英語にはカラーコードがあり、あなたが"mood is black"(直訳:(あなたの)雰囲気が黒い→憂うつである)であるとき、あなたは"feeling blue"(直訳:青色の感じがする→憂うつである)でもある。このカラーコードによれば、あなたは"white with rage"(直訳:怒って白くなる→怒りで蒼白な)になるとき、同時に"see red"(直訳:赤を見る→激怒する)になることもできる。
英語には、色が何らかの意味を持つ(色を使った)日常的な表現が何十とある。異なる色が同じ感情に使われたり、同じ色が異なるものを意味したりするので、言語を学ぶ学生には紛らわしいに違いない。
ブルース音楽は、アップビードにも楽しいものにもなりうるが、ミュージシャンが"playing the blues"(直訳:ブルースを演奏している)と言うと、たいていは何らかの不運や喪失を嘆くということを意味する。クラッシックブルースには、投獄されることや、戦地に送られること、妻や収穫、人生すべてを失うことについて歌った曲が何百とある。
青という色を悲しみや憂うつと関連付けるのは、少なくとも、14世紀までさかのぼる。それは当時、イギリス人詩人ジェフリー・チョーサーによって使われている。余談だが、語学の学生は、チョーサーを読むのはやめておいた方がいい。彼は中英語で書いているから。ネイティブ・スピーカーでも、チョーサーを理解しようとすると、極めて不安な状態という意味の"in a blue funk"(ビクビクする)になるだろう。
シェイクスピアはその後に登場し、少し理解しやすくなっている。そして、私たちが嫉妬のことを"green-eyed monster"(緑の目をした怪物)と表現しているのに出くわすのは、シェイクスピアの作品だ。現代の英語でよく使われる表現は、誰かを"green with envy"(妬んでいる)と描写する。嫉妬と羨望は、よく混同されるが、同じものではない。何かを失うことを恐れているときに嫉妬をし、誰かが持っているものをむやみに欲しがるときに羨ましく思う。幼い少年は、母親が別の子どもに注意を向けているときに嫉妬をする。あなたは隣人のかっこいい新車のスポーツカーを羨ましく思う。
緑という色は、若さや経験のなさも連想させる。例えば、「大学の卒業生はその役にはやや"green"(緑=未熟)だ」と言ったりする。しかし、不健康も連想させる。特に顔色の悪さだ。例えば、「彼はちょっと"green about the gills"(顔色が悪い、吐きそうだ)」のように。あなたが"in the pink"(とても元気で)なときは、健康が優れている。
紛らわしいことに、体調の悪い人々は、grey(灰色)またはyellow(黄色)になったとも言われる。しかし、黄色は臆病さも連想させるし、灰色は経験と知恵も連想させる。
"grey area"(直訳:灰色のエリア)は、不確かなこと、曖昧なことで、「多国籍企業による租税回避は広く法的にはっきりしない部分だ」のように使う。しかし、何かが"black and white"(黒と白)であるとき、それははっきりと理解できるという意味である。
英語のカラーコードを理解するのは実に難しいかもしれないが、絶望しないでほしい。"silver lining"(直訳:銀の線=明るい兆し)は、あなたがgreen(未熟)でなくなれば何事も白黒はっきりするということだ。