1億8000万ドル(216億円)の大金を得られる日というプレッシャーは、これまでで最も報酬額の大きい今回の試合が最高のものでなかったとしても、フロイド・メイウェザー・ジュニア選手に影響しなかった。腕のリーチとジャブを使い、メイウェザー選手はマニー・パッキャオ選手をいらいらさせて、5月2日にウェルター級タイトルをかけた戦いで全員一致の判定勝利を勝ち取るのに十分なポイントを積み上げた。メイウェザー選手は48試合全勝で、彼の世代で最高の選手であるという功績を固めた。
試合の後、パッキャオ選手はトレーニング中に右肩を痛めていたことが発表された。
ノックダウンはなく、どちらの選手もひどく負傷することはなかった。パッキャオ選手は恐らく、第4ラウンドで今回の試合で最大のパンチを出した―メイウェザー選手をロープまで飛ばした左―が、この捕らえどころのないチャンピオン(メイウェザー選手のこと)に一貫してパンチを出し続けることができなかった。パッキャオ選手は、普段の試合中に出すよりもはるかに少ないパンチしか出さず、メイウェザー選手のほうが実際にはパンチ数が多かった。
メイウェザー選手は後半戦で自信にあふれた戦いをし、最後の2ラウンドは3-0の判定だった。ゴングが鳴った後、彼はロープに立ち、グローブで胸をたたいた。リングサイドの審判2人はその試合に116-112の判定をつけ、3人目の審判は118-110をつけた。「マニー・パッキャオ選手に敬意を表する。彼がなぜボクシングの頂点にいるのかが今はわかる」とメイウェザー選手は語った。
ニューヨークが15歳から29歳の若者に最も人気のある都市にランクされ、同市による音楽、映画、ファッションの提供のスコアが特に高かったと、4月30日に出された調査が発表した。
トロントを本拠とするユースフル・シティズによる世界中の若者1万人を対象としたこの調査で、ロンドンは僅差で2位となり、医療と移動の面でスコアが高かった。
2015年のユースフル・シティズ・インデックス(このランキングの名前)は、文化、交通網、雇用、スポーツなど、101の異なる指標を用いて若者の視点から世界中の55都市をランク付けしている。
この調査は昨年初められたが、昨年1位だったトロント―若者の雇用の高水準、デジタルへのアクセスのしやすさ、高い生活水準で高評価を受けた―は、今年のランキングでは6位に転落した。ニューヨークは昨年は3位だった。
日本の14歳以下の子どもの数は、34年連続で過去最低となり、4月1日時点で1617万人だったと、政府が5月4日に発表した。
その数値は前年から16万人低下し、比較可能なデータが1950年代に利用できるようになって以来最低レベルとなった。男女別では、日本の14歳以下の男子は828万人、女子は788万人となっている。
総務省は国民の祝日のこどもの日の5月5日を前に、そのデータを発表した。
人口全体に占める14歳までの子どもの割合もまた、過去最低の12.7%に減少し、41年連続での減少となった。
昨年10月1日時点での県別のデータによると、子どもの割合が最も高かったのは沖縄県で17.5%、一方、最も低かったのは秋田県で10.8%だった。
日本は、アメリカ政府が同国の議会にした行動に合わせて、環太平洋連携協定の草稿文章を、恐らく交渉が妥結される前の5月中旬に、国会議員が閲覧できるようにすることを検討していると、日本政府高官が5月4日に明らかにした。
その計画は、環太平洋連携協定の交渉について、もっと多くの情報を公開するようにという、日本とアメリカの議員の求めが高まる中で明らかにされた。
「その文章(協定案のこと)を国会議員が閲覧できるようにする準備をする」と、西村康稔内閣府副大臣がワシントン市内で報道陣に語った。
岸田文雄外務大臣は5月2日、キューバを訪問する日本初のトップ外交官として、ハバナでブルーノ・ロドリゲス外務大臣と会談し、キューバへの日本の政府開発援助を増やすことを約束した。
岸田外相は、その日の後の時間に、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長とも面会し、ラウル・カストロ議長は、そのカリブの国(キューバのこと)への岸田外相による「歴史的な」訪問を心から歓迎し、経済やその他の両国の2国間関係をさらに強化することを求めた。岸田外相はまた、キューバのフィデル・カストロ前議長ともカストロ前議長の自宅で会談したと、その日本の大臣(岸田外相のこと)は述べた。
ユネスコの諮問機関が日本の「明治時代の産業革命を示す場所」を世界遺産として登録するよう勧告したと、文化庁が5月4日に発表した。
その承認では、19世紀後半から20世紀初めにかけての日本の近代化を象徴するものとして政府が提案していた8県の23施設すべてを含んでいると、同庁は述べた。
この動きは、ドイツのボンで6月28日に予定されている世界遺産委員会の会議で、歴史的遺産登録の公式決定を受けるための道を開くものだ。
有毒な枯葉剤エージェント・オレンジが沖縄に存在するとされることと、沖縄の米軍基地をめぐる問題について長年記事を書いてきたジャパンタイムズの寄稿者のジョン・ミッチェル氏は、日本外国特派員協会で今年が第1回目となる「報道の自由推進賞」の受賞者の一人となった。
「この賞を受賞できたことはたいへん光栄だ。」と、5月4日、ミッチェル氏はEメールでのメッセージで語った。「海外メディアも国内メディアもみな、あまりにもいつも、アメリカと日本の政府が沖縄の人々の人権をいかに踏みにじっているかを見過ごしている」。
テキサス州警察は5月3日、反イスラムとされているグループによって開催された預言者ムハンマドの風刺画の展示会の外で発砲した2人の男を射殺した。
FBI上官の言葉を引用して、ABCニュースは銃を持った男の1人の身元を、テロ捜査の標的となっていたアリゾナ州の男、エルトン・シンプソンと報道した。FBI捜査官と爆弾処理班はシンプソン容疑者の自宅を捜索していると、ABCニュースは伝えた。
ダラス郊外での発砲は、預言者ムハンマドを描いた作品に対する欧米諸国でのこれまでの攻撃や脅威の繰り返しだった。
ネパール政府は、4月25日の壊滅的な地震を受けて、このヒマラヤの国(ネパールのこと)が復興に目を向け始めるにあたり、多大な国際支援を必要とすると、政府高官が5月4日に述べた。
ネパールは世界最貧国の一つで、観光を主な基板とする同国の経済は、7,300人以上が死亡した今回の地震で機能を損なわれている。
「国際社会からの多大なる支援が必要な2〜3週間のうちに本格的な復興計画を策定する必要がある」とミネンドラ・リジャル情報相は述べた。
ヒューレット・パッカード社の元CEOのカーリー・フィオリーナ氏と退職した神経外科医のベン・カーソン氏が5月4日に大統領選挙への立候補を表明し、現在は政治家でない2人が共和党の大統領候補者の枠を拡大した。フィオリーナ氏は、同党の指名を狙う中で唯一有望な女性候補になると見られ、カーソン氏は唯一のアフリカ系アメリカ人候補となりそうだ。
フィオリーナ氏とカーソン氏はともに、元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏やウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏などの数名のベテラン政治家たちが主役となることが予想されている選挙運動で、弱者として選挙戦を開始する。
中国の習近平国家主席は5月4日、台湾の与党・国民党の主席に、お互いの政治的な違いを解消するための「対等な」対話を申し出た。しかし、台湾が中国の一部であるということを認めればという条件付きで、この概念は台湾の多くの人々がためらいを感じるものだ。
習国家主席は、中国を支配する共産党の首脳として、国民党の議長の朱立倫主席に北京の人民大会堂で会談し、古くからの政治的な敵同士のリーダーが面会するのは6年ぶりだったと、中国の新華社通信は伝えた。
国民党は共産党との紛争の末期の1949年に台湾へ逃れることを余儀なくされ、この争いは公式な終戦を迎えていない。
大きな首都直下型地震のリスクを考慮すると、住宅向けの地震保険料が平均で約30%値上がりすると予想されると、保険業界の関係者が5月4日に述べた。地震保険は、地震、火山の噴火、津波などによってもたらされた家屋と家財への損害を補償する。保険料はその組織(損害保険料率算出機構のこと)によって算出された率を基に設定され、金融庁の承認を受ける。
政府の地震に関する委員会は、マグニチュード7クラスの地震が30年以内に首都圏の南部を襲う確率はおよそ70%と予測している。
ボディアートのファンでもあるアップルの愛好家たちは、濃い入れ墨がその象徴的な企業(アップルのこと)の話題の新型スマートウォッチを混乱させうることを知りつつある。アップルのインターネット上のサポートページは4月30日に、「入れ墨のインクや模様、色の彩度がセンサーからの光を遮って、安定した読み取りがしにくくなることがある」と警告した。
腕に装着するアップルウォッチの背面についているセンサーは、着用者にカロリー消費量や運動量などの情報を提供するために、血流を感知し、心拍数を記録するLEDライトを使っている。「入れ墨のような皮膚への永久的な、または一時的な変化は、心拍数を測るセンサーの性能にも影響を与える可能性がある」とアップルは述べている。
中国は今、ワイン用のブドウ園のために使われる土地がフランスよりも多くなったが、フランスはイタリアに勝って世界一のワイン生産地域の座を取り戻した。
これは、パリを本拠地とする国際ブドウ・ワイン機構が4月27日に出した数値によるものだ。中国のブドウ園は昨年80万ヘクタールに拡大し、世界一の生産国スペインに続き、フランスを抜いている。EU諸国は近年、ブドウ園の効率化と品質の向上のために、意図してブドウ園を減らしている。
世界のワインの売上は、昨年2.6%上昇した。
人権団体は4月30日、警察と市民とのやりとりを録画でき、法的な措置の際に使う可能性が出た場合のために記録できるスマートフォン用のアプリの提供を開始した。この無料のアプリは、アメリカ自由人権協会(ACLU)によって開発され、白人の警察官の手によるアフリカ系アメリカ人の一連の死をめぐる抗議が高まる中で生まれた。携帯電話用アプリのモバイル・ジャスティスCAを使って録画された映像は、警察による人権侵害にあたる可能性のある行為を通報する一手段として地元のACLUの事務所に送ることができる。このアプリは、たとえ利用者の携帯電話が紛失または押収、破壊されたとしても、確実に映像をアップロードして記録できるようになっている。
日本のディズニーのテーマパークの運営会社は4月28日、ディズニーのヒット映画『アナと雪の女王』をテーマにした施設を東京ディズニーシーに早ければ2017年に新設すると発表した。
オリエンタルランドは、今年の初めに行なったこのヒット映画をテーマにしたイベントの人気を考慮して、『アナと雪の女王』の施設を、スカンジナビア半島をテーマに開発したエリア内に、およそ100億円を投資して建設する計画だ。スカンジナビア半島をテーマにした新エリアは、複数の施設と飲食店を収容する見込み。このエリアの詳細な計画は、2016年3月末までに発表されると、オリエンタルランドは述べた。
あるフランスの会社は、死別した愛する人を近くに感じられるようにするための新奇な方法を考えだした:においを香水に詰めるのだ。愛する人の死を乗り越えることに苦しむ多くの人々のように、カティア・アパラテギさんの母親は亡くなった夫のピローケースをつかんで離さなかった。夫の貴重なにおいをとっておくためだ。そのことが、個人のそれぞれのにおいを収集して保存する方法をアパラテギさんに考えつかせた。「我々は葬儀場へ行き、ご遺族から提供された物から抽出された亡くなった方のにおいの小瓶を入れた小箱を家族にお届けする」とアパラテギさんは述べた。その香水は560ユーロ(7万円)程度で販売される予定だと、彼女は言い添えた。
チェコ2部リーグのバニク・モストは、9連敗の後で選手たちをうそ発見器にかける計画をめぐり、国際プロサッカー選手会(FIFPro)に非難された。
「FIFProはうそ発見器の使用に全く以って反対で、全選手にこの検査に協力しないよう勧告する」とFIFProは声明で発表した。
FIFProによると、その選手たちは八百長に関わっていたのではないかという疑いを持たれているという。
「バニク・モストのクラブの監督らは、明らかな証拠がないように思われるにもかかわらず、クラブの選手たちを可能性のある容疑者として扱っている。FIFProは、八百長において、選手が犠牲になっていることが多いということを強調したい。プロのサッカー選手が巻き込まれることはあっても、選手が発端になっていることはめったにない」とFIFProは述べている。
「多くの科学者たちが、うそ発見器の使用を非難している。この道具は、嘘をついているか否かを最も正確に判断できるものではないと確信している」と、とFIFProのヴィル・ファン・メーヘン法務部長は述べた。
バニクは、2005年から2008年までの3年間は最上部にいたが、現在は1段下で、降格に直面している。
私のお気に入りのハリウッド映画の一つは、『マイ・フェア・レディ』だ。この映画は、イギリス人の教授にきちんとした淑女のような英語を話せるように教え込まれる労働者階級のコックニーの少女の物語を伝えている。私がこの映画を好きな理由の一つは、オードリー・ヘップバーンが主役だから。もう一つの理由は、自分自身がもともとコックニーだったからだ!
学生時代に遡ると、私はイングランド中をヒッチハイクして回り、貧乏旅行でロンドンに着いた。観光情報センターに立ち寄り、泊まる場所を必要としているとそこにいた人に伝えた。「あなたはラッキーです。外国人の訪問者向けに無料でホームステイを提供している人がいます。彼の名前はロイで、コックニーです。これが住所です」と彼らは言った。
ロイと私はすぐにいい友だちになった。彼はカナダ人に会えたことを喜び、私にコックニーの生活を熱心に紹介しようとした。最初の数週間、彼とその友人たちは、私にイーストロンドンにある近隣の労働者階級の街を見せてくれた―ハックニー、ステップニー、ベスナル・グリーンとホワイトチャペルなど。
最初は、彼らのコックニーのアクセントが理解しにくかったが、徐々に彼らの発音に慣れてきた。コックニーは、単語の最初の「H」の音を落とすので、「ヘンリー・ヒギンズ」という名前は「エンリー・イギンズ」と発音される。"the rain in Spain"(スペインの雨)を、彼らは「ザ・ライン・イン・スパイン」と言う。"Oh my God!"(なんてことだ!)と言う代わりに、私は新しいコックニーの友人たちのように"Cor blimey!"(ちきしょう!)と言うことをすぐに覚えた。
ほとんどのコックニーのように、ロイはとても迷信深かった。不運を防ぐために、彼は私に黒猫を避け、歩道では割れ目を踏まないようにと教えてくれた。
ロイは私にコックニーの韻を踏むスラングも教えてくれた。これは、コックニーが自分たちだけでコミュニケーションするために使う秘密の言語だ。こんなふうにする:まず、言いたいことと韻を踏む2つのフレーズを見つけ、最初の語を秘密の暗号として使う。
"trouble and strife"(問題と対立)というフレーズは例えば、"wife"(妻)と韻を踏んでいる。"apples and pears"(リンゴとナシ)というフレーズは、"stairs"(階段)と韻を踏んでいる。あなたが言いたいことが"My wife fell down the stairs"(妻が階段から落ちた)であれば、コックニーの韻を踏むスラングでは、単に、"My trouble fell down the apples"と言えばよい。面白い!
ロイは変わった趣味を持っていた。切り裂きジャックに夢中だったのだ!切り裂きジャックは、イーストロンドンのスラムで女性を攻撃した19世紀の殺人者だ。毎週、深夜頃、ロイは私を殺人現場の探検へ連れ出した。
「この角だよ」とロイは説明する。「切り裂きジャックは、1888年の8月31日にマリー・アン・ニコルズを殺したのさ。彼女は喉を切り裂かれた!」。その次の週、彼は私に「ここはアニー・チャップマンの遺体が1888年9月8日に発見されたところだよ。彼女の腹部は切り開かれたんだ!」と教えてくれた。ロイのところに滞在している間、すべての殺人現場へ行き、だんだん自分も切り裂きジャックの専門家になっていった!
コックニーとしての私の暮らしは、魔法のような3カ月の間続いた。今、『マイ・フェア・レディ』を見るたびに、イーストロンドンの冒険を思い出す。