ローマ法王フランシスコは11月28日、世界の国家指導者らに対し、地球環境に関する国際合意を遅滞なく実行するよう求めた。この呼び掛けはアメリカのドナルド・トランプ次期大統領に直接向けられたものと見られる。
ローマ法王は、理論物理学者スティーブン・ホーキング博士を含む科学者の一団に向けて演説し、気候変動に関する2015年のパリ協定から撤退すると脅しているトランプ氏の当選以来、環境に関して最も強い調子で話した。トランプ氏は、大統領選挙活動中、気候変動はでっち上げだと述べていた。
ローマ法王は、演説の中で、科学者は「政治、経済、思想面の利害から自由な状態で活動し、気候変動による危機と社会にもたらされる結果を直視できる文化モデルを構築すべき」と述べた。
200カ国近くが合意した協定(パリ協定を指す)からのアメリカの撤退は、気温上昇に制限をかける国際的な努力を後退させることとなるだろう。