1億8000万ドル(216億円)の大金を得られる日というプレッシャーは、これまでで最も報酬額の大きい今回の試合が最高のものでなかったとしても、フロイド・メイウェザー・ジュニア選手に影響しなかった。腕のリーチとジャブを使い、メイウェザー選手はマニー・パッキャオ選手をいらいらさせて、5月2日にウェルター級タイトルをかけた戦いで全員一致の判定勝利を勝ち取るのに十分なポイントを積み上げた。メイウェザー選手は48試合全勝で、彼の世代で最高の選手であるという功績を固めた。
試合の後、パッキャオ選手はトレーニング中に右肩を痛めていたことが発表された。
ノックダウンはなく、どちらの選手もひどく負傷することはなかった。パッキャオ選手は恐らく、第4ラウンドで今回の試合で最大のパンチを出した―メイウェザー選手をロープまで飛ばした左―が、この捕らえどころのないチャンピオン(メイウェザー選手のこと)に一貫してパンチを出し続けることができなかった。パッキャオ選手は、普段の試合中に出すよりもはるかに少ないパンチしか出さず、メイウェザー選手のほうが実際にはパンチ数が多かった。
メイウェザー選手は後半戦で自信にあふれた戦いをし、最後の2ラウンドは3-0の判定だった。ゴングが鳴った後、彼はロープに立ち、グローブで胸をたたいた。リングサイドの審判2人はその試合に116-112の判定をつけ、3人目の審判は118-110をつけた。「マニー・パッキャオ選手に敬意を表する。彼がなぜボクシングの頂点にいるのかが今はわかる」とメイウェザー選手は語った。