忍耐。それは横綱白鵬が7月27日、大相撲名古屋場所の最終日に通算30回目の優勝を勝ち取った取組の名だ。通算30回の優勝を誇るのは彼を含めてこれまでで3人しかいない。白鵬は対戦相手の横綱日馬富士を払いのけなければならなかった。日馬富士はこの15日間のトーナメントの大詰での優勝決定戦に押し進もうと必至になっていた。しかし、窮地を脱した後、白鵬は対戦相手を13勝2敗の記録で堂々と打ち破り、偉大な横綱千代の富士の記録にあと1勝に迫り、相撲界の伝説的人物大鵬の通算優勝記録32回まであと2勝に迫った。
「最終日に29回目と30回目の勝利を得るのは、本当に大変だった」と白鵬は、満員札止め大入りの館内の隅々に手を振った後で語った。「心と体のバランスが乱れることもあったが、落ち着きを保ち、最後まで自分を信じた」
「少し緊張したが、この経験は初めてではなく、今日は経験が物を言ったと思う」と白鵬は言い添えた。
10回目の大入りとなった愛知県体育館で、豪栄道は大関琴奨菊とのエネルギッシュな取組で最大の番狂わせを演じ、9月場所で大関昇進を確実にした。
岩瀬仁紀選手は7月26日、日本人抑え投手として新たな偉業を成し遂げた。岩瀬選手はこの日、中日ドラゴンズが7-5で読売ジャイアンツを下した試合で通算400セーブを記録した。
この39歳の左投手(岩瀬選手のこと)は長い間、日本で最も丈夫な救援投手の一人だった。彼は15シーズン連続で1年に50試合以上投球している。
岩瀬選手の7月26日の登板は今季30試合目で、中日ドラゴンズでは89試合目で起こった。今回のセーブは18個目だった。
「今日まで、あまりにたくさん投球することに伴う難しさを理解していた。しかし、これまでは一度も投げられない(今季登板回数が少ないことを指す)ことに伴う困難を理解できなかった。」と岩瀬選手は語った。
「先発投手になるつもりでこのチームに入ったが、ある時点で抑え投手になっていたと気がついた。それは想像もしていなかったことだ」。
日本の中部にある北陸地方と、北東部にある東北地方で梅雨が終わったと、7月28日に気象庁が発表し、日本で今年の湿った時期(梅雨のこと)は終わった。
気象庁によると、今年の梅雨明けは、東北北部では例年通りだったが、北陸地方で平年よりも4日、東北地方で3日遅かったという。
今年の梅雨の期間は、東北地方では平年よりも11日、東北北部では8日、東北南部では10日長かった。
梅雨の間に東北で最も多かった降水量は、福島市で389.5ミリメートルが記録され、北陸で最も多かった降水量は新潟県の佐渡島で392.5ミリメートルが記録された。
安倍晋三首相は7月28日、日本の公的な開発援助が終了した後であっても、カリブ諸国を支援するため、カリブ諸国14ヵ国への新たな経済援助プログラムを設立することを約束した。
ポートオブスペイン(トリニダード・トバゴの首都)で開かれた会議で、安倍首相は来年の国連安全保障理事会の非常任理事国選挙で日本政府が議席を獲得するための支援も求めた。
韓国の朴槿恵大統領は7月25日、東京都の舛添要一知事に両国の安定した関係に向けて努力するよう要請したと、ソウルにある大統領府が発表した。
大統領府での舛添知事との面会で朴大統領は会談し、日本の戦時中の性奴隷制度を指摘して、その問題は二国間だけにとどまるものではなく「普遍的な女性の権利に関わる問題だ」と語った。
最近あったマレーシア航空のジェット機の撃墜の後、ロシアがウクライナ危機を鎮められなかったことを理由に、日本はロシアに対して追加の制裁を課すと、政府は7月28日に発表した。
ロシアのクリミア併合またはウクライナ東部の不安定化に関わる個人または団体が所有する日本の資産を凍結すると菅義偉官房長官は述べた。
外務省によると、内閣はこの制裁を承認する見込みだという。
2011年の東日本大震災と津波の災害で壊滅的になっていた岩手県の海水浴場が、海岸と海からがれきを除去して安全性を確保する3年がかりの作業を経て、7月26日に再び開かれた。
現在も続いている防波堤の建設作業のため、大槌町にある吉里吉里海水浴場のわずか3分の1でしかないが、130メートルの範囲が水泳と日光浴を楽しむ人向けに8月10日まで開放される。防波堤の建設のために来年はさらに立ち入りが制限されるかもしれないと、地元の職員は述べた。
ガザでのイスラエルの軍事作戦の深刻化を示唆して、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は7月28日、イスラエルの人々に戦争の「長期化」に備えるようにと告げ、軍部は近隣の3つの広範な地域にいるパレスチナの人々に家を出て、直ちにガザ市へ向かうよう警告した。
この警告は、ガザ地区の公園で遊んでいた子ども9人が攻撃されて殺害されたのと同じ日に出された。
米国人の医師が致命的なエボラウイルスに感染していることが分かった直後、西アフリカで働いていた2人目のアメリカ人が感染したと、支援団体が7月27日に発表した。
ナンシー・ライトボルさんは、ケント・ブラントリー医師(33)が深刻な病状だと言われたのと同じリビアの医療施設で、このウイルスへの陽性反応が出た。ライトボルさんは、米国に拠点を置く支援団体、サマリタンズパースの支援を受けている。
ナイジェリアの武装勢力、ボコ・ハラムは、カメルーンの副首相夫人を拉致し、カメルーン北部の200人以上の襲撃者を関与させた国境での7月27日の襲撃で少なくとも3人を殺害したと、当局者らは発表した。
「コロファタにあるアマドゥ・アリ副首相の自宅が、ボコ・ハラムの武装集団による猛攻撃を受けた」と報道担当者が述べた。「彼らは、残念なことに、副首相の夫人を連れ去った」。
ボコ・ハラムは、ここ数週間でカメルーンへの攻撃を強めている。
7月24日にマリで墜落したアルジェリア航空のジェット機から2つのブラックボックスがすぐに発見され、7月28日にフランスに届いたと、フレデリック・キュヴィエ運輸担当相が同日述べた。
技術者たちがフライトレコーダーを調べているが、それがどのような状態かは明らかではないと、キュヴィエ氏は述べた。
118人の犠牲者(その半分近くはフランス人)の遺体は「粉々」になっており、個人の特定が極めて困難だと、政府高官が述べた。
フランスは、マリと共同で調査に取り組んでいる。
犬は、飼い主が他の犬の相手をしていると嫉妬を示すと、米国の研究者らが7月23日に発表した。科学者らは、36匹の犬とその飼い主らを研究対象とした。飼い主は、吠えたり尻尾を振ったりするおもちゃの犬と遊ぶように言われた。また、次の段階で、かぼちゃちょうちん型のおもちゃのバケツで同じことをするように言われた。最後に、小さな子どもに読み聞かせるように児童書を声に出して読むように求められた。ある種の犬の行動は、飼い主がおもちゃの犬と遊んでいるときに、より多く観察された。例えば、他のおもちゃの場合に比べて、物(犬のおもちゃのこと)を押しやったり、飼い主とおもちゃの間に割り込もうとすることが多かった。
短時間でも毎日ジョギングに出掛けると、長距離の遠出(ジョギングのこと)と同じだけの効果があると、7月28日に発表された研究は述べた。毎日たったの5分から10分走るだけで、心臓病を患ったり早死にするリスクを著しく低下させることができると、『米国心臓病学会誌』に掲載された研究結果は述べた。走って運動した人々は、全く走らなかった人々に比べて、心臓血管の病気で死亡するリスクが45%低いことが示された。走ることによる効果は、走る距離が短距離であろうと長距離であろうと同じだった。週あたり50分走った人々と180分走った人々との間に、大した違いは見られなかった。
太陽の力で進むように設計された小さな宇宙船を、スペースXのロケットに搭載して2016年に打ち上げる予定だと、米国の中心的な宇宙を愛する団体が述べた。ソーラ?セール(宇宙帆船)として知られる無人衛星のような宇宙船である、惑星協会(Planetary Society)の「ライトセール(LightSail)」は、スペースXのロケット「ファルコンヘビー」に搭載されて2年以内に軌道に到達することを目指していると、このグループ(惑星協会のこと)のビル・ナイ代表は述べた。4つの極めて薄いマイラーでできた帆を付けた、この30センチの宇宙船はその後、太陽光によって絶えずもたらされる圧力だけを動力源として、宇宙空間を航行する予定。「この大きな試みが、我々の惑星から飛び立つ先駆的なミッションの日程を定めるのを目にしてとてもワクワクしている」とナイ氏は述べた。
地球以外の惑星に生命体が存在するのだろうかと私たちはよく疑問に思うが、米国の研究者らは7月23日、遠く離れた世界からの汚染の形跡を探すことでその答えが得られるかもしれないと述べた。もう既に、天文学者たちは、我々の(地球がある)太陽系の外の惑星の大気に酸素やメタンが存在するかどうかを研究することができる。これら(酸素とメタン)は、知的生命体によって生み出される可能性がある。その一方で、地球外の文明は、我々が地球で行うのと全く同じように、大気中にクロロフルオロカーボン(CFCs)も排出する可能性がある。天文学者らは、NASAが2018年に打ち上げを予定しているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を使って、遠く離れた惑星にこうしたCFCsが存在する証拠を発見できる可能性がある。
日本の科学者たちによる研究によると、一つの生物種において今まで確認された中で、ゾウは最も強力と見られる臭覚を持っているという。アフリカゾウのゲノム(全遺伝情報)には、嗅覚受容体の遺伝子が2,000個近く含まれており、『ゲノム・リサーチ』誌で7月22日に発表されたこの研究で対象とされた種の中で最も多かった。これは、ゾウの臭覚が人間の鼻の5倍、イヌの鼻の2倍強力で、これまで最も優れた臭覚の持ち主とされていたラットの臭覚さえもしのぐことを意味する。「どうやら、ゾウの鼻は長いだけでなく、卓越した能力も有しているようだ」と、この研究論文の主執筆者である東京大学の新村芳人氏は述べた。
大人のベッドで一緒に添い寝することが赤ちゃんの突然死の最大のリスク要因で、とりわけ新生児の場合はその傾向が強いと、米国の研究者らが7月14日に発表した。突然死した赤ちゃんの69%が、死亡時に眠る場所を他の人と共有していたと、『ピディアトリクス』誌に掲載された報告書は述べた。米国小児科学会(AAP)は、事故による窒息を防ぐために、赤ちゃんを大人と同じベッドではなく、両親のいるそばのベビーベッドで、硬い敷物の上で眠らせることを推奨している。赤ちゃんはまた、眠るときは仰向けに寝かせるべきだという。まくら、毛布、おもちゃはベビーベッドの外に出しておくべきだと、AAPは述べた。
トロイ・トゥロウィツキー(Troy Tulowitzki)選手は、スペリングが難しい名前を持っており、自分の球場ですらそうである。
コロラド・ロッキーズは7月26日、クアーズフィールドで、このオールスターの遊撃手の名前のつづりを間違えた15,000枚のユニフォームを配布し、失敗の無料プレゼントとなった。
二つ目の“t”が抜けていて、背ネームが“Tulowizki”となっていた。
「どこかおかしいところがあるの?」とファンのJordan Deuschlemanさんは尋ねた。「とても長い名前だから気付きませんでした」
クラブ(コロラド・ロッキーズのこと)は、この間違いを謝罪する声明を発表した。ミススペリングに気付いていたが、ピッツバーグ戦の前にこのジャージを配布することを決定したと、このチームは述べた。
「多くのファンがユニフォームを求めて試合を観に来てくれることが分かっていたから、彼らをがっかりさせるよりも、あえてこれを配ることに決めたのです」とロッキーズは述べた。
試合はどうでもいいファンもいたと、案内係のレオン・トーマスさんは話した。
「多くのファンが早くここにやって来た。シャツをもらうと帰っていった。これがコレクターズアイテム(コレクターが欲しがる珍しいもの)だということが分かっていたのです」とトーマスさんは話した。「限られた数しか配られませんでした。(ユニフォームは)すぐになくなりました」
ファンは、今後発表される9月の何日かに、修正されたユニフォームと交換できると、ロッキーズは述べた。
カップルには「特別な」関係がある。家族にもある。しかし、国同士が極めて特別な親交関係を持ちうるだろうか?
7月半ば、安倍晋三首相がオーストラリアを訪問し、2002年ぶりの日本のトップの公式訪問となった。滞在中に、安倍首相とオーストラリアのトニー・アボット首相は両国が「特別な関係」と持っていると表現した。
「日本はオーストラリアととてもとても親しい友好国だ」とアボット首相は述べた。
安倍首相はオーストラリア議会に「特別な関係」が生まれたと述べた。「われわれはラグビーのように今スクラムを組む。…平和を守るために」と安倍首相は、オーストラリアで人気のスポーツを引き合いに出して語った。
両国のトップは、確かに両国がお互いに親交を深めている証しとして、貿易と防衛に関する協定に署名した。
それでも、「特別な関係」という言葉は外交では新しくない。イギリスのウィンストン・チャーチル氏が1945年に、イギリスとアメリカの関係を表すのにこの言葉を使った。
日本はアメリカとも特別な関係を持っていると言われているかもしれない。
アボット首相はインドネシアのことも「良き友人」と呼んでいるし、アメリカとイギリスともオーストラリアは長きにわたる同盟国だ。
日本の防衛について分析するアナリストのドナ・ウィークス氏は筆者に、「国としていくつかの特別な関係を持つことができ、それらの国々はそれぞれ異なる理由で特別である」と語った。
ローウィ・インスティテュートによるオーストラリアの最近の世論調査で、「温度計」の例えを用いて他の国々についてオーストラリアの人々がどのように感じているかを調べ、オーストラリアの人々は日本に対して温かく思っていることが分かり、0度から100度の目盛で67度となった。これは、オーストラリアの人々がアメリカなど古くからの欧米の同盟国について感じている水準に近く、アメリカは71度で、60度だった中国よりも上だった。
しかしこのことで、オーストラリアと日本は「永遠の親友(Best Friends Foreverの頭文字をとってBFFs)」になるだろうか?
ニューサウスウェールズ大学の国際関係学名誉教授ジェームズ・コットン氏は、オーストラリア国際問題研究所に対し、「国家に『最高の』友人はない。望める最も良い状態は理解と利益の共有だ」と述べている。
心理学者たちは、共通の利益があるという理由で私たちは親友を選ぶと言う。親友同士にはギブ・アンド・テイクがあり、高いレベルの親密さがある。
政治的なつながりは重要だが、ウィークス氏が述べるように、個人対個人のやりとりが必須だ。
「われわれが持つ個人対個人の本当に深いやりとりが実に重要だ。安倍首相が(オーストラリアのオリンピック競泳選手の)ドーン・フレーザー選手について触れたことと、オーストラリアが津波の被害のときにどれだけ支援してくれたかを認めたことは」安倍首相の演説の「とても重要な側面だ」とウィークス氏は述べた。
ウィークス氏が示すように、両国は高いレベルの交流を持っている。2013年に244,000人という記録的な数のオーストラリア人旅行客が日本を訪れ、オーストラリアには330,000人近くの日本人が訪れている。
オーストラリアと日本は「永遠の親友(BFFs)」でいられるだろうか? 他のあらゆる特別な関係のように、時間が経ってみないと分からない。