国会は6月9日、明仁天皇(83)が高齢を理由に退位できるようにする特例法を制定し、皇太子徳仁親王(57)が皇位を継承する道を開いた。
天皇の退位は2018年末に起こると見込まれている。現行の法律は天皇が死去した場合にのみ皇位継承を許しているため、天皇の退位は約200年ぶりとなる。
政府は政令を発することでタイミングを決める。
天皇の退位は日本の年号の変化の訪れを告げる。日本は、西暦と伝統的な年号の両方を同時に使っている。現在の年号は平成29年と呼ばれ、明仁天皇の時代になって29年という意味になる。
退位の特例法は、明仁天皇が昨年8月にテレビで放送された異例のビデオメッセージで引退したいという希望を示された後で議題になった。このメッセージでは、天皇はご高齢により、自身の公務に支障が出ているという懸念を述べられた。
6月9日に参議院は、主要政党のほとんどすべての賛成を得てこの法律を可決した。
「安定的な皇位の継承は、非常に重要な課題だ」と安倍晋三首相は述べた。
東京の上野動物園は6月12日、「シンシン」がジャイアントパンダの赤ちゃんを産んだと発表した。上野動物園では5年ぶりのパンダの赤ちゃんとなる。
この11歳のジャイアントパンダ(シンシンのこと)は午前11時52分に出産した。その午後にシンシンが赤ちゃんを抱いている様子が見られた。上野動物園は、生まれたパンダの体重や性別はまだ判別できていないと述べた。
先月、シンシンは妊娠の兆候を見せはじめた。上野動物園ではシンシンの一般公開を中止した。検査をして、シンシンが妊娠していることが示された。シンシンは前回、2012年に出産したが、赤ちゃんは誕生後6日目に肺炎で死亡した。
「パンダの誕生は非常にうれしい」と東京都の小池百合子知事は声明で述べた。「皆様にお喜びを申し上げたい」。
小池知事は、上野動物園が赤ちゃんのパンダを来園者に見せることができる日を楽しみにしていると語った。
大阪府にある大学は、廃棄された魚の皮を財布やキーケースに変えた。その製品は、魚のうろこによる独特の手触りで人気が出ている。
近畿大学は隣の兵庫県にあるレザー関連会社と共同で製品を製造する。彼らは、魚の皮から名刺入れなど、他にもさまざまな製品を製造する。
「上品な手触りと、表面に独特の光沢がある製品を作った」とレザー商品メーカーのコードバンに務める38歳のデザイナー米田浩さんは述べた。
魚の皮でできた製品は「Piscine(ピサイン)」というブランド名で販売される。チャック式の財布は受注生産ベースで30,240円だ。
最大の課題は魚臭さを取り除くことだったと同大学は話した。臭いの強い魚の脂肪分は手で丁寧に取り除かなければならない。
韓国の文在寅大統領は安倍晋三首相の特使に対し、いわゆる慰安婦問題の解決に関する歴史的な取り決めを韓国は受け入れることはできないが、これによって両国が関係を築くことを止めるべきではないと述べた。
文大統領はソウルでの会談中に自民党の二階俊博幹事長に対し、文大統領はこの2015年の取り決めについて再交渉をすると公約しているが、「他の領域での発展」は妨げられるべきではないと語ったと、大統領の広報担当官は述べた。
茨城県にある原子力研究施設の一室で6月6日に吸入を通じて誤って被爆した可能性のある作業員は、その後、約3時間室内に閉じ込められたと、同施設の運営組織の職員が6月9日に明らかにした。
被曝した作業員らは放射性物質が外部に漏れるのを防ぐために室内に留められた。この施設の運営組織である日本原子力研究開発機構は、作業員のうちの1人を検査した結果では、当初思われていたよりも被曝がはるかに少ないかもしれないことが示されたと述べた。
国内の外国人労働者の増加を背景に、昨年5月の時点で過去最多の34,335人の日本の公立学校に通う外国人児童生徒が日本語指導を必要としていことが、文部科学省の調査で6月13日にわかった。
2016年5月1日時点のこの数値は、比較可能なデータが1991年度に入手できるようになって以来、初めて3万台を超えた。文部科学省ではこの増加を、2020年東京オリンピック・パラリンピックの準備期間に労働力を必要としている日本へ入ってくる労働者の数が増えていることが原因だと考えている。
ヒューストン・アストロズの外野手・青木宣親選手は6月11日にプロ通算2000本目の安打を記録し、日本プロ野球と大リーグでプレーしてこの数に達した7番目の日本人となった。
この35歳の人(青木選手のこと)は、ホームであるミニッツ・メイド・パークでロサンゼルス・エンジェルスに負けた試合で3本の安打を打ち、合計が2001本となった。
「この数は私の野球キャリアで1つの章の終わりを意味する」と青木選手は話した。青木選手は、東京ヤクルトスワローズに在籍していた日本プロ野球での8シーズン中に1284本の安打を記録している。
ジェームズ・コミー前FBI長官は6月8日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が、2016年の大統領選挙におけるロシアの役割とトランプ氏の選挙活動とロシアとの結びつきに関する捜査を妨害するため自分を解雇したと述べた。
「私が解雇されたのはロシア疑惑の捜査のせいだというのが私の判断だ」と、トランプ政権を弱体化させる恐れのある証言でコミー氏は上院情報委員会に述べた。
リビアの独裁者だった故ムアマル・カダフィ氏の息子で一時は法定推定相続人だったサイフ・アル=イスラーム・カダフィ氏は、5年以上拘束された後で釈放されたと、拘束していた側が6月10日に述べた。
彼を拘束していたアブバクル・アルサディク旅団は声明で、サイフ・アル=イスラーム氏は6月9日に釈放されたと発表したが、彼がどこにいるかは発表していない。この釈放は、3つの権力拠点の1つであるリビア東部地域にある拠点で出された恩赦の一部だった。
世界保健機関(WHO)とイエメンの保健衛生当局によると、イエメンで発生したコレラは約800人の命を奪い、約10万人の人々の体調を悪化させていると疑いがあるという。
反政府勢力が実権を握っているサナアの政府の保健当局Nasser al-Argaly事務次官は6月8日、96,000人以上が感染し、4月下旬以降少なくとも746人が死亡したと発表した。
ユニセフとWHOは共同声明で、15歳未満の子どもたちが症例の46%を占めていると述べた。
ジャンニ・インファンティーノFIFA会長は、2022年ワールドカップ主催国のカタールを混乱に巻き込んでいる外交危機がトーナメントの開催を脅かすとは考えていないと、6月11日に述べた。
スイスの新聞のインタビューでインファンティーノ会長は、2022年にトーナメントが始まる頃までには外交状況は通常に戻っていると予想していると述べた。カタールでの開催が危機にあると思うかと尋ねられ、インファンティーノ会長は「いや、思わない。いずれにせよ、私は推測する習慣はなく、今回もする気はない」と述べた。
6月7日に発表された研究によると、節度ある飲酒であっても、脳の損傷や知的技能のわずかな低下につながるという。この研究は多くの国が定める飲酒ガイドラインに異議を唱えた。1週間に14〜21杯程度の飲酒を数十年にわたり続けた男女を調査したところ、記憶と位置感覚をつかむ能力を司る脳の部分である海馬の萎縮が見られる傾向が飲酒をしない人よりも2倍から3倍高かったと、医学雑誌BMJに発表された研究は伝えている。特定の言葉によるテストの出来も低くなる傾向が見られた。飲酒1杯は、10ミリリットルの純アルコールを含む量と定義された。
子どもが両親による争いの多い離婚を経験すると、その副次的な影響が子どもの健康に数十年にわたって害を及ぼし続けるとみられると、研究者らは6月5日に発表した。今回の研究は、風邪を引き起こすウイルスに暴露させられることに同意した201人の成人が関わり、経過を5日間観察した。実験の結果、両親が離婚して何年も互いに口も聞いていなかった人たちは、両親が別れても子どもの成長の過程で連絡を取り合っていた人たちに比べて、風邪にかかる確率が3倍高かった。離婚後も両親と連絡を取り合っていた人たちが風邪をひく確率については、離婚をしていない家庭で成人した人たちと同程度であることも、今回の研究で示された。
かつては正体が明らかにされていなかった体内が透けて見えるカエルが、エクアドルで脚光を浴びている。このカエルは、実験室のビンに入ったまま20年間忘れられていた。グラスフロッグの一種である「ヒアリノバトラキウム・ヤク」の小さな赤い心臓は下腹部の半透明な皮膚の下に見える。サンフランシスコ・キト大学の生物学者、ディエゴ・シスネロス氏は、1988年にアマゾン川でこのカエルを発見したと語った。しかし、類似の標本を見つけた別の科学者が2015年にフェイスブックに投稿した写真を見るまでは、このカエルを同定することができなかった。ジスネロス氏の標本が20年近くビンに入って過ごした後に、この発見はついに先月発表された。
ひな鳥はその種に特有の鳴き声をどのようにして学習するのだろうか? 親鳥たちから訓練されてその小さな脳に叩き込まれるのか、それともふ化する前から組み込まれているのか? 6月12日、科学者らは、少なくとも一部の鳴き鳥については、種特有の鳴き声が遺伝子に組み込まれているという興味深い証拠を提示した。卵のときに巣から取られ、別種の「里親」の鳥の巣でふ化して育てられたヒタキは、遺伝的に同種の鳥を特定できる鳴き声を生涯に渡って好む傾向が一貫して示された。このことが示すことは一つだけだ:鳴き声を区別する能力は生まれつきのもので、習得するものではないと、研究論文の共同執筆者で、スウェーデンのウプサラ大学のダビド・ウィートクロフト氏は語った。
小惑星が地球に衝突する危険性が高まっていると、チェコの天文学者らは6月6日に発表した。チェコ科学アカデミーの天文学者らは、おうし座流星群の中にある144の天体 ― 大気中で爆発する大型の流星 ― を分析した後で結論を導き、そこで直径200〜300メートルの小惑星を少なくとも2個含む新たな分枝を発見した。この分枝は、太陽の周りをともに移動している物体でできており、地球には数年後に1度、3週間ほどの間接近する。「この間に、大型の流星との衝突が起こる可能性は著しく高まる」と、同アカデミーは述べている。
川に捨てられて世界の海に行き着いたプラスチックは、海洋汚染の主な発生源の1つとなっており、アジアの河川が主原因だと、新しい研究は発表した。海からプラスチックをなくす新技術を開発するオランダの基金「オーシャンクリーンアップ」の研究者らは、川から海に流れ込むプラスチックの量は年間1.15〜2.41トンだと述べた。6月7日に『ネーチャーコミュニケーションズ』誌に掲載された最新の研究は、汚染の3分の2が最も汚染のひどい20の河川からもたらされており、その圧倒的多数がアジアにあり、中国の長江がこの河川リストのトップとなっている。
ハインツのグリーンケチャップ。脂肪分なしのプリングルズ(スナック菓子の名前)。歯磨き粉メーカーのコルゲート社が発売した冷凍ラザニア。専門家でなくても、こうした製品が失敗したことは分かるだろう。
だから、これらの製作物は数十の他の物と一緒に、新たにできた「失敗博物館」で取り上げられているのだ。この博物館は、スウェーデンの街ヘルシンボリに設立され、何年も前に拒否されたたくさんのへんてこな製品が並んでいる。
この博物館は43歳の学芸員で臨床心理学者のサミュエル・ウエスト氏が考案したものだ。
「イノベーションプロジェクトの80〜90%は失敗して、それについて読むことは一度もなく、見ることもなく、人々はそれらについて語ることもないということを我々は知っている」と、ウェスト氏は述べた。「そして、我々がこうした失敗からできることが何かあるとしたら、それは失敗から学ぶことだ」。
博物館に展示されている多くの品物は、企業がブランドを多様化しようとした試みを示している。コカ・コーラの「BlaK」というコーヒー飲料やペプシの「クリスタル」という透明な炭酸水などがある。
象徴的なバイクメーカーのハーレー・ダビッドソンからは1990年代半ばに発売した男性用のオーデトワレが登場している。
「ファンは大いに嫌っていた」とウエスト氏は述べた。
ほぼ毎週のようにJASRACが日本語のツイッターで話題になっていた。それは大抵の場合、人々が日本音楽著作権協会(JASRAC)を褒めているからではなく、またしてもJASRACが日本の誰をも怒らせているからだ。
5月にJASRACは、京都大学に警告を送付した。京都大学の学長がアメリカのシンガーソングライターであるボブ・ディランの『風に吹かれて』を引用した後のことだ。
今年これまでに、著作権料を徴収しているこの組織(JASRACのこと)は日本中の音楽学校から料金を徴収する計画を発表した ― 生徒たちが人気の曲を使って練習し、教室で演奏することがよくあるからという理由だ。この2つのニュースはインターネット上で炎上し、怒りのツイートと、JASRACの強欲を嘆く掲示板投稿をもたらした。日本のポップ界のスーパースターたちでさえもツイートを投稿した。
「もしあなたが、私の曲を教室で使いたい先生や生徒だったら、私は著作権を心配せずに無料で曲を使ってもらいたい」と宇多田ヒカルさんはツイートした。何十万人の人が彼女のツイートをシェアした。
JASRACは長い間、費用の徴収の仕方だけではなく、誰から費用をとるかについても、嫌悪されてきた。彼らは家族経営のヘアサロンまでもを当てにしているのだ! そして、別のばかげたように思える出来事が浮上すると、インターネットは再び炎上する。多くの人々が、この組織を、金銭を徴収する好戦的な態度によって日本の音楽を駄目にしていると糾弾した。
この主張にも一理ある。ポップ音楽はなるべく多くの人々に聞かれるために作られているものだ ― ポップは結局「popular(大衆の)」を意味するのだから。ほとんどの国では、レストランや店、カフェの店内だろうと、どんな場所でも耳に残る曲が聞こえるのが普通だ。音楽はシェアされるべきだ。JASRACの方針はこのイメージを台無しにしている。また、音楽学校に課金するという考え方は、音楽に最も夢中になっている人々を困らせるように思える。
それでも、私はJASRACにやや同情もしている。オンラインの人々の多くは音楽をYouTube経由で無料で聞いたり、アップルミュージックやラインミュージックなどの安価なストリーミングプラットフォームで聞いている。過去十年間に渡って人々の頭の中での音楽の価値は大幅に下がった。JASRACは理論上は、作曲家やアーティストが公正な分け前を得られるようにしようとしている。そして、JASRACが徴収している料金の多くはそれほど高額ではない。ほとんどの小規模事業者への請求額は年間1万円前後だ。
しかし、JASRACはあらゆる物事を見苦しいやり方で対処するため、まるでできる限りの金を吸い取ろうとする吸血鬼の一団のように見えてしまっている。彼らの目的は気高いものかもしれないが、下手なやり方で取り組んでしまっている。それを直さない限り、彼らはツイッターでさらにたくさん話題になると見込まれる。