「ST」は紙名を新たに「Alpha」として2018年6月29日より新創刊しました。 Alpha以降の全訳はこちら
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記事全訳

2016年10月7日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Top News

Clinton, Trump clash over defense of allies in 1st presidential debate (p. 1)

米大統領選、討論会で初の直接対決

民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏は9月26日、アメリカの同盟国の防衛について意見をぶつけ合い、クリントン氏は条約義務に基づいて同盟国を支援することを確約したが、トランプ氏は彼が大統領になったら駐留米軍の経費を同盟国がもっと負担しない限り、そうはしないかもしれないと述べた。

「日本や韓国などにいる同胞たちに、防衛に関する相互の条約があり、それを尊重することを改めて保証したい」とクリントン氏は11月8日の選挙へ向けた初の討論会で語った。

トランプ氏が日本と韓国、ドイツ、サウジアラビアなどの国々が「資金を十分に払っていない。…我々はとてつもなく貢献しているが、大金を失っているのだから、彼らは我々に支払いをするべきだ」と述べた後でクリントン氏は、発言した。

トランプ氏は、「公正な対価」と彼が見なすものを日本などの同盟国が支払わない限り、アメリカは同盟国を防衛することはできないという見解を繰り返した。「私が言ったのは、同盟国は自分で自分を守らなければならないかもしれない、そうでなければ我々を助けなければならないということだけだ」とトランプ氏は言った。「我々は世界の警察官にはなれないのだ」。

ニューヨーク州ヘンプステッドのホフストラ大学で行なわれ、全国で放映された90分に及ぶ討論会での議題は、「アメリカの方向性」、「繁栄の達成」、「アメリカの安全保障」だった。

Easy Reading

Paris tackles air pollution with second car-free day (p. 3)

パリで道路の半数を歩行者天国に

アンヌ・イダルゴ市長の大気汚染対策の一環として、パリの通りと大通りの半数が9月25日に歩行者天国になり、家族連れや観光客はエッフェル塔やシャンゼリゼ通りなどの名所付近の道路を歩き回れるようになった。

車の通行禁止は昨年よりも市内の広い範囲に適用され、フランスの首都(パリのこと)の道路を650キロ以上通行禁止にし、セーヌ川の川岸でスケートやピクニックなどの催しを提供した。

この社会党の市長(イダルゴ市長のこと)にとって、その目的は依然として、パリが車なしで運営できることを示すことだ。

市議会は昨年、10年以内をめどに、2011年以前に製造されたディーゼル車を段階的に禁止とすることを決定している。

7月1日から、1997年以前に製造された車は市内での走行が日中のほとんどの時間帯で禁止されており、1999年6月以前に製造されたバイクも同じように禁止されている。

Easy Reading

Dogs take to the waves for annual surfing competition (p. 3)

毎年恒例の犬のサーフィン大会、米加州で開催

60匹以上の犬が猫を休ませ(猫を追いかけないという意味)、ロサンゼルス近くのハンティントンビーチで行なわれた第8回「サーフシティー・サーフドッグ」で代わりに波を追いかけた。

犬たちとその飼い主は9月25日、フロリダ州やオーストラリア、ブラジルなどの遠方からカリフォルニアで競争するために集まり、2000人以上の見物客らは、ペットが救命胴衣を着て普段よりも高い波の中、サーフボードから落ちないように頑張る様子を眺めた。

犬たちは単独または飼い主とコンビで競技に参加し、ボードに乗る長さやボード上での自信、波に乗る全体的な能力など、さまざまなスキルに基づいて審査された。

犬単独の「シュレッダー部門」の勝者は、ブラジルのイヴァン・モレイラさんに飼われているラブラドールのボノだった。

年に一度のこのイベントは、動物救助団体の資金集めとして行なわれている。

National News

Monju fast-breeder reactor to be scrapped (p. 4)

高速増殖炉「もんじゅ」、廃炉を含め見直しへ

9月21日の閣議後、政府は福井県にある高速増殖炉もんじゅの1兆円の損失を削減することをほぼ決定し、事故や隠ぺい、廃棄物が長年にわたって生じてきたこのプロジェクトから撤退する。

同じ会議で、政府は今年末までに「高速炉の実証炉」を開発する工程表を策定することも確約した。実証炉はもんじゅのような原型炉よりもさらに進んだ原子炉だ。高速増殖炉は、使う量よりも多くのプルトニウムを生産するように設計されている。

National News

Dentsu to repay ¥230 million over bad billing (p. 4)

電通、デジタル広告で過剰請求

電通は9月23日、過去数年にわたって、同社が適切に提供していなかったオンライン広告サービスの請求を顧客にしていたことを明らかにした。

この広告業界の大手企業(電通のこと)は、約2億3000万円が絡む633件が不適切に扱われていた可能性があることが分かったと述べた。

電通は、顧客企業に過剰の料金を払い戻す計画だ。

「広告を依頼されたお客様ならびに関係者の皆様、株主の皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と電通の副社長執行役員・中本祥一氏は述べた。

National News

Victorious Goeido ends basho with 15-0 record (p. 4)

秋場所、豪栄道が全勝優勝

大相撲秋場所千秋楽の9月25日、豪栄道は琴奨菊を破り、相撲史上初めて全勝で賜杯を獲得した角番大関になった。

豪栄道(30)は秋場所に、自身の陥落がかかった状態で臨み、大関の地位を維持するためには両国国技館で勝ち越す必要があった。

豪栄道は、1994年に全勝で初優勝を果たした武蔵丸以来初めて15勝0敗の記録で場所を終えた力士となった。

National News

Tokyo University ranked 4th best in Asia (p. 4)

世界大学ランキング、東京大学は39位

東京大学は今年の『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』誌の世界のトップ大学980校のリストで39位となり、アジアで4番目に良い大学レベルの高等教育機関に選ばれた。シンガポール大学が24位に入り、アジアでトップとなった。

9月22日に発表された世界のトップ大学についての影響力のある調査で、オックスフォード大学が1位となり、アメリカ以外でトップに輝いた初の大学となった。カリフォルニア工科大学は2位、スタンフォード大学は3位だった。

World News

Miami Marlins mourn death of Fernandez (p. 5)

マーリンズのフェルナンデス投手が事故死

マイアミ・マーリンズのホセ・フェルナンデス投手がボートの事故で9月25日に亡くなり、チームは彼の死を悼んだ。

この24歳のエース(フェルナンデス投手のこと)とほか2人の男性の死の知らせは、MLBに衝撃を与えた。

「信じられない気持ちで叫ぶしかなかった」と、キューバ出身のマーリンズの重役で野球殿堂入り選手のトニー・ペレス氏は語った。

フェルナンデス選手は、キューバから10代の頃に船で逃亡し、その途中で母親が海に転落したが、彼が海に飛び込んで母親を引き上げた。

World News

China starts operating biggest radio telescope (p. 5)

中国、世界最大の電波望遠鏡が稼働開始

世界最大の電波望遠鏡が、9月25日に恒星と銀河、そしてもしかすると地球外生物からの信号を探索し始めた。これは、中国の宇宙における野心の高まりと、科学上の国際的名声の追求を示すプロジェクトだ。

貴州省にある電波望遠鏡は開発に5年間、1億8000万ドル(181億円)がかかっており、500メートルの直径はプエルトリコにあるアレシボ天文台の300メートルを超えている。

中国政府はこのような野心的な科学プロジェクトに何十億と注ぎ込んでいる。

World News

Charlotte police release video of fatal shooting (p. 5)

シャーロット黒人男性射殺の現場映像を警察が公開

9月20日に警察が黒人男性をノースカロライナ州シャーロットで射殺した事件が引き起こした、ときに暴力的な抗議活動が行なわれた数夜の後、警察は射殺事件の映像を公開した。

しかし、キース・ラモント・スコットさん(43)が銃を所持していたかどうかは映像では明らかではなかった。警察のカー・パットニー本部長は9月24日に、スコットさんが「絶対に銃を所持していた」と述べている。

だが、住民はスコットさんは武器を持っていなかったと話している。

警察の車両の映像は、スコットさんが地面に倒れるまで、4回撃たれた様子を示している。

World News

Italy to hold referendum on reform on Dec. 4 (p. 5)

イタリア、12月に憲法改正の是非を問う国民投票実施

イタリアのマッテオ・レンツィ首相の主要な政策である憲法改正をめぐる国民投票が12月4日に行なわれる予定だと、政府は9月26日に発表し、国民投票の結果にレンツィ政権の命運がかけられそうだ。

レンツィ首相は、この憲法改正が、非常に求められている政治的な安定性をもたらすと述べ、もしも有権者が上院の権限を縮小させて地方政府を統制するという彼の提案を否決した場合、辞職すると繰り返し約束している。

しかし、最も直近の世論調査では、反対派が上回っており、レンツィ首相は自身の今後について語ることを拒んでいる。

Business & Tech

Disney considering bid for Twitter: report (p. 6)

ディズニー、ツイッター買収を検討か

ウォルト・ディズニーは、今後起こり得るツイッターへの入札を査定していると、ブルームバーグが9月26日に報じ、この件に詳しい複数の人物に言及した。ツイッターが自社の売却に関心を持っているという未確認の報道は、このサンフランシスコを拠点とする会社(ツイッターのこと)の株を9月23日に高め、ディズニーが買収に関心を持っているという話題が広がるなかで、株価は9月26日に1パーセントポイントほど上昇した。一人から複数へのメッセージ投稿のプラットフォーム(ツイッターのこと)を収益の上がる事業に変える取り組みが失速するなか、ツイッターの売却の可能性に関する噂は強まっている。グーグルとセールスフォースは、主要な買収候補と考えられている。マイクロソフトとベライゾンも買収候補に入っている。

Business & Tech

Yahoo Japan eyes four-day workweek (p. 6)

ヤフー、週休3日制の導入を検討

ヤフージャパンは5800人の社員全員を対象に、週4日勤務の制度を導入することを検討していると、関係筋が明らかにした。ソフトバンクグループの子会社(ヤフージャパンのこと)は、数年間をかけて段階を踏んでこの制度を導入する計画だが、新制度での賃金がいくらになるかは決定されていないと同筋は9月24日に伝えた。この制度は、優秀な人材を確実に雇用し、親の介護のために社員が会社を辞めなければならなくなることを防ぐための取り組みの一環として検討されていると、同筋は伝えている。このインターネット検索エンジン運営会社(ヤフージャパンのこと)は、10月から月に最大で5日間在宅勤務を許可しており、これまでと比較すると在宅勤務が許可されていたのは月2日間だった。

Business & Tech

U.N. trims nuclear power growth forecasts (p. 6)

IAEA、30年までの原発成長予測を下方修正

国連の原子力機関は9月23日、今後15年間の原子力発電の成長は続くと予測したが、化石燃料の価格の低下と、再生可能エネルギーとの競争を理由に、成長幅の予測を減らした。「原子力発電は長期的には、世界のエネルギーミックスにおいて重要な役割を担い続けるだろう」と国際原子力機関(IAEA)は新しい報告書で述べている。同機関の予測の最低値は、世界の原子力発電容量が2030年までに2015年の値から1.9%拡大して390.2ギガワットとなると予測している。最大値では、56%拡大して、598.2ギガワットと予測している。IAEAは以前、成長幅を2.4%から68%の間で見積もっていた。

Business & Tech

Snapchat introduces video-taking sunglasses (p. 6)

スナップ、動画撮影カメラ付きサングラスを発売へ

残らないメッセージサービスのスナップ(旧スナップチャット)は9月24日、動画を撮影する一連のサングラスを発売すると発表した。これは、グーグルが1年以上前に断念した眼鏡型機器「グーグルグラス」に続く動きだ。このカリフォルニアを本拠とする会社(スナップのこと)は、名称をスナップチャットからスナップに変更することも発表し、インターネット上の投稿で、同社のスペクタクルズ(動画撮影用のサングラスのこと)は「もうすぐ入手可能に」なるだろうと発表した。メディアの報道によると、希望小売価格は130ドル(13000円)だという。スペクタクルズに搭載されたカメラは、着用者の視点から動画を撮影し、115度の視野を誇る。「お気に入りの記憶の一つを想像してみよう。それを経験したのと同じようにその記憶を振り返って見ることができるとしたら?」とスナップは述べている。

Business & Tech

Australia lowers backpacker tax rate (p. 6)

豪、「バックパッカー税」の減税を決定

オーストラリアのスコット・モリソン財務大臣は9月27日、バックパッカー税が農業輸出を増やすという目標を蝕んでいるという地方からの反対意見を受けて、国内で労働するバックパッカーに課される税金を引き下げた。1月1日から施行されるこの新しい提案では、海外からの休暇旅行客が1ドル稼ぐごとに19.5%の税金を支払うことになる。もともとの32.5%の税金を課す計画から引き下げられた。

オーストラリア政府は、バックパッカーがオーストラリアの田舎で3カ月の仕事をすれば、翌年に1年間滞在することを許可する特別ビザにより、バックパッカーが農場で働くことを推奨している。

Business & Tech

U.K.'s famed red phone boxes get revamp (p. 6)

英国の電話ボックスを「個室オフィス」に改装

イギリスの有名な赤い電話ボックスは、スマートフォンの時代にあっては元来の目的で使われることなないかもしれないが、ある会社が電話ボックスをスモールオフィスに改装している。ポッド・ワークスは、コーヒーショップに座ってノートパソコンで仕事をする人々を、この改装された電話ボックスで仕事をしてみる気にさせることを期待している。この電話ボックスには、Wi-Fiとコンセント、電話、プリンター、スキャナー、無料のコーヒーと紅茶がついている。ポッド・ワークスは、このような個人オフィスの第一号をロンドンの中心部にあるラッセル・スクエアに9月にオープンし、ロンドン各地に開設している。会費は月25ポンド(3300円)だ。10月にはイギリスの他都市にも拡大する予定だ。

This week's OMG!

Man walks after 43 years in wheelchair (p. 8)

誤診で43年間車いす生活の男性、歩き始める

誤診で43年間車いすで生活していたポルトガル人の男性が、50代になってやっと歩くことをついに再び学び始めたと、新聞が9月24日に報じた。

ルフィーノ・ボレーゴさんは13歳のとき、リスボンの病院で不治の筋ジストロフィー症だと診断されたとジョルナル・デ・ノティシアス紙は伝えている。

その後彼は40年以上、動き回るのに車いすを使ってきた―神経学者が2010年に、彼は実は筋無力症という筋肉を弱らせる別の病気を患っていることに気づくまでは。

この珍しい病気は、ぜんそくの薬を飲むだけで治療することができ、新しい診断からわずか1年後、ボレーゴさんはいつも行っている近所の喫茶店まで初めて歩いて行くことができた。

「私たちはこれは奇跡だと思いました」とポルトガル南東部アランドロアルにあるこのカフェのオーナーのマニュエル・メラオさんは新聞に語った。

現在61歳のボレーゴさんは、通常の生活を送ることができるようになり、1年に2回理学療法のセッションを受ける必要があるだけだ。

ボレーゴさんは、最初の診断をした病院に対して、悪い感情は抱いていないと話している。

Essay

Happy Halloween! (p. 9)

ハッピー・ハロウィーン

ハロウィーンは近年、日本で大騒ぎになってきた。10月31日が近づくと、コスチュームを身に着けた浮かれ騒ぎをする人たちが、東京の渋谷地域などの主要な街で通りにくり出し、うろうろして酒を飲む。かぼちゃのモチーフを中心にしたイベントが多くなり、早くも8月末からハロウィーンの飾りが店の棚に並び始める。

オレンジと黒のあらゆるものをこのように受け入れることをこれほど興味深くしているのは、この1年で最も不気味な日が、10年前には日本にほとんど存在しなかったということだ。私が英語教師として初めてここに着いたとき、10月が来ると、人気のレッスンはすっかりハロウィーンを中心にしたものだった。この祝日の起源を説明し、中学生に各種の怖い怪物を紹介し、「お菓子をくれないといたずらするぞ」の練習までした(主任の教員からキャンディではなく鉛筆を使わせられたが)。

当時は、ハロウィーンについてアニメ映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で描かれている以上のことを知っている人はほぼ皆無だった。今では、アメリカ版とはかなり異なってはいるものの、若者の間で流行のイベントになっている。例えば、キャンディを求めて、知らない人の家の戸をたたく人はいない。それに、凝った模様を彫ったかぼちゃを個人宅の外で見ることはない。

それでも、いくつかの主要な要素が人気になった。浮かれ騒ぎをする人たちは、怪物から有名な映画の登場人物に至るまで、さまざまなコスチュームを着る。ややものぐさな人たちは、変わった帽子や猫の耳を身につける。ドン・キホーテなどコスチュームや奇抜なアクセサリーを販売する店では、このブームで儲けている。

ハロウィーンの週には―特に10月31日の夜には―、何千人もの人々が人気の場所に集まり、通りで楽しむ。海賊や高校生、ドラえもんの格好をして、渋谷の交差点などの地点を練り歩き、酒を飲み、コスチュームを着た周囲の大勢と一緒に写真を撮る。ここ2年間で、大晦日よりも多くの人を集めるまさに見ものになった。

しかし、なぜハロウィーンがこんなにファッショナブルになったのだろうか? 確実なことを言うのは難しいが、広告が大きな役割を果たしているのだろう。雑誌ではこの休日(ハロウィーンのこと)に多くの紙面を割き、ハロウィーンをテーマにしたコマーシャルも多い。ハロウィーンをかっこいい休日のように見せていて、若者たちは今ではハロウィーンに参加したがるようになった。

10月31日は、出かけようとすると圧倒され得るほどにまでなった―日本人以外の浮かれ騒ぎをする人たちが山手線で酒を飲むのを楽しむことが、最もワイルドなハロウィーン・パーティの形と見なされていた10年前を振り返ってみると面白い。私は3年前、グラミー賞受賞歴のあるDJのスクリレックスの格好をして渋谷をうろついていて、すでにかなり混雑していると感じていた。最近ではもっとぎゅうぎゅうに混むようになってきていて、若者がハロウィーンを楽しめるようになってうれしく思っている―私は誰も「お菓子をくれないといたずらするぞ」と欲しがらない砂糖菓子を食べて家で過ごす。

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