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2014年8月8日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

A 'special' relationship (p. 10)

「特別な」関係

カップルには「特別な」関係がある。家族にもある。しかし、国同士が極めて特別な親交関係を持ちうるだろうか?

7月半ば、安倍晋三首相がオーストラリアを訪問し、2002年ぶりの日本のトップの公式訪問となった。滞在中に、安倍首相とオーストラリアのトニー・アボット首相は両国が「特別な関係」と持っていると表現した。

「日本はオーストラリアととてもとても親しい友好国だ」とアボット首相は述べた。

安倍首相はオーストラリア議会に「特別な関係」が生まれたと述べた。「われわれはラグビーのように今スクラムを組む。…平和を守るために」と安倍首相は、オーストラリアで人気のスポーツを引き合いに出して語った。

両国のトップは、確かに両国がお互いに親交を深めている証しとして、貿易と防衛に関する協定に署名した。

それでも、「特別な関係」という言葉は外交では新しくない。イギリスのウィンストン・チャーチル氏が1945年に、イギリスとアメリカの関係を表すのにこの言葉を使った。

日本はアメリカとも特別な関係を持っていると言われているかもしれない。

アボット首相はインドネシアのことも「良き友人」と呼んでいるし、アメリカとイギリスともオーストラリアは長きにわたる同盟国だ。

日本の防衛について分析するアナリストのドナ・ウィークス氏は筆者に、「国としていくつかの特別な関係を持つことができ、それらの国々はそれぞれ異なる理由で特別である」と語った。

ローウィ・インスティテュートによるオーストラリアの最近の世論調査で、「温度計」の例えを用いて他の国々についてオーストラリアの人々がどのように感じているかを調べ、オーストラリアの人々は日本に対して温かく思っていることが分かり、0度から100度の目盛で67度となった。これは、オーストラリアの人々がアメリカなど古くからの欧米の同盟国について感じている水準に近く、アメリカは71度で、60度だった中国よりも上だった。

しかしこのことで、オーストラリアと日本は「永遠の親友(Best Friends Foreverの頭文字をとってBFFs)」になるだろうか?

ニューサウスウェールズ大学の国際関係学名誉教授ジェームズ・コットン氏は、オーストラリア国際問題研究所に対し、「国家に『最高の』友人はない。望める最も良い状態は理解と利益の共有だ」と述べている。

心理学者たちは、共通の利益があるという理由で私たちは親友を選ぶと言う。親友同士にはギブ・アンド・テイクがあり、高いレベルの親密さがある。

政治的なつながりは重要だが、ウィークス氏が述べるように、個人対個人のやりとりが必須だ。

「われわれが持つ個人対個人の本当に深いやりとりが実に重要だ。安倍首相が(オーストラリアのオリンピック競泳選手の)ドーン・フレーザー選手について触れたことと、オーストラリアが津波の被害のときにどれだけ支援してくれたかを認めたことは」安倍首相の演説の「とても重要な側面だ」とウィークス氏は述べた。

ウィークス氏が示すように、両国は高いレベルの交流を持っている。2013年に244,000人という記録的な数のオーストラリア人旅行客が日本を訪れ、オーストラリアには330,000人近くの日本人が訪れている。

オーストラリアと日本は「永遠の親友(BFFs)」でいられるだろうか? 他のあらゆる特別な関係のように、時間が経ってみないと分からない。

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