数万人の人々が3月1日に野党の指導者ボリス・ネムツォフ氏を追悼してモスクワの中心部を行進した。ボリス・ネムツォフ氏は、ウラジーミル・プーチン政権の下で最も注目度の高い暗殺事件により、クレムリンの付近で射殺された。
暗い表情の支持者たちの波は、ロシアの国旗とネムツォフ氏の写真を手に、霧雨の中、混雑したモスクワの広場から、その55歳の人(ネムツォフ氏のこと)が2月27日の深夜少し前に背中を射撃されたモスクワ川に掛かる橋まで行進した。
「その弾丸は私たち一人一人に向けられたものだ」と、行進する人々の先頭を切る大きな旗には書かれていた。ほかに「私はボリス」「恐れない」と書かれたものもあった。
汚職を批判する活動家で、声高に政府を批判していたネムツォフ氏は、1990年代にボリス・エリツィン氏の下で副首相を務めていた。
ネムツォフ氏は、橋を渡っている時に4発の弾丸に背中を打たれて死亡した。現場は、クレムリンからすぐ近くの場所で、聖ワシリイ大聖堂の金色のドームが見える距離にある。ネムツォフ氏と一緒にいた女性にケガはなかった。彼が倒れた場所は、花とキャンドル、手紙でいっぱいになった。
プーチン大統領は2月28日、ロシアの野党側が「政治的殺人」と呼んでこれを非難し、欧米の指導者たちが本格的な捜査を求めるなか、殺害者を処罰すると誓った。
英国の新硬貨に登場するエリザベス女王の新しい肖像画が3月2日にお披露目された。今年の後半に女王の国民の財布やポケットに届く予定となっている。
その肖像画は、88歳の女王が1952年に即位してから硬貨に描かれる5番目のもので、1998年ぶりのものとなる。エリザベス女王は9月にビクトリア女王を抜いて英国で在位期間最長の君主となる。
戴冠式で王室のダイアモンドの冠を被ったエリザベス女王を描いていたその肖像画は、王立造幣局の彫刻師ジョディ・クラークさん(33)によって製作された。名前を伏せての数多くの候補作の中から彼のデザインが選ばれた。
女王の肖像画は時間とともに変わってきたが、ずっと変わっていない伝統は、女王の右側の横顔がいつも見えることだ。
テキサス・レンジャーズのエース、ダルビッシュ有選手は、3月1日に紅白戦の1回でチームメートを苦しめ、その後、アリゾナ州のサプライズで6分間のインタビューをした。
英語メディアに彼らの母国語(英語のこと)で初めて答え、ダルビッシュ選手は昨年、2014年のシーズン中に最後の7週間登板しなかった際、チームを諦めて見捨てたのかと尋ねられた。
彼の答えは明快そのものだった。
「それはでたらめで、チームを見捨てたことはない。チームメートが好きだし、この野球チームも好きだ。そんなことは人生で一度もしたことがない。それは真実ではない」とダルビッシュ選手は述べた。
彼のケガは当初、右肘の軽い炎症だと思われていたが、MRI検査でもっと深刻だったことが判明し、チームはそのシーズンに彼を登板させないことを決めた。
「(肘は)もう全く痛まない。実際には、かなりいい調子だ」とダルビッシュ選手は語った。
安倍晋三首相が代表を務める与党自民党の地方支部は、政府の補助金給付にすでに選ばれた企業から、2012年と2013年に62万円の寄付を受け取っていたことが、3月2日に政治資金報告書で明らかになった。
山口県第4支部へのその寄付は、大阪の化学製品会社と、東京にある宇部興産からのものと、政治資金報告書は示している。
英国のウィリアム王子は3月1日、宮城県を訪問中に2011年の地震と津波の被災者と面会し、共感を表明した。
32歳のケンブリッジ公(王子の称号)は、津波で子どもを亡くした石巻市の夫婦に、自分も愛する人を亡くしたことがあると述べ、1997年の交通事故で母親のダイアナ妃が亡くなったことに触れた。
王子の妊娠している妻は、彼の外遊に同行しなかった。
自治体やその他の事業体による復興関連のプロジェクトに交付された政府の補助金のわずか40.5%しか、2011年後から2013年度の間に計画通りに使われていなかったことが、会計検査院の調べで3月2日に判明した。
合計3兆4000億円がこの期間に交付されたが、2013年度末の時点で1兆3000億円しか使われておらず、当初計画された通りに実行されていないか、最初から資金過多だった可能性のあるものもあった。
長野県の推定38万戸で3月2日の朝に停電が発生したと中部電力が発表した。
3時間の停電で、鉄道や信号、病院に至るさまざまな範囲のサービスを麻痺させた。停電は午前5時35分頃に始まり、完全に電気が普及したのはちょうど午前10時過ぎだったと、その電力会社(中部電力のこと)は述べた。
中部電力は、停電の原因が塩尻市と上田市の変電所間での送電線の故障と突き止めたと述べた。
過激派組織、自称「イスラム国」(IS)のグループは、古代アッシリア帝国時代の非常に貴重な石像と彫刻の一群を破壊し、考古学者が計り知れない損害だと表現するほどの被害を与えた。
ISが2月26日に投稿した映像は、2人の男が大ハンマーとドリルで美術品を破壊する様子を映している。破壊された美術品の中には、紀元前7世紀の古代遺物と特定されるものもあった。彼らは、その美術品が偶像崇拝の象徴だと話している。
フォーブス誌は3月2日、ビル・ゲイツ氏の純資産が昨年の760億ドル(9兆円)から2015年には792億ドル(9兆5000億円)に増加したと発表した。これでゲイツ氏は2年連続で、同誌の世界億万長者リストのトップになった。このマイクロソフトの共同創始者(ゲイツ氏のこと)は、長者番付で過去21年間で16年トップになっている。
2位はメキシコの通信会社の大物、カルロス・スリム・ヘル氏で、資産は771億ドル(9兆2000億円)だった。
ジンバブエのロバード・ムガベ大統領は2月28日、壮観なビクトリアの滝の近くで91歳の誕生日をぜいたくなパーティーで祝い、ジンバブエの多くの人々にいつ退任するのかという疑問を再び持たせた。
滝の近くのゴルフコースで開かれた100万ドル(1億1900万円)の誕生日祝いの間、数千人の支持者が大きな白いテントに座っていた。ムガベ大統領の政党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)が主催した。彼の政党は、資金は寄付で集めたと述べている。
ムガベ大統領は、国内外で賛否両論が深く分かれる人物だ。
過激派組織、自称「イスラム国」(IS)の首をはねる映像で正面に立っていた覆面の殺人者「ジハーディ・ジョン」の身元が英国人のモハメッド・エンワジ氏と特定された。ロンドンの裕福な家庭出身のコンピュータプログラミングを学んだ卒業生で、情報機関に知られていた。
2月27日に英国の新聞、「デイリー・メール」紙に覆面を外した顔が公開され、学生時代のエンワジ氏がロンドン西部メイダ・ベールにあるイギリスの小学校のセントメアリーモードリン教会の芝生であぐらをかいて座っている様子が写されている。
若者の10億人以上が大音量の音楽を聞いて聴力を損なうリスクを抱えていると、世界保健機関(WHO)が2月27日に発表した。WHOは中・高所得国の12歳から35歳の人々の半数近くが、個人用音楽機器またはスマートフォンで安全でないレベルの音量のためにリスクに直面していると推定している。40%の人は、コンサート会場やナイトクラブでの音量レベルでダメージを受けるリスクに遭っている。その国連の保健機関(WHOのこと)は、85デシベル以上の音量を8時間または100デシベルを15分間聞くことを安全でないとみなしている。混雑する時間帯の車の音が85デシベルに達しうる。
強い紫外線を浴びることによる肌への損傷は、太陽光に露出した後の時間にも起こっている可能性があると、研究者たちが結論づけた。太陽光または日焼け用のライトを浴びると、メラノサイトのDNAを損傷する可能性がある。メラノサイトは肌をその色にするメラニンを生成して皮膚に色をつける細胞だ。最近の研究によると、その損傷は露出中だけでなく、その後にも起こりうるという。
この調査は、紫外線を浴びた後のメラノサイトへの損傷の程度を計測した。研究者たちは、DNA損傷の約半分が紫外線ライトへの露出後に暗いところで起こっていることを解明した。
粉ミルクを与えられた生まれて間もない乳児は、母乳で育てられた乳児よりも体内のヒ素濃度がはるかに高いことが、2月23日に発表された研究で明らかになった。
粉ミルクを与えられた生後6週間の乳児の尿から検出されたヒ素は、母乳を飲んでいる乳児よりも7.5倍多かったと、『エンバイラメンタル・ヘルス・パースペクティブ』誌に掲載された研究は述べている。
「この研究結果で、アメリカのように通常接触するヒ素の水準が低い場合でも、母乳での育児がヒ素暴露を減らせることが浮き彫りになった」と、主著者でダートマス大学のキャサリン・コッティンガム氏は述べた。
2月26日に発表された国際的な研究によると、一日にコーヒーを4杯から6杯飲む人は、多発性硬化症(MS)にかかりにくい可能性があるという。その研究は、1,000人以上のMS患者と、同様の人数の健康な人々とを比較した。研究者らは、MSになった人々に症状が現れるまで、研究対象者が1年間、5年間、10年間に飲むコーヒーの量を追跡した。彼らの発見によると、「症状が現れる前の年に、1日あたり最低6杯のコーヒーを飲んでいた人々に比べ、コーヒーを飲まなかった人はMSを発症するリスクが約1.5倍増加した」という。
重度のうつ病と診断された人々は、一般の人々よりも強盗や性暴力、暴行などの暴力犯罪を起こす可能性が高くなると、専門家らが2月25日に述べた。研究者らは、スウェーデンでうつ病と診断された47,178人の医療と犯罪の記録を追跡し、それらをうつ病でない898,454人と比較した。平均で3年間追跡調査をしたところ、うつ病患者は他者と自分の両方に危害を加えるリスクが高くなることがわかった。過去に暴力を起こした経歴など、他の要素を調整するとリスクは小さくなったものの、それでもうつ病の人々の間での暴力犯罪のリスクには増加が見られた。
ピーナツは心臓病による死亡のリスクを減少させるかもしれないことが、大規模な研究でわかり、この低コストのナッツ(ピーナツのこと)の健康上の効用がアーモンドやピスタチオのようなもっと高価な選択肢と似ているかもしれないことが示唆された。
以前の研究では、ナッツ類の摂取を心臓病、糖尿病、高血圧のリスク減と結びつけていたが、これまでの調査は主に欧米の裕福な白人に焦点を当てていた。
民族的にも経済的にもより多様性のあるアメリカと中国の人々を対象にした今回の研究は、さまざまな背景を持つ人々にナッツが良い効果をもたらしうることを示唆した。
韓国の最高裁は、姦通を禁止する数十年続いてきた法律を無効にした。評論家らは、この法律は時代錯誤で個人の自由を侵害すると述べている。これにより、同国最大のコンドーム製造会社の株価が急騰した。この法律は、離婚が珍しい男性中心の社会において女性を保護するため、1953年に制定され、不貞を禁固刑によって罰することができるようにした。
「この法律は、性的な自己決定権や、私生活の秘密や自由を侵害しているので違憲であり、憲法のもとでの過度な強制を禁止する原則を犯している」と、憲法裁判所の裁判官、 Seo Ki-seok氏は、5人の裁判官を代表して裁決理由を読み上げた。9人の裁判官のうち7人が、この法律を違憲とみなした。
コンドームを含むラテックス製品を製造しているユニダス社の株価は、この判決後、その日のストップ高の15%まで急騰した。
韓国では毎年、数千組の夫婦が姦通罪で訴えを起こしているが、禁固刑が科されることはめったにない。検察官らによると、昨年、892人が姦通の罪で起訴されたが、一人も刑務所に入れられなかったという。
海外の出版物に英語のコラムを書いているシンガポール人として、英語とマレー語、中国語の混合と独特の構文を特徴とする英語の方言であるシングリッシュは、当然の話題だろう。
たぶん、あからさま過ぎる。それで、この話題を避けてきた。
神聖なオックスフォード英語辞典がシングリッシュの単語kiasuを先月の"word of the day"(今日の単語)に取り上げたので、今になってようやくこれを取り上げることにした。オックスフォード英語辞典によると、この単語は「私利私欲に支配されている」人物のことを指し、「主として何かのチャンスを逃すのではないかという恐れから生じる自己中心的で貪欲な態度としてとして現れる」という。
例えば、「彼女はとてもkiasuで、クリアランスセールに午前6時から並び始めた!」などと言える。
Kiasuはオックスフォード英語辞典に載った初めてのシングリッシュではない。2000年3月に、初のオンライン版のオックスフォード英語辞典にはlahとsinsehという語が載っていた。後者はマレーシア、インドネシア、シンガポールにいる中国の伝統的な医師、つまり漢方医のことだ。
lahという言葉は、説明するのがもっと難しい。多くの外国人は、ただlahを文の最後につければ、シングリッシュになると思うようだ。しかし、この不変化詞の使い方はそれよりもはるかに複雑だ。lahは話者の気分または態度を伝えるのに用いられるが、厳格なルールがあるわけではなく、ほとんど文脈による。例えば、非難する感じを強調するために「そんなに怠けるなラー」などと言うことができるが、「私はとても怠け者なんだラー」と言うと奇妙になる。
lahの使い方は、lorやlehのような類似して見える不変化詞のせいでさらに複雑になる。シンガポールでは、本当ははいと言いたくないという意味を伝えるために「オーケー、ロー」と言う。「オーケー、レー」と言うときは、こちらは本当にオーケーだと強調したいのに、相手が懐疑的だからといこともあり得る。
シングリッシュに慣れない限り、このルールは曖昧で理解しにくく思えるかもしれない。おそらく、シンガポール政府がシングリッシュを標的に「良い英語を話そう運動」をしているのはこのためかもしれない。この運動は2000年に立ち上げられた。当局は、シンガポール人がシングリッシュしか使わなければ、他の人々と効果的に意志の疎通ができなくなると恐れている。
しかし、シンガポール人の多くにとって、シングリッシュは身近であり、母国を思い出させる。独立してたった50年で、その国民が元来は何十もの異なる場所からやってきている都市国家では、われわれを感情の面でつなぐ物事がほとんどない。シングリッシュはその1つなのだ。
重要なのはコード・スイッチング(異なる言語間での切り替え)だと私は思う。われわれは、シングリッシュを使うべきときと、「標準的な」英語を使うべきときをわきまえなければならない。シンガポール人はこれができるだろうか? いつもシングリッシュで私たちが言っているように、答えは「もちろんできるラー」だ!