数万人の人々が3月1日に野党の指導者ボリス・ネムツォフ氏を追悼してモスクワの中心部を行進した。ボリス・ネムツォフ氏は、ウラジーミル・プーチン政権の下で最も注目度の高い暗殺事件により、クレムリンの付近で射殺された。
暗い表情の支持者たちの波は、ロシアの国旗とネムツォフ氏の写真を手に、霧雨の中、混雑したモスクワの広場から、その55歳の人(ネムツォフ氏のこと)が2月27日の深夜少し前に背中を射撃されたモスクワ川に掛かる橋まで行進した。
「その弾丸は私たち一人一人に向けられたものだ」と、行進する人々の先頭を切る大きな旗には書かれていた。ほかに「私はボリス」「恐れない」と書かれたものもあった。
汚職を批判する活動家で、声高に政府を批判していたネムツォフ氏は、1990年代にボリス・エリツィン氏の下で副首相を務めていた。
ネムツォフ氏は、橋を渡っている時に4発の弾丸に背中を打たれて死亡した。現場は、クレムリンからすぐ近くの場所で、聖ワシリイ大聖堂の金色のドームが見える距離にある。ネムツォフ氏と一緒にいた女性にケガはなかった。彼が倒れた場所は、花とキャンドル、手紙でいっぱいになった。
プーチン大統領は2月28日、ロシアの野党側が「政治的殺人」と呼んでこれを非難し、欧米の指導者たちが本格的な捜査を求めるなか、殺害者を処罰すると誓った。