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2016年2月5日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

The power of compliments (p. 9)

褒め言葉の力

冷たく、厳しいこの世の中で、明るい気持ちでいるのは簡単ではない。自分の見た目や振る舞いを誰かに批判されると傷つく。厳しい言葉や否定的なコメントは、落ち込みや、自尊心の損失につながり得る。この世界をもっとハッピーな場所にするためには、私たちは何ができるだろうか?

人々の暮らしに陽の光をもたらす1つの方法は、褒め言葉だ。褒め言葉は、称賛や感嘆を表現する言葉だ。人を褒めることは、私たちが相手のことを考えていること、敬意を持っていること、幸せを願っていることを示す。

人をどうやって褒めようか? 簡単だ! まず、目を開いて、見渡して、他者を意識する。同僚が素敵なネクタイをしている? クラスメートが髪を切ってきた? 友人がいいハンドバックを買った? 人の見た目や、何をしているか、どんなふうに行動しているかに気づくようにしてみよう。

次に、自分の気持ちを言葉にしよう。もし、誰かが格好良く見えたら、そう言おう。もし、何かが上手だったら、それを伝えよう。本物の褒め言葉は、他人を操るための浅はかなお世辞とは違って、心から出てくるものだ。

誰かを褒める最も一般的な方法は、外見を褒めること(「そのヘアスタイル、いいね!」)、持ち物にコメントすること(「あなたのハンドバック、素敵だね」)、スキルを褒めること(「英語を話すのが本当に上手だね」)だ。相手は顔を赤らめるかもしれないが、心の中ではうれしく思っている。みんな褒められるのが好きなんだ!

人を褒められるようになることは、重要なスキルの1つだ。優雅に褒め言葉を受け止めることはまた別だ。誰かがあなたを褒めたら、あなたはどうすべきだろうか? いくつか、反応の仕方がある。

もし誰かが、「あなたの靴、いいね」と言ったら、「ありがとう!」と言おう。もし「素敵なペンだね」と言ったら、「そう思う?」と返事をしよう。「サッカーがすごく上手だね!」と言ったら、「そんなふうに言ってくれるなんていい人だね」と伝えよう。

アメリカのユーモア作家アート・バックウォルドが書いた"Love and the Cabbie"という褒め言葉に関する有名な物語がある。このお話は、気難しい隣人と、無礼な市民で有名な都市、ニューヨークを舞台にしている。ある男が、1日に10人の違う人を褒めることで、このマイナスな面と戦おうと決めた。彼はタクシーに乗るたびに、運転手を褒める(「運転がすごくうまいね!」)。工事現場を通りかかるたびに、建設作業員を褒める(「素晴らしい仕事をしているね!」)。毎日褒め言葉を伝えることで、彼は人をハッピーにして、士気を高め、ホームタウンをもっといい場所にしようと試みた。

授業で、私の学生たちと私は、この物語を勉強している。学生たちに特別な宿題を出している:「私たちの市で3人の人を褒めて、何が起こったか、レポートを書いてください」。翌週、学生たちは友人や家族、バスの運転手、ウェーター、警察官、駅職員を褒めるのに忙しい。1週間という短い期間、私たちの町はとてもハッピーな場所になった!

褒め言葉にはお金がかからず、与えるのが簡単だ。人々の表情に笑顔をもたらし、他者の暮らしを明るくする。だから、恥ずかしがらないで。今日、誰かを褒めてみよう!

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