英語には、国籍に関してスラングの言葉がたくさんあり、それらを誰に話しかけるか、または、どのように国籍が表現されるかによって、気を悪くさせることがある。この用語体系の下では、イギリス人はlimey(イングランド人を表すスラング)、アメリカ人はyank(アメリカ人を表すスラング)、スコットランド人はjock(スコットランド人を表すスラング)になる。
アイルランド人を侮辱したかったら、相手をMick、もしくはPaddy(どちらもアイルランド人を表すスラング)と呼ぶことができる。これらは、マイケル(私の名前だ)とパトリック(父の名前だ)という最もよくある男の子の名前の2つに由来している。日本と同じように、昔からある名前の多くはここでも時代遅れになっている。マイケルは今では縁起の悪い13番目にランクインしていて、パトリックはかつてはナンバー1だったが、トップ20位から完全に抜けている。
パトリックは、守護聖人の名前なので、とても人気があった。われわれは毎年3月17日に、セントパトリックデーを祝日に祝う。この日は、全国のどの村でもどの町でも、通りでパレードがある。複数の通りがあれば複数の通りで。その行進はたいてい、セントパトリックの格好をしてミトラ(司教冠)と杖を身に着けた男性が先導し、杖はヘビを追い払うためにある。伝説によると、アイルランドにはセントパトリックが追放したためにヘビがいないと言われている!
セントパトリック自身は、アイルランド生まれではない。そうではなく、彼はアイルランド人の海賊にさらわれて、4世紀の末頃に売られて奴隷になった。やがてアイルランドのキリスト教への改宗を始め、今日のアイルランドが世界で最もカトリックが多い国の1つにするほど立派な仕事をした。
学校のほとんどはカトリック教会が運営し、国営テレビ局は毎日午後6時にお告げの祈りを放送する。1985年まで、医師の処方せんなしではコンドームを買うことができず、1995年まで離婚をすることができなかった。最近の世代で多くのことが変化し、今年は男性の同性愛の結婚についての国民投票が可決する見込みだ。
セントパトリックデーは今でも宗教的な祝日だが、ほとんどの人にとってこの日は、多くはアルコールとともに、楽しむ言い訳になる。
この祝日はアイルランド人が多く移住した世界の各地で祝われ、ニューヨークは世界最大のパレードを開く。シカゴでは、ビールを緑色に染める伝統を徹底的に実践して、3月17日にシカゴ川をエメラルド色に変えてしまう。
でも、セントパトリックデーを楽しむためにアイルランド人の人口が多くなければいけないということはない。東京では、何年も前に、パレードのために便宜をはかって表参道が閉鎖できたのには驚いた。3月16日日曜日の1時に、今年も同じことをすると思う。ハッピー・セントパトリックデー!