「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2015年7月10日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Supreme Court makes same-sex marriage legal throughout U.S. (p. 1)

米最高裁、全米50州で同性婚認める

アメリカの最高裁判所は6月26日、全米で同性婚を合法とし、この待望の画期的な決定は、国内各地で歓喜と喜びの涙をもたらした。

判決は5対4で、憲法は全50州に同性婚を実施および承認するよう求めるとアメリカの最高裁は宣言した。

バラク・オバマ大統領は、この判決を「アメリカにとっての勝利」だと称賛した。

「今日、我々ははっきりと言うことができる。我々の連帯を少し完璧に近づけることができたと」と、オバマ大統領はホワイトハウスで語り、ホワイトハウスは同性愛者の人権運動のシンボルカラーである虹色でライトアップされた。

「この決定は、何百人ものアメリカ人がすでに心のなかで信じていること―アメリカ人すべてが平等に扱われるとき、我々はより一層自由になるということを認めるものである」

最高裁の決定により、アメリカ合衆国は世界で21番目に同性婚を合法と認める国となった。

混み合った最高裁の前庭で旗を振っていたLGBT(性的少数者)の擁護者たち―涙を流す人もいた―は、歓声を上げ、踊り、「USA!USA!」と叫び、お祝いにアメリカ国歌『星条旗』を歌った。

Easy Reading

Panama again tops global index of well-being (p. 3)

「生活満足度ランキング」、パナマが首位

毎年行なわれている幸福度ランキングの最新版で、パナマの住民がトップになり、他方、アフガニスタンが最下位だった。アメリカは、ギャラップ社とヘルスウェイズ社による「世界生活満足度指数2014」で調査された145の国や地域のうち23位で、前年から順位を12位下げた。この順位の下降は、コミュニティという感覚に満足していると回答する人が減ったことを反映している。日本は92位だった。

パナマは総合的な幸福度で2年連続世界をリードしたと、ギャラップ社は述べた。「パナマの人々は、たくさんのストレスや心配事がなく、日常的な幸福をたくさん、毎日の笑顔や笑いをたくさん、毎日の楽しさをたくさん回答するだろう」と、ランキングをまとめたダン・ウィター氏は語った。

このランキングは、145の国や地域の15歳以上の人々14万6000人以上を対象に2014年に行なったインタビューに基づいている。

Easy Reading

Majority of teens intend to vote when age lowered next year (p. 3)

17 〜 18歳の大半、「投票に行く」と回答

共同通信が行なった調査によると、法律により来年6月から投票年齢が20歳から18歳に下げられた場合に投票資格を持つようになる10代後半の大半が、来年夏の参議院選挙で投票に行くつもりだという。

17歳の人々を対象に6月17日から18日にかけて実施された調査で、65.7%が投票に行くつもりだと回答し、前回2013年に行なわれた参議院選挙での20代の投票率31.4%をはるかに上回った。行くつもりはないと答えた人は12.9%で、21.4%はまだ決めていないと答えた。

この調査は、この年齢層の約15300人のうち全国の1038人の若者から回答を得た。

政治家への信頼があるかどうかを聞かれると、80.8%が信頼はないと答え、19.2%は信頼していると答えた。

National News

Toshiaki Endo appointed Olympics minister (p. 4)

五輪担当大臣に遠藤衆議院議員が就任

元ラグビー選手でスポーツ関係の組織で幅広い経験を持つ遠藤利明氏は6月25日、2020年東京オリンピックとパラリンピックの担当大臣に任命された。

この65歳の自民党のベテラン議員(遠藤氏のこと)は、率先してオリンピックを成功させるつもりだと述べた。遠藤氏は、「プロップNo.1の役割を果たしたい」と、ラグビーのフォワードのポジションを引き合いに出して語った。

National News

Man sets himself on fire on shinkansen (p. 4)

走行中の新幹線内で男が焼身自殺

6月30日、男性が新幹線内で焼身自殺をして亡くなり、50代の女性1人も亡くなったと、地元の消防と警察が発表した。

午前11時30分頃に起こったこの事件で、ほか2人の乗客が重症となった。目撃者は、この男性が自分自身に油をかけて、新幹線の前側の端で自分自身に火をつけたと話していると、捜査員は述べた。

National News

Support of LGBTs will increase HIV: politician (p. 4)

宝塚市議、性的少数者への差別発言で議会紛糾

兵庫県宝塚市の市議会議員が、性的少数者を支援する市の取り組みが、そうした人々(性的少数者のこと)を市内に転入する気にさせて、同市を「HIV感染の中心」にしてしまうと発言した。

6月24日に自民党の大河内茂太議員(44)がしたこの発言は、他の議員がその発言は差別的で不適切だと抗議した後、議会を1時間半ほど中断させることとなった。

大河内議員は後に謝罪し、この発言を撤回している。

National News

New day care rule in Saitama prompts lawsuit (p. 4)

「育休退園制度は違法」、所沢市の保護者が提訴

保護者たちは6月25日、埼玉県所沢市の新規則の差し止めを求めて、行政訴訟を起こした。この新規則は、子どもの母親がその子どもの弟や妹を産む場合、その子どもを強制的に退園させるものだ。

この規則では、弟や妹の誕生から2か月以内の間に、2歳までの子どもを市営の保育園から退園させ、家庭で世話をさせることを義務付ける。保護者の多くは、退園した子どもたちが同じ施設に戻れないのではないかと恐れている。この規則はこのことを可能にするために(同じ施設に戻れるようにするように)変更されたが、多くの人々は、基本的な問題が残っていると話している。

World News

N.Y. prison break ends with 2nd shooting (p. 5)

ニューヨークの脱獄者の逃亡劇に幕

ニューヨーク州の刑務所から6月初めに逃走した囚人2人のうちの1人、デイビッド・スウェット受刑者は、仲間の囚人が殺害されてから2日後の6月28日に、カナダの国境付近で警察に発砲され、病院へ運ばれたと、警察は発表した。

スウェット受刑者と、リチャード・マット受刑者は収容されていたダンネモーラ刑務所から6月6日に行方不明になり、警察約1300人を巻き込んでの大規模な捜索を引き起こした。

World News

SpaceX rocket breaks apart after liftoff (p. 5)

スペースXの無人宇宙船、打ち上げ失敗

国際宇宙ステーションに物資と新しいドッキングポートを運ぶ予定だったスペースX社の無人ロケットは、6月28日、打ち上げのすぐ後に爆発した。これは、未だにこれまでの輸送の失敗で揺らいでいるNASAにとって、深刻な打撃だった。

フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられたそのロケットは、将来の商用有人カプセル用にデザインされた初のドッキングポートを運んでいた。大破の理由はすぐには明らかにならなかった。

World News

Tunisia widens hunt for Sousse beach killings (p. 5)

チュニジアのリゾートで外国人観光客を狙った銃撃事件

チュニジアの内務省によると、チュニジア警察は、6月26日にスースのビーチとしゃれたリゾートホテルで発生し、少なくとも38人の休暇旅行客が亡くなった襲撃事件後、国中で容疑者を捜索しているという。

主犯者は24歳の大学卒業生と特定された。彼は単独で行動していたが、事前に彼を支援していた共犯者がいたと、同省の職員モハメド・アリ・アロウイ氏は6月28日に話した。

この攻撃は、過激派組織「イスラム国(IS)」のグループが犯行声明を出していた。

共犯者は「間接的に関与した」とアロウイ氏は語った。

World News

Spark may have caused Taipei water park fire (p. 5)

台北のテーマパークで火事、500人負傷

台湾の捜査当局は6月29日、タバコの吸い殻か火花が火災を引き起こした可能性に焦点を絞っている。週末に台北の水上遊園地でのパーティーでステージから噴射された色のついた粉に火がつき、この火災で500人以上が火傷を負った。

400人以上が入院中で、200人は重傷だと、市職員は話している。8人は命の危険があるケガを負っていると、地元メディアは伝えた。

警察は6月27日のパーティーの主催者に対し、刑事訴訟を起こすことを勧めている。

BUSINESS & TECH/SCIENCE & HEALTH

Skinny jeans could make you a fashion victim (p. 6)

スキニージーンズに健康上のリスク

タイトな「スキニー」ジーンズを履いてしゃがむと、健康を損ねる恐れがあると、オーストラリアの医師たちが6月23日に警告し、一時的に足の感覚を失った女性の症例を報告した。この35歳の人(症例の女性のこと)は、親戚の引っ越しを手伝った翌日に転倒して入院しなければならなくなった。引っ越しでは、何時間もしゃがんで食器棚の荷解きをしていた。その日の夜、彼女は足にしびれを感じ、歩くのが困難であることがわかった。彼女の足はとても腫れていて、ジーンズを切り裂いて脱がなければならないほどだった。ロイヤル・アデレード病院の医師らは、ジーンズとしゃがんでいたことが重なって、彼女の足の筋肉への血流が減少したと話している。

BUSINESS & TECH/SCIENCE & HEALTH

Road noise may cut life expectancy, study finds (p. 6)

道路の騒音で寿命が縮む

騒音の大きい道路の近隣に住む住民は、寿命が縮み、脳卒中のリスクが高まる可能性があると、医師らが6月24日に研究で発表した。研究者らは、ロンドン中で騒音レベルと死亡および入院のデータを比較した。日中の道路の騒音のレベルが60デシベルを超えるところでは、静かな地域に比べて4%死亡が多かった。また、騒音の大きい場所の住民は、脳卒中で病院に入院する確率も5%高く、高齢者ではこの数値は9%に上昇した。55デシベルから60デシベルの夜間の道路の騒音も、脳卒中のリスクを5%増加させることにつながっている。

BUSINESS & TECH/SCIENCE & HEALTH

Same-sex parents have no ill effects on kids (p. 6)

両親の性別、同性でも異性でも子どもに悪影響なし

新しい調査で科学者らは、同性の夫婦に育てられた子どもが、異性の夫婦に育てられた子どもよりも不幸になることはまったくないということで意見が一致した。この調査では、同性の子育てに関する1977年から2013年までに発表された19000件の研究と記事を検証した。「育てられたのが同性の両親か異性の両親かで、子どもに違いは見られなかったという点で、意見の一致は圧倒的だ」と、オレゴン大学の社会学教授ライアン・ライト氏は6月23日に述べた。「全体的に、大きな違いはまったくないという繰り返されている示唆が見出された」とライト氏は語った。「我々の知る限り、これはこのトピックに関するこのタイプのものとしては最も包括的な分析だ」

BUSINESS & TECH/SCIENCE & HEALTH

'Babbler' birds use primitive language (p. 6)

豪州の鳥、「言語」を使ってコミュニケーション

オーストラリアのある鳥は、他の鳥にさまざまな意味を伝えるために、音をつなぎ合わせ、混ぜ合わせることができると、6月29日に研究者らが発表した。これは、以前は人間だけにあるものとされていた能力だ。『プロス・バイオロジー』誌に掲載されたこの研究は、オーストラリアの奥地に見られるクリボウシオーストリアマルハシに注目している。研究者らは、鳥の鳴き声を研究し、特定の状況で使われるさまざまなパターンを発見した。「意味のない要素を再配列することから新しい意味を生み出す能力が人間以外に存在することが示されたのは、これが初めてです」と、共著者でチューリッヒ大学のサイモン・タウンセンド氏は述べている。

BUSINESS & TECH/SCIENCE & HEALTH

Screen time linked to weaker bones in teen boys (p. 6)

10代のテレビやパソコン、将来の骨密度に悪影響

あまりにも長時間にわたってコンピューターやテレビの前で過ごし、重い物を持ち上げる運動を十分にすることがない10代の少年は、年をとるにつれて骨が弱くなる可能性があることが、ノルウェーの小規模な研究で示唆された。幼少期と10代の時期は、骨を成長させ、ずっと後の人生で骨粗しょう症のリスクに影響を与えうる骨密度のレベルを確立するのに極めて重要な時期だ。

「我々は、長時間のスクリーン・タイム(テレビやパソコンのディスプレイを眺めて過ごす時間)と、男子の骨のミネラル分の密度の低下との間に相関を発見した」と、トロムソにある北ノルウェー大学病院の理学療法士で、この研究の筆頭著者のアンネ・ウィンザー氏は語った。

BUSINESS & TECH/SCIENCE & HEALTH

Russian sets record for most time in space (p. 6)

露宇宙飛行士、累積宇宙滞在時間で新記録

現在、国際宇宙ステーションの船長を務めるロシアの宇宙飛行士、ゲナディ・パダルカ氏は、宇宙での滞在時間が合計で803日間となり、新記録を作ったと、ロシア宇宙局が6月30日に発表した。

「この記録は公式なものです。ゲナディ・パダルカ氏は、宇宙で最長時間を過ごした人物になりました」と、ロシア連邦宇宙庁ロスコスモスのスポークスマンが述べた。

6月21日に57歳になったパダルカ氏は、現在、5回目の宇宙ミッションに参加している。ソビエト時代に軍事パイロットとして訓練を受け1998年に初めて宇宙へ行った。このとき、彼は国際宇宙ステーションの前の軌道コンプレックス「ミール(ロシアの宇宙ステーション)」のその年の船長を務めた。

Essay

An unexpected visitor (p. 9)

予期せぬ来客

農業をしている友人が最近、彼が農場内を歩いていて遭遇した見た目の変わった鳥について話してくれた。両横がシマウマのように白黒で、頭と首は赤褐色、頭のてっぺんには派手なとさかを冠していたという。

ジェームズは暮らしのほとんどを大自然の中で過ごしているが、このようなものは以前に見たことがなかった。この予期せぬ来客はヤツガシラで、アフリカと地中海に原生する鳥だ。名前の由来は、カッコウなどの擬音語に由来する種のように、鳴き声からつけられた。

私はカナリア諸島の1つ、ランサローテ島で1度ヤツガシラを見たことがある。ヤツガシラは簡単には忘れない。派手なとさかのおかげで、その鳥は、リオのカーニバルのダンサーのように見える。だから、ジェームズが家のそんなに近くで珍しくそれを見たと私に話してくれたとき、私は少しうらやましかった。

私は少年時代、鳥類学者のようなものだっただけに、一層そうだった。それは1980年代のこと、ファミコンも、携帯電話も、インターネットも現れる前のことだった。私が少年だったとき、アイルランドの田舎にはすることがほとんどなくて、野原を何時間も散歩していて遭遇した最もありきたりの鳥について細かいメモを作っていた。ぞんざいなスケッチの横に本物の専門家のようにラテン語で“Corvus frugilegus”(ミヤマガラス)とメモをつけていた。「カラス。色:黒。性別:不明。特異な行動:なし」のように、皮肉と退屈に負けたときは書き添えた。

しかし、私のノートに登場した鳥のいくつかを一目見るためなら、今ならなんでもする。アオカワラヒワ、チョウゲンボウ、シギは今では絶滅危惧種の鳥となってしまった。

原生種の鳥のいくつかが、私の生まれ育った田舎からほとんど姿を消したようだが、一方で、ヤツガシラのような南方からの予期せぬ来客を受けることが多くなっている。

ユリウス・カエサルとローマ人たちは、アイルランドをヒベルニア―冬の土地―と呼び、わざわざ侵攻するには寒過ぎる場所だと考えていた。しかし、ヤツガシラは明らかに、ここは十分に温暖だと思ったようだ―そして、このことを私は心配している。

自然は適応できるところに適応し、科学者たちは動物たちが気候変動に対処しようとして北へまたは高度の高いところへ移動しているケースを報告している。オオカミはアイルランドと日本ではずっと昔に狩猟により絶滅したが、地球温暖化は人類の生態系破壊を、今までにないレベルにまで引き上げている。科学者の多くが今の時代を第6次絶滅期と呼ぶほどだ。第5次絶滅期は6500万年前の恐竜時代の終わりのことだ。

ヤツガシラは美しいが、たぶん、アイルランドではヤツガシラを見ないのが一番だろう。恐れているのは、ヤツガシラが、ちょうど恐竜と同じように、忘却への道の途中にあるのかもしれないということだ。だが今回は、悲劇は人類が作ったものなのだ。

This week's OMG!

Deformed mutt crowned World's Ugliest Dog (p. 11)

「世界一醜い犬コンテスト」、10歳の雑種が優勝

カジモドという名前の10歳の雑種犬が、今年の「世界一醜い犬コンテスト」で優勝した。この犬は背骨の先天異常で少し背中が丸まっている。ピットブルテリアとダッチシェパードの雑種犬(カジモドのこと)とその飼い主は、6月26日に1,500ドル(18万4000円)の賞金を獲得し、不完全さを称賛するカリフォルニア州北部でのこのコンテストで競っていた25匹のほかの犬に勝ったと、主催者は発表した。

カジモドは、フロリダ州の獣医に引き取られる前、動物保護施設に捨てられていたと、コンテストのウェブサイトに掲載された彼女の自己紹介文に書かれている。

彼女の自己紹介文には、「私の外見を見て、ちょっと動揺する人もいるかもしれませんが(大人の男性が私のことをハイエナかタスマニアデビルだと思ったために、私から逃げようとして車のてっぺんに飛び乗ったこともあります)、一度知り合いになれば、この快活な性格で、そんな人たちの心をつかみます」と書かれている。 

スウィーピー・ランボーとフロドという名前のチャイニーズ・クレステッド・チワワの雑種犬2匹が、それぞれ2位と3位を獲得した。プレシャスという名前の8歳のチワワは、障害を乗り越えたか、地域にサービスを提供したかのいずれかまたは両方の犬と飼い主を称える「がんばったで賞」(spirit award)を受賞した。

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