ウサイン・ボルト選手は8月23日、不祥事の多いライバル選手のジャスティン・ガトリン選手に100分の1秒という僅差で勝ち、クリーンな陸上競技をかけた闘いとうたわれる大会で、100メートル走の世界タイトルを保持した。
オリンピックで2回金メダルを獲得し、世界記録を保持するボルト選手は、ドーピングによる出場停止処分を2回受けているガトリン選手とのスリリングで重い意味合いを持つ対戦で、シーズン自己ベストの9秒79で走破した。
ガトリン選手は、終盤にかけて伸ばし過ぎてつまづき、9秒80で銀メダルを獲得した — これ以前に、北京国家体育場での準決勝で出した9秒77よりもタイムを落とした。
アメリカのトレイボン・ブロメル選手とカナダのアンドレ・ドグラス選手は、どちらも9秒92のタイムで銅メダルを受賞した。
「それでもベストではなかった。今回もつまづいてしまった」とジャマイカのボルト選手は、スタート直後のぎこちないフットワークに言及して語った。準決勝では同様のミスで危うく脱落しそうになっていた。「私の目標は、引退するまでナンバーワンでいることなので、これからも力を出せるように頑張り続ける」と述べた。
広がるドーピング疑惑が世界選手権に向けたマスコミ報道の話題の中心となるなかで、このジャマイカ人(ボルト選手のこと)と陸上競技界の悪役であるガトリン選手との決着の場を、光対闇という象徴的な闘いと描く人もいた。