アメリカの医療制度は複雑だ。日本のような国の多くの人々が知らないかもしれない1つのことは、受けられる医療の質が住んでいる州によって異なるということだ。
妻と私はこれまで、ワシントン州とカリフォルニア州の医療を経験したことがある。ワシントン州では、私たちの保険会社は月に200ドル(22,400円)以上を請求していたが、カリフォルニア州では5ドル(560円)以下だ。
ワシントン州で、妻は足首の骨を何本か骨折し、病院に行かなければならなかった。しかし、どの病院に行ってもよいというわけではなかった。自分の保険プランにある病院でなければならなかったのだ。レントゲン検査には10ドル(1,120円)から20ドル(2,240円)かかった。悪くはない! しかし、経過観察のための通院では、診察と脚に小さな装具をつけてもらって、請求額は500ドル(56,000円)を超えた。請求書を受け取ったとき、妻は病院に電話をし、病院側は15%値引きした。
少なくとも、妻には保険があった。2800万人ほどのアメリカ人は全く保険に入っていない。どんな医療処置を受けても全額払わなければならない。1日の入院には平均で5,220ドル(586,000円)かかる。
日本では、民間の保険は公的な医療制度に加えてのオプションとなっている。しかし、アメリカではほぼ全ての保険が民間の保険だ。そして、もし保険に入っていなかったら、表示価格の全額を支払わなければならない。
アメリカ人はどうやって保険に加入するのだろうか? 保険プランには銅、銀、金、プラチナがあり、銅は最も安い保険料で控除免除額(この金額に満たない医療費は全額自己負担になる)は最も高い。プラチナは保険料が最も高く、控除免除額は最も低い。プランを選ぶときは、どのくらい頻繁に医者に行ったり治療が必要になったりするかを検討しなければならない。
アメリカ人にとって、自分の健康状態や予算を基に、ぴったりのプランを見つけるのはややばくちのようなものだ。安い銅のプランを選んだら、保険料は安いが、控除免除額が高いので、健康を維持するよう願った方がいい。もし重い病気になったら、保険会社が治療に必要な金額を支払い始めるまで、自腹で何千ドルも払わなければならないかもしれない。特別な治療が必要な特別な病状を持っているだろうか? それなら、あなたの病状を保険プランがきちんとカバーしてくれるように、プランと保険会社を詳細に比較する必要がある。
もし、企業が提供する健康保険に入れるくらい運がよければ(私の息子のように)、雇用主が保険料の全額または一部を支払ってくれる。雇用主からの保険プランがなければ、自分で保険に加入しなければならない。
現在、医療費負担適正化法、またの名を「オバマケア」が国法となっている。完璧ではないが、保険に入っていないアメリカ人の数を減らした。しかし、この法律は存続が危ういかもしれない。
共和党が支配する議会では、オバマケアを廃止したがっている。彼らは成功するのだろうか? 妻と私はわれわれの願いが叶うように祈っている。