アムネスティ・インターナショナルは2月22日、アメリカのドナルド・トランプ大統領がホワイトハウスへたどり着くまでにしてきた「毒のある」発言は、ますます分裂した政治へと向かう2016年の世界的な傾向を実証し、この傾向は世界を「より暗い」場所にしたと発表した。
159ヵ国を対象にした年に一度の報告書で、この人権保護団体(アムネスティのこと)は、人間の尊厳と平等の原則が、当選を狙う政治家たちにより脅威にさらされているとし、特にトランプ大統領に焦点を定めた。「ドナルド・トランプ氏の選挙活動中の毒のある発言は、怒りが高まる分裂した政治へと向かう世界的な傾向を実証した」と、アムネスティはパリで発表された声明の中で述べた。アムネスティによれば、欧米中で難民を標的にしたヘイトスピーチが増加し、世界は「より暗く、…不安定な場所」になったという。
アムネスティの算出によると、シリアの内戦が7年目に突入する中、ヨルダンとシリアの間で動けなくなっている難民が約75,000人いるという。
アムネスティは、ポピュリズム(大衆迎合政治)に向かう動きと発言は、ヨーロッパで広く見られるようになってきたと述べた。「その結果、法の支配の弱体化と人権保護の衰えが広がった。今は特に難民とテロ容疑者の人権についてだが、最終的には全ての人々の人権へと広がっていく」。