建築家のザハ・ハディド氏の事務所は、新国立競技場の計画を破棄するという安倍晋三首相の決定に反論した。高騰した建設費は野心的なデザインのせいではないと主張している。安倍首相は7月17日、予想される建設費が当初の1300億円から2520億円に急増した後、高まる国民の反発のなかで、プリツカー賞受賞建築家のハディド氏による新スタジアムのデザインを取りやめた。
このプロジェクトを担当している日本スポーツ振興センターは、7月初めにイラク系イギリス人の建築家、ハディド氏の派手なデザインを高くなった建設費の原因として責めた。
しかし、ハディド氏の会社は7月17日、材料費の高騰と固定された完成期日が膨らんだ値段の本当の理由だと主張した。「最近報告されたコストの増加がデザインのせいだというのは事実無根だ。このデザインは、標準的な材料と十分に日本の建設業者の能力範囲内の技術を用いており、日本スポーツ振興センターが設定した予算に見合っている」と、ロンドンを本拠とするこの会社は述べた。「スタジアムの真の課題は、東京での建設費が毎年法外に増加していることと固定された期日を背景に、受け入れられる建設費について合意をすることだ」