝に進む8チーム中5チーム、準決勝に進出する4チーム中3チームを正しく予想していた。けれども、ブラジルが勝つと言ったのは誤りだと証明されて、実際にはスペインがオランダを決勝で破った。

イギリス人、オーストラリア人、その他のスポーツファンにとって、平等な状況で試合が行なわれるというフェアプレーの概念は、とても重要だ。このことは、小さくて貧しいクラブチームは、ルールが強いられて公平な競争の場があれば、富めるチームに勝つ確率が同じくらいあるということを意味する。

不正行為や八百長は、ほとんどのスポーツファンに非道徳的だと考えられている。それでも、スポーツの世界中で賭け事のスキャンダルやほかの汚職を伝える報道が絶えない。

ゴールドマン・サックスの予想は正しいと証明されるだろうか? ブラジルのファンはともかく勝つと予想しているだろうが、日本人のサポーターたちはこの予想が外れてほしいと願うことだろう。誰が勝とうとも、フェアな意識を持ったファンなら、数学ではなくて、技術と運のゲームであってほしいということだけを望むことができるだろう。

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