天皇陛下の公務を軽減する措置を討議するため、政府の有識者会議の初会合が10月17日に開かれた。中心の議題は天皇が高齢を理由として退位できるようにするべきかどうか、そしてそれをどのようにして可能にするべきかどうかになると見込まれる。
現行の皇室典範には退位の規定がない。19世紀後半の政治家たちは、それを盛り込むことで天皇制が弱体化すると考えていたためだ。
6人の有識者会議は、専門家から意見を聞く予定で、最終的には、可能であれば来年の春までに、安倍晋三首相に政策提言を起草する。10月17日の会合の冒頭で、安倍首相は有識者会議の委員らに、82歳になる天皇の「公務を軽減するために我々は何ができるのか」を議論するように頼んだ。
皇室典範では、天皇が亡くなるまで務めを担うことが求められている。有識者会議にとって重要な課題は、現行の皇室典範を改正すべきか、それとも現在の天皇に限り適用される別の一時的な法律を可決させることを提案するべきかである。
世論調査では、有権者の70%から90%が天皇の退位を認めるという考えを支持している。しかし、国粋主義者はこの考えに反対している。長い目でみれば、世界最古の君主制を弱体化するのではないかと彼らは恐れている。