トップに立つ日本の世界チャンピオンでオリンピック金メダリストの羽生結弦選手は12月12日、バルセロナで開かれたスケートのグランプリ・ファイナルで、記録的な合計得点330.43ポイントを獲得し、3年連続で男子種目の優勝決定戦に勝った唯一のスケート選手になった。この21歳の人(羽生選手のこと)は、110.95ポイントで記録を作った12月10日のショートプログラムに続き、フリースケートでも非の打ち所のないパフォーマンスを見せ、219.48ポイントを獲得した。
羽生選手がNHK杯で322.40ポイントを記録するより前に、300点を超えたスケート選手はいない。NHK杯は11月後半に長野で開かれたISUグランプリシリーズの最後のイベントだった。
「ほぼ完璧な演技ができて、満足しています」と羽生選手は語った。サルコウ、トゥループ、4回転-3回転のトゥループのコンビネーションとともに3回の4回転ジャンプをすべて決めた。「NHK杯のときは純粋に喜ぶことができましたが、今回はむしろほっとしているといった感じです」。
「力が出せるように努めました。プレッシャーが大きかったですが、目の前のことに集中していたので、いい演技ができました」と羽生選手は付け加えた。
スペインのハビエル・フェルナンデス選手が合計292.95ポイントで2位となり、日本の宇野昌磨選手(17)は276.79ポイントで3位だった。
漢字の「安」(安全や平和を意味する)が2015年の日本の雰囲気を最もよく象徴していると、京都にある漢字を推進する組織が12月15日に発表した。
この漢字は、安倍政権が今年の夏に国会で安全保障法案を押し通し、国中で鳴り響いた主張とそれに反対する声を反映している。それを立法したことについては大規模な抗議があった。
日本漢字検定協会によると、一般の人からの投票を基にこの漢字は選ばれた。今年は129,674票の投票があり、「安」が5,632票でトップだったという。
その結果が発表された京都の清水寺で、森清範住職はこの勝ち抜いた漢字(安のこと)を大きな書道の筆で高さ1.5メートル、幅1.3メートルの紙に書いた。
2位の漢字は「爆」(爆発的な)、3位は戦(戦争)だった。
全員女性から成る北朝鮮のバンドは、夕方に初の国外公演をするはずだった12月12日に北京を突然発ち、平壌へと戻った。
モランボン楽団と朝鮮人民軍功勲国家合唱団による12月12日から14日に予定されていたコンサートは、昔からの同盟国である2国間の関係が温まってきた兆候として広く見られていた。
正午頃にホテルを出たモランボン楽団のメンバーは、北京国際空港から平壌へ出発した。理由は不明だ。
モランボン楽団は20人ほどのメンバーで構成されており、北朝鮮で流行している。歌手と演奏者たちはときどき、膝よりかなり上のスカートを履くことがあり、演奏は北朝鮮の水準では現代的で誘惑的だと考えられている。そのメンバーは金正恩第1書記によって選ばれた。
日本スポーツ振興センターは12月14日、2020年東京オリンピックのスタジアムについて、緑の多い代々木エリアによりよく調和し、1550億円の予算内に収まる新しいデザイン2案を発表した。
センターのウェブサイト上の技術的な提案について、「どちらのデザインも建設資材に木を使っていて、おもしろい特徴だと思う」と、建築家で評論家の森山高至氏は述べた。
日本のメディアは、シンプルにA案、B案と呼ばれるそれらのデザインが日本のジョイントベンチャー企業によって作られたと報道した。
先月、東京の靖国神社で起こった爆発事件に関連して逮捕された韓国人は、ソウルの空港を出発したとき、所持品に火薬は持っていなかったと、12月11日に空港当局の言葉を引用して報道された。
この新事実は、日本の操作筋が12月9日に、火薬と思われる物が容疑者の全昶漢容疑者(27)の荷物の中から見つかったと主張した後で、発覚した。黒い粉が入った袋が空港で調べられたが、火薬の成分は見つからなかったと、その報道は述べている。
京都で2013年12月に起こったレストランチェーン「餃子の王将」の社長殺人事件について調べている捜査員らは、現場に残された遺留品から検出されたDNAが九州を本拠地とする暴力団組員の男のものであることを発見したと、12月12日に操作筋は述べた。
しかし、捜査員らは、京都の山科区にある本社前の駐車場で射殺された王将フードサービスの大東隆行社長とその暴力団員との関係をまだ確認していないと、操作筋は述べた。
奥原希望選手と桃田賢斗選手は12月13日、世界バドミントン連盟(BWF)スーパーシリーズマスターズファイナルで、それぞれ女子種目と男子種目で優勝し、このトーナメント史上初めてシングルスで優勝した日本人になった。
奥原選手(20)は今年のスタート時には25位でしかなかったが、調子よく試合を進め、準決勝で世界ナンバーワンの選手を破り、決勝戦で世界8位の選手と対戦し、ストレート勝ちした。
「本当にとてもうれしいです」と奥原選手は語った。
世界5位だった桃田選手(21)は、世界6位のデンマークのビクター・アクセルセン選手をストレートで破った。
パリで開かれた気候変動に関する世界サミットは12月12日に画期的な協定をまとめ、地球温暖化を食い止めるために、世界の化石燃料中心の経済を数十年内に歴史的に変容させる道程を設定した。
どのように前進するかをめぐる長年の口論の後、この協定はついに共通のビジョンと行動指針を設けた。これは、世界の気温上昇を2℃よりもかなり下に抑制するための野心的な目標を設定した。2℃というのは、科学者らが危険な転換点になりうると恐れている指標だ。これまで、そのラインは2℃でしかなかった。
マリーヌ・ル・ペン氏の極右政党国民戦線は、フランスの地方選挙で12月13日に敗れ、1回目の投票では躍進したものの、1つの地域圏も獲得することができなかった。
国民戦線が、リードしていた6地域圏中1つも獲得できなかったが、その失敗はこの反移民の政党が2017年の大統領選挙を狙うことを阻むものではない―大統領選はル・ペン氏の最終目標だ。
ル・ペン氏は、過激派の攻撃と、ヨーロッパへの前例のない移民の波が有権者の恐怖をかき立てた後、人気になった。
ニュージーランドの国民らは、新しい国旗となる可能性のあるデザインを選んだが、次の問題は、現在の国旗をやめるほど十分な国民がそれを支持するかどうかだ。
郵便投票で、ニュージーランド人たちは新しい国旗の候補として、5種類の国旗のデザインから選んだ。12月15日に発表された、選ばれたデザインは、同国の象徴的なシルバー・ファーン(ニュージーランド原産の大型木生シダのこと)と南十字星の四つ星が黒と青の背景に背景に描かれている。
3月に、この新しいデザインか、ユニオンジャック(英国国旗)を含む現在の国旗のどちらを望むかについて、ニュージーランド人は投票する予定となっている。
国家安全保障の懸念によって形を新たにした大統領選で、共和党の最有力候補者であるロナルド・トランプ氏は12月15日、イスラム国グループと闘い米国人の安全を守るための自分の計画を議論しているときに、イスラム教徒の米国への入国を禁止するという挑発的な呼び掛けを擁護した。
この討論は、パリとカリフォルニアでの攻撃を受けて米国でのテロの恐怖を強調して以来、共和党候補による初めてのものだった。その攻撃は、イスラム国グループを打倒するためのバラク・オバマ大統領のキャンペーンに関する政治論争に火を付けた。
12月8日に発表された米国の研究によると、若い研修医の3分の1近くがうつ病に苦しんでおり、この現象は医療に悪影響を及ぼす可能性があると本研究は警告した。米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された分析では、研修中の医師17,000人以上が対象となり、1963年までさかのぼった。住み込みの医者の間でのうつ病やうつ病の症状のまん延に関する情報を含む過去に発表された研究を調査することにより、うつ病やうつ病の症状の全体的なまん述率は29%、つまり研究対象となった17,560人のうちの5,000人近くに上ることを研究者らは発見した。
藻が作り出す毒素はカリフォルニア沖に生息するアシカの脳の障害や行動の変化を引き起こし、これはアシカが海を移動し野生の状態で生き残る能力を損なう可能性があると、米国の科学者らは12月14日に発表した。カリフォルニア沖に生息する30匹のアシカの脳をスキャンしたところ、ドーモイ酸として知られる毒素に自然と曝されている動物(アシカのこと)において、記憶や空間移動に関連する脳機構である海馬への損傷が見られた。ドーモイ酸は、脳内の神経インパルスを伝える化学物質であるグルタミン酸塩を模倣し、海馬の神経細胞の過活動や慢性てんかんを引き起こす。
不機嫌な女性たちに朗報がある。幸せにしていても、どれだけ長く生きるかには影響を及ぼさないようだ。これは、幸せな人が長く生きるかどうかを解明するための最近の試みの結果である。それまでの研究は、幸せと寿命を関連づけていたが、研究者らは現在、そうした科学的関連性はないと述べる。この研究結果は、1990年代後半に国全体の乳がん検査プログラムに参加した50〜69歳の英国人女性715,000人以上によるアンケートを基にしている。不幸せな女性の死亡率は、幸せな女性の死亡率と同じだということを科学者らは発見した。この研究結果は、医療雑誌『ランセット』のオンライン版で12月9日に発表された。
12月8日にスウェーデンのカロリンスカ研究所によって発表された新たな研究によると、ホルモンバランスの乱れた母親から生まれた子どもは、自閉症を発症するリスクがはるかに高いという。医学誌「モレキュラー・サイキアトリー」に掲載された研究結果は、多のう胞性卵巣症群(PCOS)と呼ばれるホルモンバランス異常と、子どもの自閉症スペクトラム障害(ASD)との関連を示している。ASDは、幅広い子どもの神経発達障害を意味する。「母親がPCOSだと診断されていると、その子どもがASDを発症するリスクが59%高まることを我々は発見した」と、カロリンスカ研究所の公衆衛生研究部門を率いる研究者、キリアキ・コシドー氏は述べた。
政治家は生涯の夢である大統領や首相になることを実現する可能性があるが、そうなった場合、予想よりも早く死神に出会うかもしれない。そう示唆するのは、英国の医学雑誌、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)。ハーバード大学医学部の准教授、アヌパム・ジェナ氏が率いる研究者チームは、1722年から2015年にかけて国民に選出された279人の首脳の没年齢を調査した。これが、首脳になれなかった選挙での2位の候補者261人と比較された。最後の選挙時の平均余命を調整した後の数字で、選ばれた首脳は選ばれなかった政敵に比べて寿命が2.7年短かった。
共和党の米大統領候補ドナルド・トランプ氏は健康状態がよく、アルコールを飲んだりタバコを吸ったりしたことがなく、2016年に当選すれば間違いなく「かつて大統領に選ばれた中で最も健康な人物」になるだろうと、12月14日に主治医が発表した。「トランプ氏は最近、総合的な健康診断を受け、良い結果ばかり示された」と、1980年からトランプ氏を診察しているハロルド・ボーンスタイン医師は述べた。「実に、彼の血圧は上が110、下が65で、検査室での結果も驚くほど優れていた」。今月、この69歳の不動産業の大物(トランプ氏のこと)は、自分の検査結果は「完璧」だと示されるだろうと予想しており、診断結果はその通りだった。
シベリアトラのための生きた獲物としてロシアのサファリパークに入れられたヤギは、代わりにこの大きな猫(シベリアトラのこと)を友達にし、二匹は切っても切れない仲となり、この話はロシア人をとりこにした。
トラの「アムール」とヤギの「チムール」は現在、プリモルスキーサファリパークの同じ囲い地の中で寝ている。二匹は、一緒に食べたり雪の中で遊んだりし、遊びでお互いに頭突きをすることすらある。
この類稀な友情物語は、ロシア人の心に触れ、同サファリパークはこの二匹についての定期的な最新情報を発表し、その囲い地にウェブカメラを設置することを計画している。
過去3年間にわたって週に2回、捕獲して食べるために生きた動物を与えられていたアムールは、先月、雄のヤギが囲い地に入ったとき、そのヤギは全く恐怖を示さなかったのでヤギに触れなかったと、サファリパークのスタッフは述べる。
サファリーパークのドミトリー・メゼンツェフ園長は、この珍しい男同士の友情について、奇跡にほかならないと言い表した。
チムールは現在、かつてアムールが寝ていたシェルターの中で寝ている。アムールは現在、「ヤギに敬意を表して」生きたウサギを昼食に与えられていると、メゼンツェフ園長は話した。
年末が近づくと、数について考えずにはいられない。人によっては、これはどれくらい体重が増えたか、減ったか、いくら稼いだか、何人の新しい友人に会ったかなどかもしれない。でも私にとっては、考えている数字は年のことだ。来年で私が日本で初めて仕事をするようになってから12年になり、私がまさに初めて来日してからは18年になる。今年は、かなり特別な友人たちグループと私の友情の10周年「フレンドニバーサリー」(友だちの記念日)記念でもあった。
多くの人々が私の日本での経験を明るいものにしてくれた。まず、私には、忍耐強く、関大で、陽気な感謝すべきホストファミリーがいる。彼らは教科書で読んだような典型的なタイプではなかった。料理が大好きなホストファザーがいた。また、夫を煩わせたり、夫に煩わされたりすることなくパーティーを開けるようにするためだけに別のアパートを購入している60代のホストマザーがいた。ホストグランドマザーが企業の最高経営責任者であるホストファミリーもいた。
それから、初めて勤めた日本の会社で出会った日本人の同僚がいる。私たちの部署は専用の部屋があったので、私の恥ずかしい日本語の誤りを目撃したのは私の直接のチームメンバーだけだった。このことにこれからもずっと感謝するだろう。内線の電話で私があまりにも丁寧過ぎるときや、外線や重要な顧客にあまりにもカジュアル過ぎるときでさえ、彼らはとても面倒見が良かった。彼らは社内の政治が分かるように私に説明してくれたし、一緒に過ごすのもとても楽しかった。
私が一緒に働いたり、雇ってくれていたりしたそのほかの人々も忘れることはできない。自分で事業を持っている人たちから、教師やライター、ボランティアなどに至るまで、誰もが本当に影響を与えてくれた。そしてもちろん、10年前からの付き合いの友だちもいる。ハロウィンの夜にゲイバーの外でできた友情のいくつが長い年月が経っても続くかどうかは定かではないが、私たちのものは長い間続いている。きっと暮らしは、こうした人々の誰が欠けても同じにはならなかっただろう。
今年、ある友人が転勤で数ヵ月アメリカで過ごした後で、日本に戻る準備をしている。彼女はどこかから戻るときに、余分なものは何も買っていないのにスーツケースが重くなる現象を呪った。彼女への私の返事は「思い出、重いでー」(思い出ってものは重くなるのよ)だった。
思い出は―いいものも悪いものも―私たちがどこへ行くにも持ち歩くものだ。悪いものしかないと足を引っ張られているように思う人もいる。しかし、私には重荷になるというよりも、小さいながら重大な友人たち、同僚、ホストファミリーのグループとの思い出すべてのことを考えると、来年をむしろ軽い気持ちで迎えられる。