天皇陛下の公務を軽減する措置を討議するため、政府の有識者会議の初会合が10月17日に開かれた。中心の議題は天皇が高齢を理由として退位できるようにするべきかどうか、そしてそれをどのようにして可能にするべきかどうかになると見込まれる。
現行の皇室典範には退位の規定がない。19世紀後半の政治家たちは、それを盛り込むことで天皇制が弱体化すると考えていたためだ。
6人の有識者会議は、専門家から意見を聞く予定で、最終的には、可能であれば来年の春までに、安倍晋三首相に政策提言を起草する。10月17日の会合の冒頭で、安倍首相は有識者会議の委員らに、82歳になる天皇の「公務を軽減するために我々は何ができるのか」を議論するように頼んだ。
皇室典範では、天皇が亡くなるまで務めを担うことが求められている。有識者会議にとって重要な課題は、現行の皇室典範を改正すべきか、それとも現在の天皇に限り適用される別の一時的な法律を可決させることを提案するべきかである。
世論調査では、有権者の70%から90%が天皇の退位を認めるという考えを支持している。しかし、国粋主義者はこの考えに反対している。長い目でみれば、世界最古の君主制を弱体化するのではないかと彼らは恐れている。
飼育下にある世界最高齢のパンダが10月16日に香港のテーマパークで安楽死させられた。
テーマパーク「海洋公園」は声明で、倫理上の理由と、さらなる苦しみを避けるため、獣医が38歳の佳佳(ジアジア)に安楽死を施したと述べた。
ギネス世界記録は、佳佳を飼育下で生存する最高齢のパンダとして認定していた。ギネスによると、野生のパンダの平均寿命は18歳から20歳で、飼育下では30歳だという。
「良い」という意味の名前の佳佳は、元宗主国のイギリスから香港が返還されて2周年を記念して、ほかのパンダと一緒に、1999年に香港へ贈られた。
10月初めから佳佳の食事の消費量は、一日あたり10キロ以上から3キロ以下にまで著しく減少し、平均体重は71キロから67キロ前後に落ち込んでいた。
日本人の女優の長澤まさみさんが、日本で台湾観光をPRするスポークスウーマンになると、この島(台湾のこと)の観光局は10月17日に発表した。
劉喜臨副局長は台北での記者会見で、長澤さんが特に女性の日本人旅行客をより多く台湾に引き付けてくれるだろうと期待していると語った。この29歳の女優(長澤さんのこと)は、同じ記者会見で、選ばれたことを誇りに感じていると語った。「台湾は私の第2の故郷のようです」と長澤さんは話した。
統計が示すところによると、日本からの8月の訪問者数は、昨年の同時期と比べ、30%をわずかに超えるほど伸びた。
長澤さんは2012年に初めて(台湾を)訪問した際には、ほんのわずかしか中国語を話せなかったが、たくさんの親切な人たちがその後、(中国語を)教えてくれたと話した。
2015年には、160万人以上の日本人が台湾を訪れている。
政府は液体用ミルクの販売を許可する計画をしている。従来の粉ミルクよりも使いやすいため、この方策により、もっと多くの男性が子育てに参加するように促すことができると期待する。
政府は、3月までに方針を策定する委員会を立ち上げると、関係者は10月16日に述べた。
乳児用の液体ミルクの生産は禁止されていないが、販売や輸入をすることはできない。
労働局は10月14日、24歳の女性社員が昨年12月に過労が原因と見られる自殺をしたことを受けて、大手広告会社の電通の東京本社で立ち入り調査を実施した。
2015年4月に電通に入社した高橋まつりさんの自殺は、9月に過労死と認定された。10月には105時間ほど時間外労働をしていた。
数十年前に北朝鮮に拉致されたと考えられている日本人女性が平壌にある赤十字病院に入院していると、韓国人拉致被害者の家族のための支援団体が10月15日に明らかにした。
松本京子さんはおそらく、痛風によって起こる重度の視覚の障害を患っていると、支援団体は述べ、平壌の情報筋に言及した。鳥取県出身の松本さんは1977年に行方不明となったときには29歳だった。
報じられるところによると、日本政府はその知らせについて確認を取ろうとしているという。
大規模な停電で、10月12日の午後に東京の中央部で580万世帯もの家庭で短い間、電気が断絶され、電車と信号機に支障が出て、エレベーターは停止した。
この停電は、港区、千代田区、新宿区を含む東京の11区の家庭や事業所に影響を与えたが、そのほとんどは10分以内に電力の供給が復旧した。東京電力は、この停電の原因はおそらく、埼玉県にある東京電力の施設の火災とみられると発表した。
タイのプミポン・アドゥンヤデート国王の死去は、2017年に行なわれる総選挙の予定に影響を与えることはないとメディアが10月17日に報じた。タイが喪に服す1年に入り、軍事政権が投票を遅らせるのではないかという憶測をはねつけた。
タイの人々は、バンコクにある王宮に押し寄せ、国民に愛された王の弔問に訪れた。プミポン国王は70年間在位した後で10月13日に亡くなった。
ケンタッキー州の駐車場で10月16日、駐車されていた2台の車に乗っていた人たちの間での銃撃戦の最中に、オリンピック短距離走者のタイソン・ゲイさんの15歳の娘が撃たれて死亡したと、地元の警察が明らかにした。
トリニティ・ゲイさんは、レキシントンの駐車場で首を撃たれたと警察は述べた。警察は、いずれかの車両にトリニティさんが乗っていたとは考えていない。3人の男が起訴された。
「何が起こったのか理解できない」とトリニティさんの父(タイソンさんのこと)はテレビのレポーターに語った。
2年半前にボコ・ハラムに拉致された後、21人の女子生徒は10月16日、ナイジェリア政府とそのイスラム過激派組織(ボコ・ハラムのこと)によって行なわれた初の交渉による解放で、ようやく両親と再会した。
女子生徒らは、2014年4月に彼女たちが拉致された辺境の町チボクから首都アブジャまで来ていた両親と抱き合った。
「娘にもう一度会えるなんて思っていませんでした」と、解放された女子生徒のうちの一人の母親はハウサ語で話した。
新興5ヵ国の首脳らは10月16日、テロ行為と過激主義と闘う公約および世界経済の回復速度を上げる公約とともに2日間の首脳会議を終えた。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ ― いわゆるBRICS諸国 ― は、インド南西部のゴアで共同宣言を発表した。
この宣言は、「暴力とテロの勢力を」支える国々は「テロリストそのものと同等の脅威となる」と述べている。
アメリカのバラク・オバマ大統領は10月11日、今から14年後にも人々を火星に送り出すと約束し、民間企業と協力して、深宇宙での長期ミッションに従事する宇宙飛行士を輸送し、その生命を維持することのできる新しい居住地を建設すると誓った。 「我々は、アメリカの宇宙における物語の次章に不可欠である明確な目標を定めた:2030年代までに人類を火星に送り出し、地球に安全に帰還させる」と、オバマ大統領はCNNのウェブサイトに掲載されたオピニオン記事で述べた。民間企業はすでに宇宙へ向かうミッションに取り組んでいるが、地球の周回軌道で最も近い地点に来た場合に約5600万キロの距離がある火星に人類はまだ行ったことがない。
科学者らは、恐竜時代の末期に生きていた鳥はどのような見た目だったのかを何年も前から知っている。今では、どのような鳴き声をしていたのかもわかるかもしれないという:「クワックワッ」だったかもしれない! 科学者のチームは、7000万年以上前にベガ島に生息していた「ベガビス・イアアイ(Vegavis iaai)」という鳥の鳴き声は恐らく、現在のアヒルのような音だったと述べた。彼らがこの発見の根拠としたのは、この鳥の鳴き声を生みだす部分である鳴管と呼ばれる発声器官の化石だ。「我々が今言えることは、この鳥は…現在も生息している近類のアヒルやガチョウになぞらえられる鳴き声に似ていた可能性が最も高いということだ」とアルゼンチンの古生物学者でこの研究の筆頭著者であるフェルナンド・ノヴァス氏は語った。
エジプトのギザの大ピラミッドには、これまで知られていなかった空洞が2つあるかもしれないと、X線撮影を用いて何千年も前のこのモニュメントをスキャンした科学者たちが10月15日に発表した。4500年前にクフ王の下で建設されたピラミッドの内部にあるとされる「2つの異質な点」の発見について10月13日に、考古省は慎重な発表をした。このピラミッドにはすでに3つの部屋があることがこれまでに知られている。「我々は今、北面の裏側に隠された『空洞』の存在を確認することができている。この空洞には、大ピラミッドの内部を通る少なくとも1本の廊下のような形態のものがあるかもしれない」と、「オペレーション・スキャンピラミッド」の科学者らは声明で述べた。もう1つの「空洞」はピラミッドの北東側の側面に発見された。
ニュージャージー州と大西洋の海底で発掘されたガラス質の微粒子は、彗星または地球外の物質が、恐竜を絶滅させた小惑星の衝突からおよそ1000万年後となる5600万年前に地球に衝突した可能性があることを示唆している。科学者らは10月13日、この衝突により、地球上には、とりわけ温暖で氷のない期間がもたらされた可能性があると述べた。この期間に人類の起源につながる霊長類を含む重要な哺乳類の集団が初めて出現した。『サイエンス』誌に掲載されたこの発見は、天体による過去の衝撃が地球上に生命をもたらしたという重大な影響を示す最新の根拠となった。
宇宙は10億個から20億個の銀河が詰まっていると思っていただろうか? 1兆個あるいは2兆個以上の銀河があると考えてみよう。それが最新の調査だと、10月13日に報じられた。イギリスのノッティンガム大学のある天体物理学教授が、宇宙に2兆個の銀河があるという気が遠くなるような推定をした国際的な研究チームを率いた。クリストファー・コンセーリチェ教授は、このことは最低でも(従来の推定から)10倍の増加を示していると述べた。科学者らは、ハッブル宇宙望遠鏡と地上観測所による深宇宙調査を基にして銀河の数を数えた。彼らはそのイメージを3-D映像にして、更新には新しい数学モデルを活用した。
イギリスのベテラン自然学者のデービッド・アッテンボロー氏は10月17日、動物園のゴリラを、そのプライバシーを尊重して、ガラスのパネルではなくのぞき穴のついた壁の後ろで飼育するように求めた。この90歳のテレビ出演者(アッテンボロー氏のこと)は、ロンドン動物園の檻からゴリラが10月13日に脱走した後で話をした。アッテンボロー氏は、動物たちが(プライバシーの)侵害にさらされているのであれば、この出来事は「ほとんど驚くには当たらない」と語った。「アフリカ西部の森では、公開された状況では暮らしていない。人間にじっと見られることもない」と述べた。「おそらく、解決策としては、人間がゴリラをガラス板越しに見られるようにはすべきではなく、ゴリラが見られていることを気づかないようにのぞき穴から見るようにすべきだ」という。
京都の主要な観光地でおそらく盗撮犯と疑われる人々の存在が増えるなかで、警察は駅や寺院、神社での警戒を強化している。
画像を記録する機器がコンパクトであることから、のぞきのテクニックはかなり人の目に止まりにくくなっており、被害者はターゲットにされていることにさえ気が付かない。
京都はカメラを持った観光客で溢れる都市でもあり、だれがのぞき魔かどうかを判断することが難しくなっている。
最新の事件では、大阪の高校の55歳の教諭が10月16日に、有名な清水寺で、女子大学生のスカートの中の写真を撮影したとされ現行犯逮捕されたと、共同通信が伝えている。
被害にあった18歳の女性は、清水寺の境内の急な石段に座っていた。報じられるところによると、田村恵一容疑者は、「景色の写真を撮っている観光客のふり」をしていたと警察に語っているという。
iza(イザ)ニュースのウェブサイト上の報道によると、京都駅でも、のぞき見をする人の数が急増しているという。
その日本人女性は私たちのブースにやってきた。私は所属する会社の英語トレーニングサービスをPRするためにここにいたので、彼女に微笑んで英語で話し掛けた。「こんにちは。ご機嫌いかがですか? イベントを楽しまれていますか?」 その女性は、不意を突かれたように私のことを見た。私の問い掛けに手短かに答えると、まっすぐ同僚の方に向かった。彼は同じことを尋ねていたが、彼女は突然さっきよりもずっと生き生きしておしゃべりになったように見えた。
日曜日に勤務していた理由の1つは、このイベントに訪れた人に私の顔を見せるためだった。既成概念にとらわれずに考えることを推進するイベントで、来場者が英語を話す私の顔にどのような反応をするかを確かめることに私は興味があった。ほかの英語学校の広告ポスターとは違い、英語話者と教師たちはさまざまな(肌の)色をしている。私は自分の所属する小さな会社で唯一の有色人種の英語教師であり、気がつくとブースに来た来場者と私たちの学校の教師とのやりとりを観察していた。私を無視したり、そっけなくあしらって別の教師のところへ行く人の数から判断するに、いくつか不思議に思い始めたことがあった。
来場者たちは、白人の同僚の方が魅力的に思い、彼らと話したいのだろうかと疑問だった。あるいは、もしかすると、無意識のうちに、異人のように見える人と英語で話しているところを見られたいと思っているのかもしれない。もしくはおそらく、私の名前と会社での役職が書かれた名札はあっても、私が英語を話せるとは思わなかったのかもしれない。しかし、誰も私の名札を見ていなかった。彼らは私の顔を見ることもほとんどなかった。私はほとんど目に見えないもののようだった。
日本社会に溶け込むにはいくつかの利点もある。子どもたちのなかには、乗っていた電車の車両に明らかに日本人ではない人物が入ってくると、遊ぶのを止める子どももいる。でも、私が乗ってきても、日本人の子どもたちや大人は普段と同じように振る舞い、話しているのがわかる。もう一つの利点は、人々は私と話すことにあまり関心を持たないので、とても社交的にならなければならないことだ―会話を始める一番手にならないといけないことが多い。
日本には英語話者のステレオタイプに合った金髪で青い目の教師を間接的に求める幼稚園がある。私とかかわろうとしなかった人々は、そういう幼稚園に通っていたか、現在、似たような語学学校に通っているのかもしれない。それで、彼らが見慣れて育ったステレオタイプの英語話者と話すことにより興味を示したのだ。私の顔の価値がこのイベントでここまではっきりと示されたのを見て、少しがっかりした。
それでも私は、1人の日本人男性とその娘を相手に、どうにか情報に富んだ会話をすることができた。彼は私の顔の向こうにある価値を見出すことのできる数少ない人の一人だった。彼は英語を話す機会だけではなく、別の人間について知る機会を見ていたのだ。娘さんもそうであったことを願いたい。