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2016年1月15日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Do you have the iHunch? (p. 9)

iHunchを持っていますか?

iPhoneとiPadが何かはご存じだろう。iHunchは聞いたことがあるだろうか?

私たちがスマートフォンを使っているときに身体を歪めていることを指すために、ニュージーランドの理学療法士スティーブ・オーガスト氏がこの言葉を作った。社会心理学者で作家のアミー・カディ氏が書いた『ニューヨーク・タイムズ』の記事によると、それを指す他の言葉として、"text neck"(メール首)、"iPosture"(postureは姿勢の意)などがあるという。

あなたの姿勢を考えてみよう。あるいは、次に携帯電話を使うときに鏡を見て、頭や首にどんな感じがするか注意を払ってみよう。圧迫感や痛みを感じるだろうか?

同じ記事によると、頭の重さは約4.5〜5.4キロだという。携帯電話を使っているとき、私たちの首はたいてい、約60度の角度で前に傾いている。このため、私たちの首にかかる圧力は驚くべきことに27キロにもなる。

iHunchの悪影響は、物理的なものだけではない。カディ氏は、自身のものを含め、姿勢の悪さがどれだけ自尊心や記憶力、気分、行動に影響を与えるかを示すさまざまな調査研究に言及している。一般的に、猫背になると、私たちは言動や思考、行動においてより否定的になる。

特定のある研究では、Shwetha Nair氏の研究チームが参加者の2グループの間でのインタビューへの反応を比較した。1つのグループはまっすぐに座っていた。もう1つのグループは猫背だった。彼らは、猫背の人は自尊心が低く、恐れが大きいことを発見した。また、言動においても否定的な傾向が強いことが分かった。そのため、まっすぐに座ることは「ストレスへの抵抗をつける行動上の簡単な戦略となるかもしれない」と彼らは示唆している。

カディ氏の記事は私にとても深い印象を残したので、私は姿勢と、携帯電話を使う習慣について注意するようになった。残念ながら、携帯電話が仕事でもプライベートでもあまりに重要な道具になってしまっていて、携帯電話の使用を減らすことはできなかった。毎日、携帯電話でEメールを確認し、ショートメールを送り、ニュースを読む。フェイスブックやインスタグラムなどのソーシャルメディアを使うためにも携帯電話を使っている。どちらも会いに行けない友人たちと連絡を取り合うのに役立っている。

一方、iHunchへの認識が高まったことで、私の姿勢は良くなった。だから、以前と変わらずたくさん携帯電話を今でも使っているが、背筋を伸ばして座り、スクリーンを見るときでも頭をまっすぐにしておくようになった。初めは普通だという感じがちょっとしなかったが、慣れてきて、今では携帯電話を目の高さに持ってくることはほとんど自然な感じがしてきた。一日を通して、定期的にストレッチをしたり、肩をマッサージしたりするようにもしている。

次に携帯電話を使うときには、あなたも背筋を伸ばして座ってみてください。あなたも違いを感じることができたら、友人や家族にiHunchを戦うために、同じようにすることを勧めてみましょう。

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