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2017年2月24日号掲載の記事(ST編集部訳) print 印刷用に全て表示
Essay

The tattoo taboo (p. 9)

タトゥー・タブー

日本の冬で最高なものの一つは、やっぱり温泉だ。明らかに火山がない(というか、これといって面白い地理的特徴がない)イングランドから来て、日本は私が初めて温泉に入るという経験をした場所だった。

初めて温泉に行ったのは山梨の温泉で、英語を教えていた日本人の家族と一緒に行った。初めて温泉に入るたいていの外国人と同じように、赤の他人の前で裸になるのは緊張した。しかし、文化の違いが生むエチケットの違反をしないかどうかの方がもっと緊張した。お風呂への入り方を間違えたらどうしよう? 間違った石けんを使ってしまったら? 他人のプライベートゾーンをじっと見過ぎてしまったら?!

幸運なことに、何も心配をすることはなかった。スライドドアを越えて湯気の中へ踏み入れてしまえば、心配していたことは全て湯煙に消えてしまうようだった。私がしなければならないことは、他の人たちの振る舞いを見て、一緒にくつろぐことだけだった。ミネラル豊富なお湯に10分浸かると、よく分かった。

それ以来、北海道の人目につかない露天風呂から箱根のワイン温泉に至るまで、あちこちの温泉を回った。どこも同じくらい素晴らしく、日本でする文化的な体験のトップとして祖国の人たちに温泉を薦めている。

しかし、最近、この見方に傷をつける出来事を経験した。

温泉に入っている最中に出ていくようにと実際に言われたのだ(注:私は完全に全裸だった)。理由は? それは私にタトゥーがあったからで、その温泉では「タトゥー禁止」の方針を取っていた。スタッフに理由を尋ねると、彼らは「規則ですから」としか言わなかった。

タトゥーは日本では今でもかなりのタブーとなっている。伝統的に犯罪に対する罰を連想させるタトゥー(入れ墨)は、違法性の象徴となっていて、ヤクザが取り入れているものとして最も悪名高い。私と友人でさえ、タトゥーをたくさん入れた日本人男性を見たら、すぐにひじでつつき合って、その人はマフィアに違いないと思うだろう。

その一方で、タトゥーを入れている人全員がギャングなわけではない。タトゥーをしている外国人旅行客のほとんど、特に女性は、ヤクザではないことは確かだ。

ある客には規則を曲げて他の客には曲げないというのは難しいかもしれないが、多くの場合、この規則が意味を成していないことは否定できない。日本を訪れる外国人旅行客の数は急増しており、入れ墨をファッションとして取り入れる日本人が増えているので、おそらく、何かを変える必要があるだろう。

政府は実際、温泉のオーナーにガイドラインの見直しを推奨するなど、この問題に対処する対策を講じている。星野リゾートは最近、小さなタトゥーであればタトゥーが覆い隠されていることを条件に入浴を許可する方針に調整した。

これは小さな一歩だが、タトゥー禁止に終止符を打つために道を開くことを期待したい。

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