スポーツファンは統計が大好きだ。ゴール数や打率、アメフトのタックルの数など、どの選手にも重要なデータがある。しかし、数学で正確に大きなスポーツイベントの勝者を予想するのに使うことができるだろうか?
ゴールドマン・サックスの調査員たちはそう考えている。今月、ブラジルでキックオフの前に発表された彼らの最新のレポート「ワールドカップの経済2014」で、その銀行(ゴールドマン・サックスのこと)は決勝戦も含め、全ての試合の予想に統計モデルを提供している。
悲しいことに、日本人ファンはサッカーボールが蹴られるよりも前に、長い休暇に備えた荷造りはしない方がいいと告げられている。ゴールドマン・サックスは、サムライブルーに決勝トーナメントに達する確率をたったの34%しか与えておらず、準々決勝に進む可能性は10%だけだ。
全体的に見て、日本は7月13日の決勝に達して勝つ確率は150分の1と評価された。代わりに、ゴールドマン・サックスは決勝は開催国とアルゼンチンの間で戦われると予想し、ブラジルが3得点対1で勝利すると予測した。
統計に熱心なほかのスポーツとしては野球もあり、オークランド・アスレチックスの統計を基にしたアプローチは、本と映画になった『マネー・ボール』と、メジャーリーグの革命のきっかけになった。
しかし、期待されていない部外者が本命に勝つ旧約聖書のダビデとゴリアテの戦いを楽しむスポーツファンは、統計学者が常に正しいわけではないと聞いて喜ぶだろう。
2010年のFIFAワールドカップでは、ゴールドマン・サックスのモデルは、決勝トーナメントに進む16チーム中13チーム、準々決勝に進む8チーム中5チーム、準決勝に進出する4チーム中3チームを正しく予想していた。けれども、ブラジルが勝つと言ったのは誤りだと証明されて、実際にはスペインがオランダを決勝で破った。
イギリス人、オーストラリア人、その他のスポーツファンにとって、平等な状況で試合が行なわれるというフェアプレーの概念は、とても重要だ。このことは、小さくて貧しいクラブチームは、ルールが強いられて公平な競争の場があれば、富めるチームに勝つ確率が同じくらいあるということを意味する。
不正行為や八百長は、ほとんどのスポーツファンに非道徳的だと考えられている。それでも、スポーツの世界中で賭け事のスキャンダルやほかの汚職を伝える報道が絶えない。
ゴールドマン・サックスの予想は正しいと証明されるだろうか? ブラジルのファンはともかく勝つと予想しているだろうが、日本人のサポーターたちはこの予想が外れてほしいと願うことだろう。誰が勝とうとも、フェアな意識を持ったファンなら、数学ではなくて、技術と運のゲームであってほしいということだけを望むことができるだろう。