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2015年2月20日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

A world without landmines (p. 9)

地雷のない世界へ

私たちが本当に世界平和を実現させたいと願うのなら、戦争の武器を除去しなければならない。世界には武器があふれている―銃、ロケット弾、戦車、そして地雷。地雷とは何か? 地雷は地中に埋める特別な爆弾だ。人が地雷を踏むと爆発するように作られている。

地雷は戦争の最も残酷な武器の1つだ。なぜか? 兵士と民間人を区別しないからだ。地雷の犠牲者には、男性も女性も、大人も子どもも、若い人も年老いた人もいる。戦争が終わった後になっても、地雷は、何日も、何ヵ月も、何年も残って、罪のない犠牲者を待っている。

あなたには地雷の犠牲者の知り合いがいるだろうか? 私はいる。私の義理の兄弟が地雷の生存者だ。彼はアメリカ人ジャーナリストだった。1960年代に、ベトナム戦争について報じるためにアジアへ送られた。ある日、彼はアメリカ人兵士たちのグループとジャングルの中を歩いていた。兵士たちはライフル銃を携帯していた。彼はカメラとノートブックを携帯していた。彼は歩いていて突然、地中に埋まっている地雷を踏んだ。

即時に地雷は爆発し、彼の体に金属片が刺さった。普通なら、彼は即死だっただろう。しかし、どうにか彼は爆発から生き延びた。兵士たちがすぐに軍のヘリコプターを呼んだ。ヘリコプターは軍の近くの病院まで彼を移送した。緊急手術の後、彼はその後の治療のためにサイゴンへ移された。最終的に、彼はニューヨークへ飛行機で戻り、1年間入院した。

医師のおかげで、彼はゆっくりと回復した。しかし、50年後となった今でも、けがのひどい痛みに苦しんでいる。この痛みをどうにかするために、彼は日に1時間、スイミングプールで泳いでいる。彼は生きていて幸運だ。

世界中で何百人もの人々が地雷を除去するために活動している。この活動に関係している有名人にはイギリスのダイアナ妃、ポップ歌手のポール・マッカートニー、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーなどがいる。

ここ日本では、音楽家の坂本龍一氏が2001年に、地雷とその被害者への関心を高めようと『ゼロ・ランドマイン』というタイトルのCDを録音した。このCDには、ドリームズ・カム・トゥルー、ミスター・チルドレンなどの有名な歌手も登場し、50万枚を販売した。CDの売り上げは、カンボジアで300万エーカー分の地雷を除去するのに十分な額になった。

1997年、地雷を禁止する国際条約が150ヵ国によってカナダで署名された。この偉大な功績をたたえて、ノーベル平和賞がジョディ・ウィリアムズと地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)に授与された。

毎年4月4日は地雷に関する啓発のための国際デーだ。この日は、私たちにこの問題について考える良い機会を与えてくれる。地雷を撲滅するために、それから、地雷の被害者を支援するために、やるべきことはそれでもなおたくさんある。私たちはみんな、この問題のために活動しているNGOや政府、組織をサポートすることで役に立つことができる。

人々がけがや死を恐れずに平和に暮らすことのできる地雷のない世界に向かって努力しよう!

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