テーピングをした横綱稀勢の里が、大関照ノ富士を3月26日に2回破って劣勢を跳ね返し、大相撲春場所で劇的な逆転優勝した。
稀勢の里は、3月24日に左肩から転倒し、翌日は力を発揮できずに2連敗して照ノ富士にリードを許した。勝数を対等な13勝2敗にして優勝決定戦に持ち込むには3月26日に1勝を挙げる必要があり、稀勢の里は対戦相手が土俵へと滑り落ちる中で勝ち残った。
鶴竜が同郷のモンゴル人横綱日馬富士を負かして春場所の予定されていた取組を終え、両力士ともに10勝5敗の記録となった後、照ノ富士と観客に人気の稀勢の里は土俵に戻ってきた。
1月の優勝で横綱に昇進した1998年ぶりの日本人となった稀勢の里は、対戦相手にまわしをつかまれた。しかし、照ノ富士は握った手でしがみつき、横綱(稀勢の里のこと)が照ノ富士をひっくり返して勝利したときにそれが裏目に出たことがわかった。
「言葉がありません」と稀勢の里はその取組の後で語った。
稀勢の里は、貴乃花以来22年ぶりに優勝した新横綱となった。