3人の著名な憲法学者―与党勢力に気に入られている人物も1人含む―からの安倍政権への驚くべき批判は6月5日、戦争を放棄する憲法9条を再解釈するという昨夏の閣議決定の合憲性について、国会での議論を再燃させた。
衆議院安保法制特別委員会の6月5日の会議で、民主党の辻元清美議員は、学者たちの意見を鑑みて異論の多い法律を取り下げるよう政府に求めた。これに対し、中谷元防衛大臣は、基本的な目標が日本国民の生命を守ることである限り、集団的自衛権の行使は合憲だと主張した。
3人の専門家とは、早稲田大学の長谷部恭男教授、慶應大学の小林節名誉教授、早稲田大学の笹田栄司教授だった。
「集団的自衛権の行使を許すことは、過去の政府の」憲法についての「解釈における基本論理の枠組みの中では説明できない」と長谷部教授は説明した。「(憲法の再解釈は)法的安定性を著しく損ない、憲法に違反する」と長谷部教授は述べた。