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2015年6月12日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Watching concerts from home (p. 9)

自宅にいながらコンサートを楽しむ

人からよく、「日本の音楽が好きならたくさんコンサートを見ているんでしょうね。東京にはたくさん素敵なライブハウスがあるからね」とコンサートにたくさん行くかどうかを聞かれる。私はバツが悪そうに笑って、今は以前よりもコンサートや演奏を多く見ていると伝える。そして、そのほとんどを自宅からチェックしていることを明かして、聞いてきた人を驚かせる。

ここ数年、ライブストリーミングイベントの大ファンになった。これはインターネット上で放映されるコンサートや演奏、DJ演奏なので、世界中で誰でもアクセスして楽しむことができる。こうした形式は日本でもだんだん広がっていて、アンダーグラウンドDJからJポップのアイドルに至るまで、誰もがそれを利用するようになっている。

かつては頻繁にコンサートへ出かけていた。大阪の近くに住んでいたとき、週末はいつも都市部へ出かけて、コンサートへ行った。日本の音楽シーンは私にとってまだ真新しかったので、見るものを無作為に選んでいて、面白い名前の演奏者が出演するコンサートに行くときもあった。オウガ・ユー・アスホールというバンド? いいね!

これはリスクのある戦略だった―下手な音楽もたくさん聞いた―が、たくさん勉強にもなった。東京に移った後、普段は最低週に1度は出かけて行った。しかし、しばらくして、東京のライブ音楽シーンの魅力は薄れてきた。ここではコンサートにたくさんお金がかかる―1回あたり2000円くらいかかり、それより高いこともよくある。コンサートはたいてい、夜遅くに始まり、始発が走り始めるまで続く。仮眠をとるファストフード店を見つけるか、タクシーで家に帰るのに4000円払うかしなければならなかった。やがてうんざりした。

ライブストリーミングのコンサートなら、聞きたい音楽すべてをいかなる物理的な面倒もなしに聞くことができる。ドミューンや2.5Dなどのようなインターネット上の日本のチャンネルは、高画質で1週間を通してイベントを放映していて、有名なアーティストが出ていることも多い。会場自体も今ではそうするようになっている―アニメの影響を受けた音楽に特化した秋葉原のMograは、イベントのほとんどをストリーミング配信している。便利なだけでなく、全国のファンがコンサートを見ることができる。

アメリカでは、この傾向がたいていは有名な音楽祭に広まっている。私はコーチェラ音楽祭にずっと行きたいと思っていた。この音楽祭は、カリフォルニアのコロラド砂漠で開かれる有名な集まりで、素晴らしい演奏者が多数登場する。スケジュールを合わせることが一度もできず、世界の反対側に引っ越してしまった。この音楽祭を経験することはできないだろうと思っていた。しかし、コーチェラ音楽祭は、フェスの様子をオンラインで放映し始めたので、ちょうど自分のパソコンで見たところだ。私の財布もこの発展に喜んでいる。

それでも、インターネットでほとんどのライブ音楽を見ているにもかかわらず、実際には、出かける機会が減ったことで、生でコンサートを見ることがもっと楽しめるようになった。イベントに行く回数が減ったことで、参加するものはもっと楽しく、記憶に残るように感じられる。パソコンからほとんどのコンサートを見ているかもしれないが、そのおかげでライブシーンをさらにもっと好きになった。

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