ほぼ毎週のようにJASRACが日本語のツイッターで話題になっていた。それは大抵の場合、人々が日本音楽著作権協会(JASRAC)を褒めているからではなく、またしてもJASRACが日本の誰をも怒らせているからだ。
5月にJASRACは、京都大学に警告を送付した。京都大学の学長がアメリカのシンガーソングライターであるボブ・ディランの『風に吹かれて』を引用した後のことだ。
今年これまでに、著作権料を徴収しているこの組織(JASRACのこと)は日本中の音楽学校から料金を徴収する計画を発表した ― 生徒たちが人気の曲を使って練習し、教室で演奏することがよくあるからという理由だ。この2つのニュースはインターネット上で炎上し、怒りのツイートと、JASRACの強欲を嘆く掲示板投稿をもたらした。日本のポップ界のスーパースターたちでさえもツイートを投稿した。
「もしあなたが、私の曲を教室で使いたい先生や生徒だったら、私は著作権を心配せずに無料で曲を使ってもらいたい」と宇多田ヒカルさんはツイートした。何十万人の人が彼女のツイートをシェアした。
JASRACは長い間、費用の徴収の仕方だけではなく、誰から費用をとるかについても、嫌悪されてきた。彼らは家族経営のヘアサロンまでもを当てにしているのだ! そして、別のばかげたように思える出来事が浮上すると、インターネットは再び炎上する。多くの人々が、この組織を、金銭を徴収する好戦的な態度によって日本の音楽を駄目にしていると糾弾した。
この主張にも一理ある。ポップ音楽はなるべく多くの人々に聞かれるために作られているものだ ― ポップは結局「popular(大衆の)」を意味するのだから。ほとんどの国では、レストランや店、カフェの店内だろうと、どんな場所でも耳に残る曲が聞こえるのが普通だ。音楽はシェアされるべきだ。JASRACの方針はこのイメージを台無しにしている。また、音楽学校に課金するという考え方は、音楽に最も夢中になっている人々を困らせるように思える。
それでも、私はJASRACにやや同情もしている。オンラインの人々の多くは音楽をYouTube経由で無料で聞いたり、アップルミュージックやラインミュージックなどの安価なストリーミングプラットフォームで聞いている。過去十年間に渡って人々の頭の中での音楽の価値は大幅に下がった。JASRACは理論上は、作曲家やアーティストが公正な分け前を得られるようにしようとしている。そして、JASRACが徴収している料金の多くはそれほど高額ではない。ほとんどの小規模事業者への請求額は年間1万円前後だ。
しかし、JASRACはあらゆる物事を見苦しいやり方で対処するため、まるでできる限りの金を吸い取ろうとする吸血鬼の一団のように見えてしまっている。彼らの目的は気高いものかもしれないが、下手なやり方で取り組んでしまっている。それを直さない限り、彼らはツイッターでさらにたくさん話題になると見込まれる。