これは誰も欲しくない賞だ。
ジャーナリストと人権保護活動家のグループが12月1日、2016年のブラック企業大賞にノミネートした10社を発表した。この賞は、搾取的で違法な労働慣行のある企業に与えられる。
昨年、若い女性社員が「過労死」(働きすぎによる死亡)したことで最近非難を受けた広告大手の電通と、仙台にある事業所で上司から嫌がらせを受けて男性社員が自殺した宅配便会社の佐川急便などが今年のノミネート企業となった。「受賞者」は12月23日に発表される。
今年で5年目となるこの賞は、日本企業に蔓延する過労や差別、嫌がらせの文化を浮き彫りにし、「ブラック企業」というフレーズを全国的に有名にするのに一役買ってきた。
ディスカウントストア大手のドン・キホーテは、従業員に3ヵ月以上最大で415時間の時間外を記録させたことで選定された。
受賞は言うまでもなく、賞にノミネートされることは、企業にとってPR上の大きな痛手となるものとみなされている。