いわゆる「善玉」コレステロールが実は、一部の人には心臓疾患リスクを高める可能性があると、研究者らが3月10日に発表した。HDLコレステロールは通常、動脈の血流を妨げる悪玉のLDLコレステロールの作用を抑えるため、一般的には心臓疾患のリスクを下げるとされている。しかし、一部に、まれな遺伝子変異がHDL値を高めている人々がおり、このグループの人々は、逆に心臓疾患のリスクが高いと、科学者らは、『サイエンス』誌で報告した。「我々の研究結果は、HDL値の上昇が実際には心臓疾患のリスクを高めることにつながる場合もあることを示している」と、研究を率いたペンシルベニア大学のダニエル・レイダー氏は語った。