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2016年5月13日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Like a fish out of water (p. 9)

水から出た魚のように

東京で暮らした31年間を含めて、アメリカを離れて40年が経った後、妻と私はアメリカに戻って生活している―そして、私たちは2人とも少し逆カルチャーショックを受けている。私はマイアミの近くで育ち、今は北西部のワシントン州に引っ越した。フロリダにあるホームタウンからは4,400キロほど離れている。

東京の大都会から小さな町への引っ越しは、私たちが味わっているまた別の逆カルチャーショックだ。野生のシカが家の周りを歩いていたり、今日は近くの木々に鳥たちの種類を特定したりしていて、妻は「私たちはここで何をしているのだろう?」と言った。

逆カルチャーショックについての読み物には、退屈と逆ホームシックが主に注意するべきことのうちの2つだと書かれていた。逆ホームシックは、ある。ここに来て2ヵ月後、妻は「東京に帰りたい!」と言った。退屈さは、ない。毎週、次から次へと、塗装工や大工、引っ越しのトラック、配達のトラック、ケーブルテレビとインターネットの設置業者、屋根のコケと雨どいの清掃業者がやってくる。

大型の事務用品店で、会計をしてデビットカードで支払いをしていると、スクリーンに「キャッシュバック」がオプションとして掲示されていて、20ドル(2200円)、30ドル(3300円)、50ドル(5600円)を書かれていた。レジの人に、いくら払い戻しがもらえるのかを尋ねた。レジの人は、「欲しいだけ」と答えた。素晴らしい、と私たちは思った。無料でお金がもらえる! 私たちは最大金額の50ドルを選んだが、レジの人は、その金額を私たちに与えて、合計に50ドルを加えただけだった。「え?」と私たちは言ったが、レジの人は、それは単に、手持ちの現金が欲しい場合のものだと言った。私たちには初めてのことだった!

私たちが出会ったこのレジの人のように、ここでは、知らない人たちがよく会話を始める。「ごきげんいかが? 必要なものはすべて見つかりましたか?」 もし、「そんなに悪くないですよ」と答えたとしたら、それは正しくない。「うまくいっていますよ、あなたは?」と言うべきなのだ。

クレジット歴をつけることがどれほど重要かも知った。私たちは家を現金で買ったという事実は、実は良いことではなかった。これは、クレジット歴がないということになり、そのため、私たちは車を借りることができなかった。結局、中古の車を買うことになり、車の販売店では、信用格付けを開始させるところから、支払いの設定を手伝ってくれた。

日本では、自動販売機やコンビニエンスストアで、ICカードを使って買い物をする。速くて簡単だ! アメリカでは、精算の列でわれわれの前にいる人が手で小切手を書き、サインをして、レジ係に手渡すのを辛抱強く待たなければならないこともある。

逆カルチャーショックについて書かれたインターネット上のウェブサイトでは、予期せぬことや想定外のことを予想することについて語られている。数字のボタンを押すと延々と続くメニューにつながれる、約30分間の電話はどうだろう:「お客様のお電話を尊重しており、品質管理とトレーニングの目的でお電話を録音させていただくことがあり…」、ああ、帰りたい!!!

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