日本人の科学者の大隅良典氏が、オートファジー(自食作用)のメカニズムを解明した功績で、今年のノーベル医学・生理学賞を獲得したと、ストックホルムのカロリンスカ研究所のノーベル賞委員会が10月3日に発表した。オートファジーは、タンパク質を分解し、再利用する細胞間のプロセスのことだ。
この71歳の東京工業大学の名誉教授(大隅氏のこと)は、オートファジーが始まるメカニズムを明らかにし、ガンやアルツハイマー病、パーキンソン病などの病気の新治療法を発見する可能性を切り開いた。
大隅氏の発見は、「細胞がどのように自身の内容物を再利用しているのかを理解するうえで、新たなパラダイムをもたらした。彼の発見は、多くの生物学的なプロセスにおけるオートファジーの根本的な重要性を理解する道を切り開いた」とノーベル賞委員会は声明で述べた。
東京での記者会見で、大隅氏はは「ほかの人たちがしないこと」をする研究を始めたと語った。同氏は「私が研究を始めたときには、オートファジーが人間の寿命に関わることに関連があるかどうかは分からなかった」と述べて基礎研究の重要性を強調した。
ギリシャ語で「自食」という意味の言葉であるオートファジーは、細胞内で異常なタンパク質もしくは不必要なタンパク質を分解することによって、維持管理の役割を果たしている。
九州で起こった4月の地震を受けてペットとその飼主に避難所を提供した熊本県の獣医が、今後の災害時に同様の避難所を用意するように議員に促している。
徳田竜之介さん(54)は先月下旬に、33,990筆の署名を集めた嘆願書を民進党の松野頼久・衆議院議員に提出した。松野議員は、動物愛護に関する議員団体に所属している。
2011年3月に東北地方が東日本大震災に見舞われた際、ペットはほとんどの避難所で受け入れが許可されなかった。飼い主の多くがペットとともに車の中で寝泊まりすることにしていた。徳田さんは、震災から1週間以内に東北を訪れた後で、緊急時にペットの飼い主を助ける方策を見出す必要性があると思ったと語っている。「東北を訪れたとき、犬や猫は」飼い主と離れた「動物の保護施設に預けられていました」と徳田さんは話した。「ペットと飼い主が離れ離れにされるべきではありません」。
アジア最大のIT見本市が千葉県で10月4日に開幕し、来場者に未来を垣間見させる人工知能を活用した機器やロボットが展示された。
さまざまな業種を代表して、毎年恒例の展覧会「CEATEC」に参加した展示者らは、インターネットにつながった世界のそれぞれが持つ青写真をこぞって提示した。「インターネットにつながっていることは、一層重要性を増している」と日立製作所の社長兼CEO・東原敏昭氏は語った。
オムロンが開発した卓球ロボットのフォルフェウスは、人間の卓球プレーヤーのレベルが初級か中級か上級かを判断することができ、プレーヤーの技術を改善する「コーチ」として働くことができる。トヨタ自動車は、スマートフォンに接続してコミュニケーションをとることができる手のひらサイズのロボット「キロボミニ」を展示した。キロボミニは2017年に日本全国で発売される見込みだ。
ヤクルトスワローズの二塁手・山田哲人選手は、日本のプロ野球史上初めて2年連続「トリプルスリー」を達成した選手となった。トリプルスリーとは、打率3割以上、本塁打30本以上、盗塁30個以上の成績をシーズンで達成することをいう。
打率3割4厘の山田選手は、セントラル・リーグでは本塁打が38本で2位、盗塁は30個でリーグ1位だった。
「これがシーズン前の目標でした」と山田選手は語った。山田選手はシーズンの途中、ほぼすべての打撃部門でリードしていた。
昔はやった製品を利益を生むものに戻すことを期待して、任天堂はヒットしたゲーム機「ファミコン」を再発売する予定だ。ファミコンが初めて国民を虜にしてから33年が経つ。
復刻版はオリジナル版のミニチュアのように見える。
11月4日から、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」は、「スーパーマリオ」「スーパーマリオブラザーズ」「ゼルダの伝説」など懐かしのゲームを30本内蔵して発売される。1983年に発売され、オリジナル版は世界中で6000万台以上を売り上げた。海外ではニンテンドーエンターテイメントシステムの名で知られていた。
大阪府のすしチェーン店は、外国人客に過剰なわさびを入れたすしを提供したことについて10月2日に謝罪したが、この行為の背後に悪意や(人種)差別があることは否定した。
藤井食品がすしチェーン店「市場ずし」を経営しており、市場ずしは大阪の中央部にある難波店で過剰な量のわさびを使用したことについて非難されている。
謝罪文で藤井食品は、複数の調理担当者が最大で通常の2倍の量のわさびを加えていたが、担当者が勝手にしたことであり、会社の方針に責任があることは否定している。
講談社は10月3日、電子書籍の購読サービスから講談社の千を超す作品全てを一方的にアマゾン側が削除したとして、アマゾンジャパンに抗議をしたと発表した。
他の出版社の光文社もまた、同じ日に550の作品がアマゾンキンドルの読み放題サービスから削除されたと述べている。このサービスは日本で8月3日に開始された。
このサービスは、月額980円で海外の出版物120万作品が読める。業界筋によると、8月半ばから作品が消え始めたという。
9月29日に衝突事故を起こしたニュージャージー州の通勤列車の技術者は、十分な休息を取っていたが、事故のときの記憶がないと捜査員に話しており、回収されたデータレコーダーは機能していなかったと国家運輸安全委員会(NTSB)の職員が10月2日に明らかにした。
朝のラッシュ時間帯にホーボーケン駅で起こったこの電車脱線事故で、プラットフォームにいた34歳の女性が死亡し、108人が負傷した。この駅は通常の平日で約6万人が通る。
NTSBの職員は、当局では今も証拠を集めていると述べた。
重要な国民投票の投票率は低かったが、ハンガリーのビクトル・オルバン首相は、亡命希望者の受け入れ反対において「大勝利」を宣言した。
10月2日に行なわれた投票の開票はほぼ終了し、亡命希望者の受け入れを分担するEUの今後の計画に反対している政府の意見を有効票の98.3%が支持した。
しかし、投票率は43.9%と、国民投票が成立する50%超の投票率を下回った。
アナリストは、この結果を「恥ずかしい」と述べている。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は10月2日、流血の事態となっている自らの麻薬撲滅対策をホロコーストになぞらえた後、世界中のユダヤ人に謝罪した。
9月30日の演説で、ドゥテルテ大統領は、彼を批判する人々が彼のことを「ヒトラーのいとこ」として描いていると述べた。その少し後で、ドゥテルテ大統領は、「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺した。…ここには300万人の麻薬中毒者がいる。いるのだ。私は喜んで麻薬中毒者を殺す」と述べた。歴史学者らは、600万人のユダヤ人がホロコーストで殺害されたと語っている。
国際社会からの非難を受け、ドゥテルテ大統領は「ユダヤ人コミュニティーの皆様に深く」謝罪した。
イタリア警察当局は、2002年にアムステルダムの美術館から盗まれ、ナポリ近郊の犯罪組織の拠点付近にある家屋に隠されていたヴィンセント・ヴァン・ゴッホの絵画2作品を発見したと、捜査当局者は9月30日に発表した。
この絵画は、額縁がない状態で発見され、「比較的状態は良い」とゴッホ美術館はウェブサイト上の声明で伝えた。ゴッホ美術館は、この2作品は1882年に描かれた「スヘフェーニンゲンの海の眺め」と、その後の作品「ヌエネンの教会から出る人々」だったと述べている。
9月26日に発表された調査によると、妊娠時のつわりは、流産リスクの低減に関連しているという。この調査は、女性が妊娠早期に経験する吐き気と嘔吐が胎児を保護するのに役立っていると示唆している。
『JAMAインターナル・メディシン』誌に掲載された調査結果によると、797人の女性を対象にした研究で、吐き気、及び嘔吐を伴う吐き気が妊娠損失リスクの50〜75%低下に関連していたという。
つわりの吐き気により、女性の食事量が減り、その結果として胎児が毒素にさらされるリスクが減少することで、健全な妊娠が促される可能性があると考える専門家もいる。
年を取るのを恐れると寿命が短くなるかもしれないと、国連の保健機関が9月29日に発表した。また、世界中で高齢者を差別する姿勢が広がっていることが新しいデータで浮き彫りにされた。世界保健機関は最近、「年を重ねることについて否定的な見解を持っている人は、肯定的な見解を持っている人に比べて、障害から回復しにくく、寿命が平均で7.5年短くなる」ことを示唆する研究を発表した。
57ヵ国に住む18歳以上の回答者83,000人以上のデータによると、高齢者に対する姿勢は、より裕福な国のほうが否定的だったという。
(自分の)魅力的な性格にイヌが引きつけられていると思っているとしたら、考え直したほうがいい―9月29日に発表された研究によると、イヌを引きつける魅力は、遺伝子と関わっているかもしれないという。数百匹のイヌを対象とした実験と、詳細なゲノム解析で、イヌが人間と仲良くなることに明らかな関連がある一握りの遺伝子変異体を明らかにした。同じゲノムが人の社交性を統御する助けとなっており、神経系の問題に関与していることもわかった。「われわれの研究結果は、イヌと人間の間には社会的行動における共通の遺伝子的基礎があるかもしれないことを示している」と、上席執筆者でスウェーデンのリンショーピング大学のパース・イェンセン教授は語った。
世界の10人に9人以上が、極度の大気汚染のある地域に住んでいると世界保健機関が9月27日に発表した。この国連の保健機関は、新しい報告書の中で、92%の人が、空気の質が世界保健機関の限界値を超えている地域に暮らしていることを明らかにし、最も強い影響を受けているのは、東南アジア、地中海東部、太平洋地域西部だった。「2つのことが起こっている。1つは、裕福な国々では空気の質がかなり改善されてきていること。もう一つは、貧しい国では悪化していることだ。これが全体的な傾向だ」と、世界保健機関の環境保険部コーディネーターのカルロス・ドーラ博士は述べた。
9月29日に発表された論文によると、甘いお菓子がハチにちょっとした歓喜を与えて気分を高揚させ、楽観的にさえなるという。この研究は、花粉を運ぶ虫(ハチのこと)に感情があることも示唆した。研究者らは、ショ糖溶液を与えた後に、ハチの行動がどのように変化するかを調べた。その結果、ハチは中に甘い飲み物が入っている容器に向かうほうが、ただの水の容器に向かうよりも速く飛んで行くことを学ぶことがわかった。『サイエンス』誌に発表されたこの研究は、「プラスの感情状態を誘導するために、60%ショ糖溶液を与えたハチは、溶液を与えられていないハチに比べて、円筒容器に向かう飛行速度が速かった」としている。「うれしい気分の人間が、あいまいな状況に楽観的な判断を下す傾向が強くなるのとよく似ている」。
強い光を浴びることは、テストステロン(男性ホルモンの一種)のレベルを高め、性欲の少ない男性に対し、性的な満足度を高めることにつながる可能性がある。イタリアのシエナ大学の科学者らは、早朝に定期的にライトボックス(強い光を出す治療器具)を使用すると、男性のテストステロンを多くするのに役立つことを発見した。この研究を主導し、ウィーンで開かれた「European College of Neuropsychopharmacology」の学会で発表をした、同研究所のアンドレア・ファジオリーニ教授は、この治療は北半球の暗い時間が長くなる冬期に有効であることがわかるかもしれないと述べた。「北半球では、体内のテストステロンの分泌が11月から4月にかけて自然に減少する」と同教授は述べた。
群馬県太田市の23歳の臨時職員が、国際ゲーム大会で優勝したと嘘をつき、日本の新聞2紙によるこの勝利の誤報につながったことがわかった。
9月28日に、主要な日刊紙の朝日新聞と群馬県で配布されている地方紙の上毛新聞が、この男性についての報道を撤回して謝罪した。男性は、フランスで開かれたこのゲーム大会で優勝したという詳細な説明は全て作り話であったことを認めている。
男性は、9月26日に市役所で記者会見まで開いており、パリで9月20日から21日に開かれたと男性が言うトーナメントにおいて、プレイステーションのゲーム「ギルティギア」で優勝したと語った。
しかし、この報道が出るとすぐに、他のプレーヤーたちがそのようなトーナメントは存在しないことをインターネット上で指摘した。市の職員らに追及された男性は、それが作り話だったことを認め、フランスには行ってないと述べた。
「うかつにも、大会に招かれたという嘘をつき、最初の嘘を隠すために嘘を重ねるしかなかった」と男性は共同通信に語った。
長年、小さなワンルームのマンションや汚いシェアハウス、友人の寝処を転々とした後で、私はついにまっとうな家に引っ越した。話すような家具はないが(この原稿も床の上に座って書いている)、ようやく家と呼べる場所ができた気分だ。
日本で初めて住んだ場所は、レオパレスの1Kのマンションだった。家具付きで、保証人を必要としないので、多くの外国人がレオパレスを選んでいる。賃貸契約は、一時的かそれとも長期の契約かを選べるという点でかなり柔軟で、英語で対応するサービスもあった。とても便利な環境だった。
中はと言うと、部屋は狭いが極めて効率的だった。スペースの隅々まで使われていて、驚くべきものがあった。レオパレスに住む友人を訪れると、レイアウトはいつも酷似していた。
しかし、一番驚いたのは、こうしたマンションがとても最近、短期間で建てられたように見えることだった。まるで、建築会社がイケアから平箱に包装されたいすを組み立てたかのようだった。私の住んでいた建物はわずか2年前に建てられたものだった。いつも、住んでいた町中あちこちに新しいレオパレスが建っていくのが見えた。
その部屋は気に入っていたが、壊れやすいような感じがした―建物全体が揺れる台風や地震のときは特に―それはかなり新しかったせいだと私は思っている。
イギリスの私の家は築何年かと聞かれた時に、1950年代に建てられたと返事をするといつも驚かれる。実のところ、イギリスではこれだとかなり新しい家だ。イギリスと比べると、東京のアパートや家屋のほとんどは真新しい。どうやら日本では、30年後には家が住むのに向かないとみなされるようだ。たったの30年で家が取り壊され、新しい家に取り替える時期になってしまう!
家がこんなに頻繁に建て替えられるのは、これだけが理由ではない。日本の多くの地域で湿度が高いため、家の価値が下がる。また、古い家やアパートは最新の耐震基準に準拠していない場合、安全ではないとみなされることが多い。
イギリスでは逆だ。古い家ほど格が高い。古い方が「個性」があり、中の歴史的な特色が価値を増す。多くの人々が、自分たちで改修するために古い物件を購入する。このことは物件開発と呼ばれ、改修して後に利益を得るために売却することで大金が生まれる。
私の新しい家は実はとても古い。昭和時代からある家に引かれる人はおらず、数ヵ月間売りに出されていたのだ! しかし、だからこそ私は心ひかれたのだ―とてもユニークで、はっきりとした日本らしさが感じられる。結局のところ、家とは心がある場所なのだ。