忍耐。それは横綱白鵬が7月27日、大相撲名古屋場所の最終日に通算30回目の優勝を勝ち取った取組の名だ。通算30回の優勝を誇るのは彼を含めてこれまでで3人しかいない。白鵬は対戦相手の横綱日馬富士を払いのけなければならなかった。日馬富士はこの15日間のトーナメントの大詰での優勝決定戦に押し進もうと必至になっていた。しかし、窮地を脱した後、白鵬は対戦相手を13勝2敗の記録で堂々と打ち破り、偉大な横綱千代の富士の記録にあと1勝に迫り、相撲界の伝説的人物大鵬の通算優勝記録32回まであと2勝に迫った。
「最終日に29回目と30回目の勝利を得るのは、本当に大変だった」と白鵬は、満員札止め大入りの館内の隅々に手を振った後で語った。「心と体のバランスが乱れることもあったが、落ち着きを保ち、最後まで自分を信じた」
「少し緊張したが、この経験は初めてではなく、今日は経験が物を言ったと思う」と白鵬は言い添えた。
10回目の大入りとなった愛知県体育館で、豪栄道は大関琴奨菊とのエネルギッシュな取組で最大の番狂わせを演じ、9月場所で大関昇進を確実にした。