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2016年5月20日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

Safety first? (p. 9)

安全第一?

シンガポールを歩くことは、ストレスが多く、危険になってきた。

うちの静かな近隣を夜にのんびり散歩していると、よく、自転車に乗っている人が猛スピードで走り過ぎるときに大きなベルの音を立てて、あるいは、もっと悪いのは、ベルを鳴らすこともなく猛スピードで走り去って妨げられる。もっと速い電気自転車に乗っている人もいる。シンガポールでは、歩道を自転車で走行することは違反だというのに、これはよくあることだ。

自転車に乗る人たちは、車と同じ通路も使っていて、私は何度も、自転車が交通ルールなどほとんどおかまいなしに、歩道から道路へ、またはその逆へも、自由に行き来する際の危険な場面を目撃している。

共有スペースがどのくらい安全に共有できるのかを調べるために、政府は昨年、委員会を組織した。最近、その委員会は、自転車とその他の移動装置が歩道での走行を許可されるよう推奨した。また、交差点で自転車を降りて押して渡る必要性をなくすことも勧めた。理由は、現行のルールに従う人はほとんどおらず、「交差点があるたびに自転車を降りるのは実際的でない」からだという。

ルールを守る人が少ないことは、まともなルールをなくす説得力のある理由にはほとんどならない。施行の厳格化の方が意味があるのでは? 自転車が一時停止もせずに歩道から交差点へと疾走し、自転車までの距離を確認する時間がない、あるいは、近づいてくる自転車を見る時間がない運転手を驚かせるとき、どれだけ危ないかを目にしてきた。私もよく自転車に乗るので、道路を横断する前に自転車を降りることは、完全に理にかなっていて実行できることだと分かる。そうしない方がよい理由などない。

委員会は、自転車に対して歩道では時速15キロ、共有通路では時速25キロの速度制限を設けることなど、他の助言も思いついている。よい考えに聞こえるが、どのように施行されるものか、私は懐疑的だ。自転車は登録がなく、速度計がついているものはほとんどない。ライトがついていないものさえあり、夜はさらに危なくなる。

委員会は、機械に乗っている人々が常に歩行者に道を譲らなければならない、などといった行動規範を提案した。ここでも、施行について疑問が残る。特に、罪なき命が関わっている場合には、国民に対する教育だけでは、不十分で無力だ。

残念ながら、政府は委員会の提案をすべて受け入れ、ほとんどの変更が今年中に実施されるだろう。私は自転車が車や公共の交通機関に代わる環境にやさしい代替手段として推進される必要性を理解している。しかし、個人の安全が損なわれるべきだろうか?

それでも、私は永遠の楽観主義者で、ルールが変えられるという望み、特に、多くの人々がメディアを通じて建設的なフィードバックをするという望みを諦めずにいる。一方で、私は自転車に乗り、長い散歩をし続けるが、いつもよりもさらに注意深くなるだろう。

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