「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2015年7月17日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Japan misses second Women's World Cup title with U.S. defeat (p. 1)

なでしこ、米国に敗れ準優勝

女子ワールドカップのタイトルを保持する日本の望みは、7月5日にバンクーバーでの決勝戦でアメリカに5対2で叩きのめされて打ち砕かれた。アメリカのキャプテン、カーリー・ロイド選手のハットトリックを含め、前半16分での4ゴール―女子ワールドカップ決勝リーグでは初―は、日本に越えるのが難しい山を残し、なでしこジャパンは大儀見優季選手(が決めたゴール)とジュリー・ジョンストン選手のオウンゴールで得点を返したものの、取り戻す道はなかった。

「もし最初からもう少し引き締めていたら(結果は違ったかもしれない)と思うが、選手たちは最後まで走ることを決してやめませんでした。私は彼女たちを誇りに思います」と日本の佐々木則夫監督は語った。

「私たちはこの4年間、チャンピオンであるというプレッシャーを抱いていましたが、この舞台にたどり着くために、選手たちは本当によくやってくれました」

キャプテンの宮間あや選手は、「後悔はありません。持っているものすべてを出しましたし、チームのみんながこのワールドカップで勝つためにがんばりました」と話した。

佐々木監督は、2011年の決勝戦を勝ったのとほとんど同じ選手起用をした。2011年の優勝は、3月11日に地震と津波で壊滅的な被害を受けてから4カ月後に日本に大きな希望を与えた。この57歳のカリスマ的な人(佐々木監督のこと)は、2大会連続での決勝出場が女子サッカーの成長の新しい時代につながればと望んでいると語った。

Easy Reading

San Fermin bull-running festival starts in Pamplona (p. 3)

スペインで「サン・フェルミン祭り」開幕

何千人ものお祭り騒ぎをする人々が、スペイン北部の街パンプローナで7月6日、有名なサン・フェルミンの牛追い祭りの始まりを祝った。

祭りは、市庁舎のバルコニーから伝統的なロケット花火の打ち上げ―チュピナソとして知られる―で始まった。

チュピナソは8回ある午前8時からの牛追いの初回が始まる前日に行なわれる。祭りでは何千人もの人々が、6頭の闘牛の先頭に立って850メートルのコースを走ることで、自分の勇気を試す。牛はその後、プロの闘牛士によって闘牛で殺される。

牛追いはスペインの夏祭りの伝統の一部だ。牛追いでは毎年数十人が、ほとんどが転倒でケガをする。昨年のパンプローナの祭りでは、スペイン人5人、オーストラリア人2人、アメリカ人1人が角で突かれた。記録をとり始めた1924年以降、全部で15人が角で突かれて亡くなっている。

Easy Reading

Miki Sudo defends hot dog eating title in New York (p. 3)

NYのホットドッグ早食い競争、日本人が2連覇

ニューヨークのコニー・アイランドで有名なネイサンズでの毎年恒例のホットドック早食い競争の女性部門で、前回優勝者の須藤美貴さんが優勝した。

須藤さんは、10分間に38本のホットドックを食べて、2連覇を果たし、賞金1万ドル(123万円)を獲得した。須藤さんは昨年よりも4本多くホットドックを流し込み、ソニア・「ブラック・ウィドウ(クロゴケグモの意)」・トーマスさんを破った。ソニアさんは31本のホットドックを食べた。須藤さんはホットドックをパンと別に食べて、低カロリー飲料のクリスタル・ライトにパンを浸してから飲み込むという戦略をとった。

報道によると、須藤さんはニューヨークで生まれ、4歳から12歳までを日本で暮らしたという。

男性部門では、体重53キロのマット・ストーニーさんが、ジョーイ・「ジョーズ(顎の意)」・チェスナットさんを破り、チェスナットさんの9連覇への挑戦を阻んで、早食い競争の世界に衝撃を与えた。

National News

Suga apologizes for calls to hit Okinawa papers (p. 4)

自民勉強会の報道規制発言、菅長官が沖縄知事に謝罪

菅義偉官房長官は沖縄県の翁長雄志知事に対し、沖縄県の主要2紙が政府の安全保障法案を批判的に報道したことを理由に、その財源をつぶす、または攻撃するよう与党自民党の党員とその仲間たちが呼びかけたことについて、7月4日に東京で行なわれた会談中に謝罪したと、翁長知事が明らかにした

2人は、アメリカ軍の基地を沖縄県内で移設する日米計画をめぐるお互いの違いについて話し合いを続けることにも合意したと、翁長知事は東京での会合の後で話した。

National News

Man admits kidnapping 11-year-old Nara girl (p. 4)

奈良の小6女児監禁で逮捕の26歳男、容疑認める

11歳の学童を監禁したとされる容疑で逮捕された26歳の男は、その女児を誘拐したことを認めたと、奈良県警察は7月6日に発表した。

「車に無理矢理乗せた」と奈良県香芝市の伊藤優容疑者が述べていると警察は引用し、伊藤容疑者が女児を誘拐した7月4日に女児を始めて見たと話しているという。

伊藤容疑者は翌日の夜、警察が大和高田市で伊藤容疑者の車両を発見して逮捕された。

女児は危害を加えられた形跡は見られなかったが、車で発見されたときに疲れていたと、警察は話している。

National News

Man held for burning his house; 4 dead (p. 4)

大分4人死亡火事、放火容疑で父親を逮捕

警察は7月6日、大分県杵築市の自宅に放火したとされる容疑で、40歳の男を逮捕した。火事のあった自宅では、男の子どもたちと見られる4人の遺体が焼け跡から発見された。

末棟憲一郎容疑者は、海上自衛隊員で、放火をしたことを認めていると、捜査員は話している。8人の子どものうち4人は、火事で2階建ての住宅が倒壊した後、7月5日の遅くから行方不明になっている。

末棟容疑者と、その妻、2人の3歳の娘は病院へ運ばれ、ひどいケガはしていない。

National News

Shinkansen to get more cameras after suicide (p. 4)

東海道・山陽新幹線の車内に防犯カメラを増設

鉄道会社2社が7月6日、2人が死亡し、26人がケガをした6月下旬の自殺を受けて、新幹線の車両内に安全カメラを導入すると発表した。

JR東海とJR西日本は、すでに設置されている車両のデッキのカメラに加え、客室内とデッキ通路部をカバーするカメラを増設すると述べている。

JR九州は、同社の新幹線に同様の措置をとることを考えていると、鉄道運営会社の関係者が7月6日に述べた。

World News

FIFA bans former World Cup site inspector (p. 5)

FIFA、捜査対象の幹部を7年の活動停止に

2018年と2022年のワールドカップ開催候補地を調査するようFIFAに選任された幹部が、倫理規定に違反したとして、7月6日、サッカーに関わる活動を7年間禁じられた。

FIFAの倫理委員会は、チリサッカー協会元会長のハロルド・マイネニコルス氏を活動停止にするという決定について、理由を挙げていない。マイネニコルス氏は、この制裁について係争中だ。

倫理委員会は同氏がこの件について公に話すことを禁止したと、マイネニコルス氏は述べた。

ワールドカップ候補地についての報告書で、彼はロシアとカタール―最終的な招致国―はFIFAにとってリスクがあると述べた。

World News

Pope greets hundreds of thousands in Ecuador (p. 5)

フランシスコ法王、南米3ヵ国訪問

7月6日、数十万人もの人々が、フランシスコ法王の南米歴訪における初の大きなミサに合わせ、エクアドルの主要な港町グアヤキル市の公園を埋め尽くした。

初めてのラテンアメリカ系の法王が法王乗用車に乗って到着すると、人々は「フランシスコ!フランシスコ!」と声援を送った。

説教の中で、フランシスコ法王は、家族を社会―「最寄りの病院、若者の初めての学校、高齢者のための家」―の根本として称え、奇跡は愛によって家族の中で日々起きていると話した。

フランシスコ法王は、南米で最も貧しい2国であるボリビアとパラグアイも訪問する予定となっている。

World News

U.S.-led coalition strikes Islamic State in Syria (p. 5)

米軍主導の連合軍、シリアで大規模な空爆を実施

アメリカが主導する連合軍の航空機は、シリアでこれまでに実行された中で最大規模の空爆と連合軍が7月5日に述べた行動の一環として、シリア東部にある「イスラム国(IS)」の拠点ラッカを標的に一連の空爆を放った。

ISは、この攻撃で少なくとも10人が死亡し、他にも多くの人々が負傷したと述べ、活動家たちによると、この攻撃は町に衝撃を与え、住民の間にパニックをもたらした連続的な爆発を引き起こしたと話している。連合軍は、ラッカ地域中で空爆を18回実施したと発表している。

World News

Solar plane lands in Hawaii after 5-day flight (p. 5)

太陽光発電で飛ぶ飛行機、ハワイに到着

太陽光発電の飛行機が、日本から太平洋を渡って5日間の記録的な飛行を経て、7月3日にハワイに到着した。

パイロットのアンドレ・ボルシュベルグさんと彼の一座席の飛行機は、ホノルル郊外にある小さな空港カラエロアに着陸した。名古屋からの118時間近くの飛行は、単独飛行の世界最長記録を更新したと、彼のチームは発表した。

ソーラーインパルス2は、プロペラの動力となり、バッテリーを充電する17,000個のソーラーセルが装備されているため、蓄電された電力で夜間も飛行することができる。

BUSINESS & TECH

Facebook opens South African office (p.6)

フェイスブック、南アに事業所開設

フェイスブックは初のアフリカ事業所を開設した。急速に成長するこの地域で同社の事業を強固にすることを狙った動きの一環だ。世界最大のソーシャル・ネットワーク(フェイスブックのこと)は声明の中で、南アフリカ最大の都市ヨハネスブルクの事業所は、アフリカにすでに1億2000万人ほどいるユーザーをさらに増やすのに役立つだろうと述べた。フェイスブックで北米以外の地域を担当するバイスプレジデント、ニコラ・メンデルソン氏は、同社の広告収入の52%は、アメリカとカナダ以外から来ていると述べた。南アフリカのデジタル・ストラテジスト、トビー・シャプシャク氏は、サハラ以南のアフリカは、アジアに次いで世界で2番目に速く成長しているテレコミュニケーション市場だと述べている。

BUSINESS & TECH

Land prices rise in 10 prefectures in Japan (p.6)

10都道府県で地価上昇

日本の地価は、1月1日までの1年間に、10都道府県で上昇したと、国税庁が7月1日に発表した年次報告書で伝えた。前年の測定では、8都道府県で地価が上昇していた。しかし、全国の地価は前年から平均で0.4%低下し、7年連続での下落となった。この値は、前年の0.7%減と比較すると改善されている。

全国47都道府県のうち、最も地価が上昇したのは宮城県で2.5%、次いで福島県が2.3%だった。どちらも2011年の地震と津波以降、復興活動が進行中の地域だ。東京はその次で2.1%だった。

BUSINESS & TECH

Odd-shaped melons herald Japan summer (p.6)

都内の果実店、ハート型のスイカを販売

日本の消費者は果物に大金を払うことに慣れていて、夏到来の今、財布を空にするまた別な方法ができた。それは、キューブ型とハート型のスイカだ。東京の高級果物店「渋谷西村」では、キューブ型のスイカが12,960円で販売されている。好みではないって? それなら、ハート型やピラミッド型のメロンがリビングのコーヒーテーブルに置かれていたらどうだろう? 「この果物は目を楽しませるもので、味はあまりよくありません」と、同店の専務取締役の西村元孝氏は認めた。「これらは、飾りとして花などと一緒に展示されるものです」

BUSINESS & TECH

Saudi prince vows to donate $32 billion fortune (p.6)

サウジ王子、全財産3.9兆円を寄付へ

サウジアラビアの大富豪、アルワリード・ビン・タラール王子は7月1日、全財産の320億ドル(3兆9000億円)を今後数年間にわたって慈善活動に寄付すると発表した。

そのお金は、アルワリード慈善財団と呼ばれるこのサウジアラビアの王子(アルワリード王子のこと)の組織に移管され、「異文化間の理解」と、貧困地域の支援の分野で役立てられると、60歳のこの王子は声明で述べた。

プログラムには、健康の増進、病気の撲滅、辺境の地域への電力供給、孤児院と学校の建設、「女性の社会的地位の向上」も含まれている。

BUSINESS & TECH

Turkey restricts social media in schools: report (p.6)

トルコ、学校でのソーシャルメディア利用を規制

トルコは、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアに学校生活に関する写真や意見を投稿することを規制すると、地元メディアが7月2日に伝えた。この変更は、教育省によって進められており、7月1日付けの官報に掲載されてから施行されたと、通信社ドーガンは報道した。生徒は、教員の許可なく構内の写真や動画をシェアすることが禁止され、クラスメイトや職員を侮辱することも禁止される。

トルコ議会は、政府がウェブサイトをブロックできるようにすることでインターネットをめぐる規制を強化する法律を4月に可決している。

BUSINESS & TECH

Chinese firm to punish 'unscheduled' pregnancies (p.6)

中国企業、会社の許可のない妊娠を禁じる

ある中国の企業は、従業員に対して妊娠する許可を求めるよう要求し、許可なく妊娠した人から罰金をとることを計画していると報道され、7月3日にメディアで非難の嵐を引き起こした。「1年以上同社で働いている既婚の女性社員しか、出産計画スケジュールへの申請ができない」と、河南省中部の焦作市にある信用組合で配布されている方針に書かれている。「従業員は、出産計画が承認されたら、それを厳守しなければならない」と続く。「計画に違反して職務に影響が出るような妊娠をした者には1000元(2万円)の罰金を科す」と書かれている。

This week's OMG!

China using animals to predict earthquakes (p. 7)

中国政府、動物を使って地震予知

中国政府の研究者たちは、鶏、魚、蛙を使って地震を予知しようとしていると、メディアが報道した。

南京の東部の街にある地震に関する局は、7つの動物飼育場を地震観測所に変えたと、チャイナデイリー紙は伝えている。

飼育場のブリーダーは、1日に2回、動物の行動について最新情報を当局に伝えるよう依頼されていると、報道された。

差し迫った地震を示す可能性のある特異な行動として考えられるものには、鶏が木のてっぺんに飛び乗る、魚が水から飛び出る、蛙が集団で動くなどがあると、同紙は書き添えた。南京では、今年、この計画にあと7カ所の飼育場を募集する予定だという。観測所としての資格を得るためには、施設に3種類以上の種を収容している必要がある。

しかし、動物の飼育にあたる人々の中には、これに関わる気が進まなさそうな人もいるようだ。

「私たちの動物園は、測定所には変えません。動物たちは、来場者にからかわれても特異な行動を示すからです」と、報道は地元の動物園職員の言葉を引用している。

中国は、定期的に地震に襲われ、過去に大災害で何万人も亡くなっている。

Essay

Everyone's a sport (p. 9)

誰でもスポーツマン

シンガポールは、さまざまなことで知られているが、運動での優れた能力はそのなかに入っていない。

しかし最近、6月5日から16日まで開催された第28回東南アジア競技大会が開かれ、私たちの小さな都市国家に素晴らしい瞬間が何度かあった。

シンガポールは、これまでも東南アジア競技大会で最高のパフォーマンスをしてきて、金メダルは84個、銀メダル73個、銅メダル102個を獲得している。メダルの数では、タイの金メダル95個に次いで2番目になった。

シンガポールのスター水泳選手、ジョセフ・スクーリング選手は、記録を破る泳ぎで感動を与えた。大会に9回出場して9個金メダルを獲得し、33年間破られたことのなかった国内記録を含め、あらゆる競技で記録を破った。

こうした輝かしい瞬間は、祝う価値があるが、私と多くの友人が最も鼓舞されたのは、メダルをとらない選手だった。

マラソンのアシュリー・リウ選手は、42キロのレース中に50メートルリードしていた。彼は、競争相手たちが誤ったルートを進んでいることに気付いた。

先頭を突き進むのではなく、リウ選手は、速度を落として、競争相手が追いつくのを待った。地元の新聞「トゥデイ」のインタビューで、彼は「この状況を利用してもいい気分になれる気がしなかった」と語った。

彼は、仲間のソー・ルイ・ヨン選手が以前に似たことをしたのを思い出した。リウ選手は、シンガポールで開かれた2011年のアーミー・ハーフマラソンで転倒し、ソー選手が彼を待っていてくれたのだ。

リウ選手は、「メダルのことばかりがいつも大事とは限らなくて、その間にすることも大事だ」と語った。

メダルはないが、私たちは本当のスポーツマンシップを目にした。

スポーツマンシップを示すのは、選手だけではない。最近あった2018年ワールドカップ予選でのシンガポール対日本戦でのように、ファンや観客にもスポーツマンシップは見られる。衝撃的な結果で、シンガポールは日本に対し、0対0の同点だった。

日本のツイッターの世界では、多くの人々がシンガポールのゴールキーパー、イズワン・マーバッド選手をほめていた。埼玉スタジアムでのにぎやかな群衆からのプレッシャーにも関わらず、彼は全部で18セーブを果たした。

日本のファンたちは、一選手の優れたパフォーマンスを認め、その選手が自分たちの国と敵対してプレーしていたこともお構いなしに、丁重な称賛をして、スポーツマンシップを示した。

スポーツは勝つことだけではない、そうではないだろうか?

記録や勝利、奇跡を祝うのと同じくらい、もしかするとそれ以上に、私たちの心を動かすのは、人間の精神の尊厳だ。それは、国境も、文化的な境界線も越える。というのも、最善を追求するなかで、私たちは同じ高揚感や失望、同じ笑いや涙、同じ夢や希望を味わうからだ。

オリンピックのモットー“Citius, altius, fortius”(もっと速く、高く、強く)が思い浮かぶ。強さとは、確かに身体的な強さだけではなく、精神的な強さと、本当のスポーツマンシップを私たちが認めることにも関わっている。

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