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2016年6月10日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

The Beatles in Japan (p. 9)

来日したビートルズ

今年は音楽史上で大事な日を迎える ― 1966年のビートルズの日本公演ツアーから50周年だ。ビートルズのことは誰もが知っている。ビートルズは、1960年代の音楽シーンに突然現れ、時代をとりこにし、文化的な革命を起こしたイギリスのバンドだ。そのグループは、4人の若い男性 ― ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ ― で構成されていた。彼らは労働者階級の都市リバプールで独特の音楽をつくり、世界中のファンへその音楽を届けた。

1964年の『エド・サリヴァン・ショー』でのビートルズのアメリカデビューを私は今でも覚えている。私は当時11歳だった。家族は、皆がうわさしているこの新しいバンドを見ようとテレビの前に集まった。彼らは突如現れた:変わった訛りで話し、髪が長く、エレキギターを抱え、素晴らしい音楽を奏でた。兄弟姉妹と私はすぐに夢中になった。

そうではなかったのは父だ! 父は一目見るなり、邪悪なロックンロールを歌うこの長い髪をした歌手たちは、彼の無垢な幼い子どもたちにとって危険な存在だと直感的に察知した。父は即座にテレビを消してしまった! もちろん、すでに遅過ぎた。親の世代がビートルズを認めないことは、ますますその魅力を高めるだけだった。

ビートルズの熱狂的なファンが日本に登場したのは1966年6月29日のことで、その日、ビートルズは3日間の慌ただしいツアーで東京にやってきた。当局はファンのヒステリーを制御するために厳しい対策をとっていた。35,000人という驚くほどの数の警察が集められ、そのうち、ビートルズの初コンサートのドアには3,000人が警備に配備された。

ビートルズのデビューは、東京の武道館だった。武道館は日本の伝統的な武道の精神的な故郷である。この聖なる場所で西洋のポップ音楽のコンサートを開くことを許可した決定は、ナショナリストからの怒りの抗議を引き起こし、殺すという脅迫や、「ビートルズは帰れ!」という雄叫びもあった。複数の学校が、コンサートに行ったら退学にすると生徒を脅した。しかし、それは無駄なことだった。

何万人もの日本人のファンが、ほとんどは10代の女性だったが、ビートルズを一目見ようとコンサートに群がった。日本中の10代の男性たちはギターを手にし、髪を伸ばし、自分たちのロックバンドを始めるようになった。日本はそれ以前とは違うものになった。

どの世代も、独自のスラングや音楽、ファッションをつくろうと懸命になる。1960年代に年頃になった私たちに、ビートルズは残りの人生で流れるサウンドトラックを提供してくれた。彼らの音楽、スタイル、若者だけが理解できる言葉で世界中の10代の若者に語りかける熱意には、しびれるようなものがあった。

振り返ると、両親が私たちに警告した「危険な」ビートルズの音楽が今ではこれほど職場やエレベーター、ショッピングモールのBGMとして使われているというのは皮肉なことだ。ビートルズが初めて歌った無垢なテーマ ― 愛、キス、手を取り合うこと ― が、どうやって反道徳的なことに対するパニックにつながったかを理解するのは難しい。

ビートルズは今でも今日的な意味を持つだろうか? 彼らの音楽は今でも価値があるだろうか? 若者はビートルズの音楽を聞くべきだろうか? これらの問いに私が与えられる唯一の答えはこれだ:“Yeah! Yeah! Yeah!”(ビートルズの曲She Loves Youの一節。Yeahはyesの略式で「そうだ」の意)。

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