国連のアントニオ・グテレス新事務総長は1月1日、2017年は「平和を第一に」した年にしたいと、新年の到来を告げるメッセージで述べ、国連の事務総長としての初日を迎えた。
このポルトガルの元首相(グテレス事務総長のこと)(67)は、韓国の潘基文氏から国連事務総長を正式に引き継ぎ、シリア、南スーダン、イエメン、ブルンジ、北朝鮮などの複雑な危機を受け継いだ。
「終わりの見えない戦争に巻き込まれ、ひどく苦しんでいる何百万人もの人々を私たちはどうすれば救えるのだろうか?」とグテレス氏は語った。「民間人が死に至らしめる勢力に攻撃されている。女性、子ども、男性が殺され、負傷し、家を追われ、よりどころなく、ひどく貧しい暮らしを強いられている。このような戦争で勝つ者はいない。だれもが負ける」。
2017年を迎え、グテレス氏は、「1つの共通の新年の抱負を」立て、「平和を第一にすると決意しよう。2017年を私たち誰も ― 市民も政府も指導者たちも ― がお互いの違いを乗り越えるよう努力する年にしよう」と世界に訴えかけた。
「平和は私たちの目標かつ指針でなければならない。人類という家族として私たちが得ようとしている全てのもの ― 尊厳、希望、進歩、繁栄 ― は平和に懸かっている。しかし、平和は私たちに懸かっている」とグテレス氏は述べた。
日本各地の人々は、初日の出を見る、バーゲンに出掛けるなど、恒例のやり方で2017年の最初の日を迎えた。
宮城県名取市では約50人が日の出を見ようと山に登った。
別の場所では、およそ180人の乗客が、東京の羽田空港から全日空のチャーター便に乗り、初日の出と富士山を眺めた。
大勢の人々が東京の渋谷駅の外にある有名なスクランブル交差点で新年のカウントダウンに夜通し参加した。数百人の警察官が群衆を制御するために配置された。
早朝には、東京の中心部にある西武百貨店の初売りに約2万人が並んだ。この小売店(西武百貨店のこと)は他の主なデパート運営会社よりも1日早く始業した。
卓球のオリンピック選手の日本の福原愛さんと、台湾の江宏傑さんが1月1日に台北市内のホテルで結婚式を開いた。
2人は台湾と日本で9月に公式に婚姻届けを出していた。数か月に及ぶ準備の後、元日に結婚式を開いた。
オリンピックで2枚のメダルを持つ福原さんはラベンダー色のドレスを着て、ファンに応援を感謝した。
江宏傑さんは襟の高いチェックのスーツを着て、ファンに感謝をし、より良いパフォーマンスで応援に報いたいと述べた。江宏傑さん(27)は結婚式の後、チェコ共和国でプレーをする。どこで家庭を築くかはまだ決めていないと彼は語った。
株式会社電通の石井直社長は、この広告会社で24歳の社員が過労自殺した問題で今月辞任すると発表した。
「当社ではさまざまな対策を取ったが、過労の問題は改善しなかった。全ての責任を私が取る」と石井社長は12月28日に述べた。
この発表は、高橋まつりさんに違法に長時間働くこととそれを過少申告するよう強制した疑いで、厚生労働省が電通と電通の重役の1人を書類送検した日にされた。この長時間労働は高橋さんの2015年12月25日の自殺につながった。
松本純防災担当相は12月30日、新潟県の糸魚川大火災で被災した144世帯に、政府は1世帯あたり最大で300万円支給すると発表した。
「我々は(被災者が)できるかぎり早期にもとの生活に戻れるように全面的に努力する」と松本防衛相は自然災害に関する与党自民党の委員会で述べた。
警察は12月22日の火災はラーメン店から燃え広がったと考えている。このラーメン店の店主は、こんろを放置したと述べている。
日本の事実上の台湾大使館は、この半公式の機関の知名度が高まるようにその名称を変更すると述べた。
中国政府は、この動きに不快感を示しており、日本に「『一つの中国』原則に従い、台湾の問題に適切に対処して、台湾当局と国際社会に誤ったメッセージを発しないよう」求め、「日中関係に新たな混乱を生じさせないように」求めた。
この組織「交流協会」は12月28日の声明で、1月1日からこの組織は「日本台湾交流協会」として知られるようになると述べた。
日本将棋連盟の谷川浩司会長は12月27日、昨年の対局中に不正をしたとされる疑惑が晴れた一流棋士に謝罪した。
対局中にアプリを使用したという告発後、10月12日に出場停止処分を受けていた三浦弘行九段(42)は、今月から再び出場できるようになる。
この決定は第三者機関が12月26日に、三浦さんが不正をしていたことを示す証拠は見つからなかったと発表したのちにされた。三浦さんは、この疑惑は誤りであり、単なる憶測に基づいていると強く主張していた。
韓国の朴槿恵大統領の弾劾につながったスキャンダルの中心人物の1人の娘が、韓国からの国際刑事警察機構(インターポール)に要請していた国際手配に基づき、デンマーク警察が彼女を逮捕した後に、デンマークで送還手続きを受けることとなった。
デンマーク警察は、デンマーク北部の都市オルボルグで、チョン・ユラさんを1月1日に拘束したと述べた。
20歳の騎手であるチョンさんは、朴大統領の友人の崔順実被告の娘だ。崔順実被告は、朴大統領とのつながりを利用して事業者らに非営利財団に献金するように強く求めた疑いが持たれている。
マンハッタンのアッパー・イースト・サイドで長い間待たれていた地下鉄路線を列車が走行している。
新路線セカンド・アベニュー・ラインの3つの新駅が、1月1日に開業した。1日に約20万人の乗客を運ぶと見込まれる。
開通式の初乗車が12月31日、ビル・デブラシオ市長やアンドリュー・クオモ知事を含む招待された要人たちだけのために、タイムズスクエアでの大晦日の「ボール・ドロップ」(報時球を落下させる年越しの恒例行事)の約90分前に行なわれた。
ニューヨーク市の交通担当委員会が最初にこの路線を計画したのは1929年だった。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は1月2日、首相公邸で警察から3時間以上にわたって質問攻めにされた。ネタニヤフ首相が裕福な支持者らから贈答品を不適切に受け取っていたという疑いについて、政治的なダメージとなる犯罪捜査となり得るものが始まった。
ネタニヤフ首相は不正を繰り返し否定しているが、国の不正捜査班の関与は、ネタニヤフ首相の疑惑は深刻なものと考えられることを示した。
イスラエルのチャンネル2テレビは、ネタニヤフ首相は「利益」をイスラエルと海外の実業家から受け取ったと述べた。
ブラジル北部アマゾナス州の刑務所で起こった暴動中に、少なくとも60人の受刑者が死亡したと、ブラジルの州当局は1月2日に発表した。数人は首をはねられ、手足を切断された。
州公安局のセルジオ・フォンテス局長は、「刑務所で起こった中で州史上最大の虐殺事件だ」と述べた。
ブラジル最大の犯罪組織のうちの2つが昨年、複数の刑務所の支配を巡って対立を始め、アマゾナス州の当局ではそれが2017年最初の暴動の背景にある理由だと考えている。
ベルギーのゴイエ洞窟群の奥深くで、研究者たちは、ネアンデルタール人がウマやトナカイを食べるだけでなく、共食いもしていたことを示すぞっとするような証拠を発見した。約4万年前に生きていた新生児1人、子ども1人、そして成人または若年者4人の人骨に、内部の骨髄を取り出すために切断、粉砕された明らかな兆候が示されたと、研究者らは述べている。「ここで食人が行なわれていたことには反論の余地がない」と、ベルギーの考古学者のクリスティアン・カセイヤス氏は、アルデンヌの森にあるこの遺跡内の渓谷の中腹に位置する洞窟をのぞき込みながら述べた。ゴイエ洞窟で発見されたこの人骨は、ネアンデルタール人が地球上で最後を迎えつつあった頃の年代のものだ。
ポーランドの外科医師らは12月22日、彼らが世界初の成功例だとする手術で、生まれつき片側の手がなかった男性に、死亡したドナーの手を移植する手術に成功したことを明らかにした。ブロツワフ医科大学病院の外科医チームを指揮したAdam Domanasiewicz氏は「今回の手術は先天性欠損症の成人への世界初の上肢移植例だ」と述べた。「私たちは、32年間四肢のこの部分(手のこと)なしで生きてきた男性について話していた」と同医師は語った。患者はこの処置の後、満面の笑みで今後の夢を語り、「両方の手を使って家族を抱きしめられるようになりたいです。今までは手の基部を使っていました」と述べた。
スポーツ中に頭部に受けた打撃や車の衝突、遊び場での転倒など、脳震とうはよくある脳損傷だが、診断が難しいことで悪名高い ― これまではそうだったと研究者らが12月22日に述べた。アメリカを拠点とする研究チームは、音に対する脳活動の反応の差異を測定する迅速で信頼性の高い検査方法を公開した。「我々の方法は脳震とうの診断から推測をすることができる」と、ノースウエスタン大学のニーナ・クロース氏は語った。「我々は、脳震とうが音に関する脳の情報処理をどのように混乱させるかを知り、生体を傷つけずに測定できるこの混乱によって、脳震とうの診断と管理が行なえる可能性を発見した」。
フランスは12月22日、世界初の「ソーラー・ハイウェイ」を落成した。これは、ノルマンディー地方の小さな町トゥルーブルにできた、街灯の電力を十分まかなえるソーラーパネルを敷き詰めた道路だ。長さ1キロの「ワットウェイ」は、樹脂加工で覆われたソーラーパネルが2800平方メートルを覆い、セゴレーヌ・ロワイヤル・エコロジー・持続可能開発・エネルギー相が眺める中で、地元の送電線に接続された。「太陽光発電のこの新しい利用方法は、新たに土地を占有することなく、すでに使用されている広大な道路インフラを活用できる」とロワイヤル氏は語った。同相は、「ソーラー・ハイウェイを全国に配置する4ヵ年の」計画を発表した。
695人の妊娠中の女性を対象にしたデンマークの研究は、妊娠後期の3ヵ月間に魚油のサプリメントを摂取し始めることが、子どものぜんそくやしつこいぜん鳴のリスクを減らす可能性を高めた。
魚油のサプリメントは、偽薬を与えられたグループの一日に2.4グラムのオリーブオイルを摂取した母親で23.7%のリスクを、魚油のカプセルを与えられた女性では16.9%のリスクに下げた。これは、生後3年間では30.7%のリスク減となる。
どうしてこのようになりうるのかは分かっていないが、一説によると、気道を固くする炎症を魚油が緩和すると言われている。
ギリシャの67歳の祖母が、娘の女児を出産し、代理出産をした女性としては世界最高齢となったと、担当した医療チームが12月23日に明らかにした。
「この人は英雄のようなおばあさんだ」と、担当した産科医のコンスタンティーノ・パント氏は語った。女児は12月20日に、7カ月半の妊娠期間を経て、帝王切開で体重1200グラムで誕生した。
ギリシャ中部のラリッサ近郊の村に住むアナスタシア・オントゥさんは、「母親というよりもおばあちゃんになった気分だ」と述べた。「この(代理出産の)決断は私にとってたやすいものでした。娘は自分で出産できずに心を痛めていましたから」と民放テレビ局スターに語った。
アルバータ州中部のホワイトコートにあるファストフード店付近の森林地帯で、カナダの男性が、クーガーの顔を殴り、飼い犬への攻撃を止めさせたと、王立カナダ騎馬警察(RCMP)が12月28日に発表した。
ウィリアム・ギブさん(31)は、12月26日にティムホートンズ(カナダのドーナツチェーン店)に立ち寄り、飼い犬を散歩させようと外に出したと、RCMPのトム・カリス巡査部長は語った。
そのすぐ後に、ギブさんは彼のメスのハスキー犬サシャが痛さでクンクン鳴いているのが聞こえ、クーガーがサシャを地面に押さえつけているのを見た。
「何かが犬に覆いかぶさっているのが見えたが、何なのか分からなかった。駈け寄って、頭部だと思うところを殴ったら、クーガーだったと気づいた」とギブさんは話した。
クーガーはギブさんを数回攻撃したが、ギブさんはクーガーを寄せ付けなかった。サシャの状態を確認し、警察を呼び、ケガをした飼い犬をトラックに乗せて手当を受けさせに連れて行った。
警察は5分か10分後に到着し、クーガーが他の犬や人さえも襲う危険があるとして警察が殺したと彼は述べた。
先日、フェイスブックのニュースフィードをスクロールしていると、祖国の友人がシェアした動画が出てきた。それは、東京のラッシュアワーに混雑した通勤電車に人が詰め込まれる様子を映したもので、「東京のラッシュアワーはとても面白い」というキャプションが付いていた。イギリスの学生ニュースサイト「Unilad」が掲載したこの短い動画は1700万回視聴されており、世界中から43,000件以上のコメントを獲得していた。
皮肉なことに、私はこの動画をまさに自分自身が極めてぎゅうぎゅう詰めの通勤電車に乗っているときに見ていた。電車に後ろ向きで乗り、ドアの枠に手を突っ張って中に入り、ドアが閉まるまで息を凝らすという、典型的な東京の通勤者の動きを文字通りしたところだった。そして、私はその映像を自分の携帯電話で見ていた ― 顔から1インチも離れていない距離で。腕がその位置で止まってしまったからだ。
新しい仕事を始めるために東京に引っ越す前、最も心配していたことの1つが通勤だった。すでに、Uniladに投稿されたその動画のような写真や動画は見たことがあって、通勤がどれだけストレスのレベルとBMIを高め、寿命さえ縮めうるかについて読んでいた。
この動画に対する反応では、どれだけ多くの人が車両(山の手線だったと思う)に入るのかにただ驚きを表す人もいれば、こんなことが日常的に起こっていることが信じられないという人もいた。多くがこの状況にがくぜんとしていて、鉄道会社が十分な列車を提供しないことや、通勤者が時間通りに出社することに必死になり過ぎていることを責めていた。
「すでに混んでいる電車に人がさらに詰めて乗り込んでくるとは耐えられない。この動画は地獄のようだ」。
「社会の問題は、誰もがものすごく忙しいと思っていることだ。世界はもっとペースを落とす必要がある…あれは社会について何か表しているのではないだろうか?」
「面白いなんていうものではない。気が滅入るような交通輸送システムのある混み過ぎている国というだけだ」。
私はどう思ったか? 不思議なことに、実は私はそれほど通勤がつらいと思っていない。確かに、すし詰めになるのは不快で、変な姿勢になってしまうと苦痛なときもあるが、集団での「我慢」という驚くべき感覚 ― 集団で文句を言わずに耐える姿勢 ― があると思われる。どれだけしんどくても、誰も文句を言わず、舌打ちもせず、怒ったりもしない。みんな目を閉じてうたた寝をしたり、静かに携帯電話や本を読んだり、音楽を聞いたりしている。
これがロンドンで起こったとしたら、人々は悪態をついたり、攻撃的になったりしているだろう。たぶん、さらに人を電車に乗せてあげることすらしないだろう。
結局のところ、私はどこかへ通勤しなければならないとしたら、毎日東京の「とても面白い」乗車の方がいい。