英語で音を表そうとするときにはオノマトペ(アノマトピーア[カッコ内は英語の発音を説明])を使う。「音のように聞こえる言葉」を意味するシンプルな概念を表した難解な言葉だ。オノマトペは子どものときに習得するものだ。私はバーモント州で過ごした少年時代の夏にたくさん覚えた。
私は毎年2ヵ月間、最寄りの小さな街から5キロほど離れた夏の別荘で過ごしていた。人里を離れ、野生の動物がたくさんいた。カナダの国境から約50キロだった。
朝目が覚めると、芝生の上のクローバーでマルハナバチが〈ブンブン〉いう音と、近くの木々の間で〈ピチチとさえずる〉鳥の声が聞こえた。外へ駆け出て、ドアがすぐに勝手に閉まると、母はよく「網戸を〈バタンと閉め〉ないで!」と言ったものだった。父はいつも何かしら作業をしていて、釘を金づちで〈バンバン叩いて〉いることが多く、私と姉に小さな校舎など木のおもちゃを作ってくれた。ときどき、雨水を集める金属の雨どいを父が直している〈カーンカーンという音〉も聞こえた。
夏でも寒くなることがあり、私たちは遠くから雷が〈低くとどろく音〉が聞こえたり ― もし近づいてくれば ― 稲妻が部屋を照らした後に突然〈雷鳴が響く音〉が聞こえた。雷雲がどのくらい離れているかを知るために、1、2、3…と数えたものだった。マイアミビーチの温暖な気候に慣れていたので、バーモント州の夏の別荘に暖炉があったのはうれしかった。寒くなったときに、木が火の中で〈パチパチと音を立てる〉のを聞くのはよいものだった。
町から離れた一車線の砂利道のそばに住んでいたので、うちを通り過ぎる速い車の〈ビュンビュン走る音〉を気にしなくてもよかった ― あんな砂利道を車で速く走れる人はいない。最寄りの大きな町へ毎週行き、小川の横を走る幹線道路を通ると、川床の石を越えて流れの速い水が〈ザブザブと進む音〉が聞こえた。私たちはその小川でマスを捕まえ、マスはフライパンの上で〈ジュージュー音を立て〉、私の口にはよだれが出た。朝食に何匹か小さな魚を食べた後、静かにテーブルを離れてすばやく〈げっぷをした〉。
私たちのところを訪れる人はそれほど多くなかったので、人が来たときに〈リンリン〉と鳴るドアの呼び鈴はなかった ― ドアをこぶしで〈コンコン〉とノックするだけだ。到着すると、車やトラックのクラクションを〈プップー〉と鳴らすだけのこともあった。
8月末の労働者の日のころが学校とフロリダに戻る時期で、両親は移動のために荷造りをし、家の中ではグラスや花びんが片付けられて〈カチャカチャいう音〉が聞こえた。残り10ヵ月をマイアミビーチに戻って過ごす。うげー!